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🚑 ⑦青物横丁に残る明治時代の洋館医院建築 

 

 

 

 

 

立会川からはじまった旧東海道の思いつき散歩は、出桁造り商家が4棟残っていた鮫洲を通過して、いよいよ本丸の青物横丁駅の商店街に到達した

 

青物横丁は隣駅の新馬場と並び品川区ではもっとも古民家の密度が高い地域で、スペシャルな物件がいくつも残っている

 

 

ここであらかじめ断っておくと今回は新馬場の隣駅の北品川には立ち寄っていない

 

北品川にも素敵な出桁造り商家や銅板葺き看板建築が残ってはいるけれど、それぞれ1棟ずつしかない上に、この時期は日没時間が早いから、暗くて上手く撮影できない可能性が高いからだ

 

 

ちなみに、次の鎌倉の散策ではそれを見越して、暗所に強いRICOHのGRを予備機として持っていったので、最悪の事態は回避できたのに、久しぶりに使うGRは、バッチリ写るけどシャッター速度が極端に遅くなることを失念していて、失敗写真を連発してしまった

 

かつてGRをメイン機に使用していた頃なら、手持ちで1秒というシロウトならブレブレになるシチュエーションでもピタリと止められたが、ブランクが長過ぎたのか、残念ながらそのスキルは発揮されなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

という話はともかく青物横丁駅に近づくにつれて、わりと賑わっていた鮫洲よりもさらにひと通りが多くなってきて、立会川のような寂れた雰囲気は希薄になってきた

 

ちなみに、こちらの気になる「住吉」という店は、過去のいちばん古いストリートビューを見ても外観は変わらず、シャッターが開いているカットもあったが店内はガランドウだったので、おそらく廃業しているものと思われる

 

 

--という長い前おきが終わったところで

 

前回の記事の最後に思わせ振りに書いたこちらの「海雲寺」、あっ、ややこしいけど前々回の記事の参道が京急と国道にぶった切られてしまった寺は「海晏寺」ね

 

 

 

 

 

 

 

 

当ブログでは基本的に神社仏閣はスルーの方針で、したがって僕もあまり寺院に関する記憶は残っていないのであるが、こちらの海雲寺は、とある理由により、かなり印象に残っていた

 

というのは、この風格たっぷりの山門の真横に、なんと銅板葺き看板建築が残って

 

 

 

 

 

 

残って……

 

 

 

 

 

 

 

 

残って…………

 

 

 

 

 

 

 

 

いなかった。ファッキンシット!!

 

というか、銅板葺き看板建築などは跡形もなくなってしまっていて、そこには虚しい更地が!

 

今回の散策では幸いなことに大規模な区画整理や再開発といった人災には、ほぼ遭遇していなかったのに、ついに恐れていた事態が……

 

 

ということで、ここで貴重な物件が失われてしまった場面に遭遇したときのいつもの鎮魂歌(レクイエム)を捧げたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、この場所には、銅板葺き看板建築だけではなく、戦後型の平凡な看板建築を挟んで明らかに戦前物件だとわかる簓子下見板張りの渋い建物も残っており、ちょっとした古民家の町並みを形成していたのだ

 

更地にされた場所には、たいていファッキンなマンションなどが建てられてしまうのが定番のオチだが、ここでは更地のまま放置されている

 

 

 

 

 

 

 

 

全景を写した写真がないから、過去のストリートビューからキャプチャして貼っておく。ちなみに解体されてしまったのは一昨年のようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しみにしていた銅板葺き看板建築が跡形もなく消し去られていたショックを引きずりながら品川寺を横目に見つつ、いよいよ青物横丁の核心部に突入するが、その直前にちょっと変わった光景が見られた

 

 

手前にある緑色のクレハロンテントの店はエスニックなイラストといい「ダンネバード」という店名からして、インド人が経営している本格的なインドカレーの店のように見える

 

そこから隣の店のほうに視線を転じると、なんと典型的なジャパニーズカレーの店「日乃屋カレー」があるではないか!

 

 

僕は自他ともに認めるカレー好きだが、本格インドカレーからスパイスカレー、洋食カレーなどなんでもアリ派なので、この組み合わせにはちょっと笑ってしまった

 

などとカレー屋に気を取られている余裕はない。旧東海道を挟んだこの斜め向かい側には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうこの段階で、こちらの建物がタダモノではないことは明白である

 

偶然なのか狙いなのか白く塗装された木造二階建ての下見板張りの洋館の前には「旧東海道」という標識が立てられていた

 

 

そして、袖看板を見ると「竹内醫院耳鼻咽喉科」と、「医」ではなく旧字体の「醫」が使われているあたりに、この医院の矜持を感じさせる

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん、何度見ても素晴らしい。最初にこの建物を見たときは、まだブログなどはじめる以前のことで、現在ほど建物マニアにはなっていなかった

 

それなのに、この物件を見たときには思わず心のなかで「おおっ!」と驚嘆の声をあげたものだ

 

 

こちらの建物は海軍の軍医総監をしていた初代が明治末から大正初期にかけて建造したもので、現在は耳鼻咽喉科になっているが、ごく近年までは外科医院であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この物件でひとつ困るのは、前庭などがほとんどなく旧東海道に面しているところで、そのおかげで限られたアングルでしか撮影できないことであろう

 

不審者丸出しで建物の周囲をうろうろしてみたが、向かって右側は、植栽が邪魔になって建物がよく見えず、建物の左側には隣家があるから当然のように撮影できず結局、似たような写真ばかり量産してしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは6年ほど前に、日没直前に撮影したもので入り口の奥には明かりが灯り、なんとも言えないノスタルジックな雰囲気を醸し出していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹内醫院の向かい側にある自転車屋も戦後型の看板建築ではあるが、木造下見板張りの竹内醫院に合わせるように、それ風に造っているところが偉い

 

 

そして、この自転車屋と竹内醫院の角を京浜急行のガード方面に曲がったところに、少し前の記事でコメントをいただいた特選物件が残って……

 

 

 

残っている……はずだ

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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