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🍶 ①駅前商店街すらない駅前に降り立つ 

 

 

 

 

 

 

相模原市の政令指定都市への野望は、近隣の町を強引に併合することにより成就し今や横浜市、川崎市に次ぐ神奈川県第三の政令指定都市になった

 

そのおかげで古い町並みなど皆無だった市内に、旧甲州街道の宿場町、与瀬と津久井道の中野という、江戸時代から続くふたつの宿場町が相模原市所属の古い町並みになった

 

 

相模中野は、Googleマップを見ていて何気なく発見したが、白紙撤回された京王相模原線の伸延もあり、橋本駅から終点の三ヶ木まで頻繁にバスが出ている

 

ハブステーションの橋本駅は、安政年間の開国により賑わった八王子道(横浜街道・通称、絹の道 旧国道16号線)の宿場町から発展したが、さほど賑やかな町ではなかった

 

 

しかし、土地は肥沃だったようで、何軒もの豪農の屋敷が残っているので、今回はその豪農屋敷を訪ねた

 

 

 

 

 

 

 

 

散策は旧町田街道が一部そのまま残っている橋本の隣の駅、相原からはじめることにする

 

というのは相原駅のすぐ近くに、最初の豪農屋敷がほぼそのままのかたちで残っていて、さらに、幕末から明治にかけて地域医療や自由民権運動に功績を残した天然理心流の剣士でもあった青木家があるからだ

 

 

電車を降りて改札に向かうとまず見えるのは、八王子まで連なる多摩丘陵の低い尾根であった

 

ちなみに、タイトルバックと次の写真に、うっすらと黒い✕が写りこんでいるのは、駅舎の窓の金網越しにしか撮影できないためである

 

 

 

 

 

 

 

 

改札を抜けて駅前広場に出ると、首都圏なら当然のように目に入ってくるドラッグストア、牛丼屋、マックなどの飲食店などは一切ない。まるで群馬県のローカル駅のような閑散とした駅前風景だ

 

唯一、駅前らしかったのが駅舎の脇にスリーエフ・ローソンがあったことだが、駅の反対側は知らないうちにロータリーになっていて、そちら側にもローソンがあった

 

 

隣の橋本駅がタワーマンションだらけで、ない全国チェーンの店などないほど擬似的な都会なのとは、恐ろしいほどの落差である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前広場から右手の方向を見ると遠くに橋本駅のタワーマンションが。そして手前には全国チェーンの「庄や」、軒先に「まいど どーも!!」と記された焼鳥屋らしき物件が目に入ってくる

 

商店街もないくせに飲み屋はあるあたりが、いかにも田舎臭い雰囲気を醸し出していて、ますます地方の駅前風景のようだ

 

 

以前は、この一連の建物に、もっと飲食店があったような記憶があるが、久しぶりに訪れてみると目的の旧町田街道方面に向かう道に面した2軒は、ずいぶん以前に廃業してしまったようで、軒先のクレハロンテントがなくなり骨組みだけになっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

駅舎を振り返って撮影する。とても都内には見えない寂れた空気が濃厚に漂う閑散とした眺めである

 

駅前から旧町田街道方面に向かう道に出ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道の脇には開渠で水路が流れており、府中や日野あたりならともかく、水路はほとんど暗渠にされている都内では開渠というだけで珍しい

 

 

水路の脇には石積でかさ上げされた土地に、見事な生け垣と入母屋屋根の平屋建ての豪邸があった

 

いや、ここが東京都内ということを勘案すると、この時点では立派な豪邸であるが、これから見に行く豪農屋敷は想像を絶するレベルなので、それらと比べると普通の農家の屋敷と言えよう

 

 

 

 

 

 

 

 

以前、この町を訪れたとき発見した不思議な橋が残っていた

 

この角度から撮影すると、どこにでもあるようなごく普通の橋にすぎないけれど、いざ橋をわたろうとすると

 

 

 

 

 

 

 

 

橋の入口はカラーコーンとトラ棒で封鎖されており、その前に封鎖しなくても、わたった先は行き止まりである

 

かつては橋の向こう側にわたれたが、出口はガードレールでふさがれ目的を失ったトマソンな「無用橋」になってしまったのだろう

 

 

 

 

 

 

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これは7年前に撮影した同じ橋。この頃はまだもじゃ橋になっておらず単なる「無用橋」のトマソンに過ぎなかった

 

このトマソン橋から視線を前方に転じると、嫌でも目に入ってくるのが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず最初の豪農屋敷である。どこまでも続くかのような屋根付きの黒板塀に屋敷林、その敷地内には巨大な入母屋屋根の住宅が見える

 

建物自体は、一見さほど古くなさそうに見えるが、屋根の巨大さから、もしかしたら茅葺き屋根を改装したのか? という疑念も浮かぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪農だけに当然のように立派な土蔵も備わっている

 

これが港区や渋谷区なら二桁億円確実の広大な敷地だが、このあたりは田舎なのでおそらく一桁に収まるだろうが、それにしてもあり得ない規模の豪邸である

 

 

 

 

 

 

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以前は、この近くに防風の役目を果たす「カシグネ」を備えた商家、ガレージにされている廃墟もあったが、きれいさっぱり消滅して、面白味の欠片もない住宅に変わっていた

 

うーん、建物はしかたないとして、カシグネはとても貴重な伝統文化なのだから残しておいてほしかった

 

 

ところで冒頭で記したように、このあたりは豪農地帯なので、この凄まじさでまだ関脇クラスに過ぎず、このすぐ先に、本命のひとつ横綱級の有形文化財の青木家が残っている

 

ということで次回は、旧町田街道に面した青木家を見にゆく

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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