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⛅⑨江古田銀座商店街とバラックと太陽 

 

 

 

 

 

江古田駅の北口の商店街は、ほぼ網羅したと思うので今度は南口にある商店街を散策することにした

 

北口ではゆうゆうロードという名称だった通りは、西武池袋線の踏切を越えて南口に入ると江古田銀座という名前に変わる

 

 

この町は学生の頃から通っているため個人的に新たな発見などはあまり期待していないが、心配なのはいつ来てもさほど変わらなかった町の雰囲気が、少しずつ悪い方向に変化していることである

 

 

悪化といっても荒川から向こうのように治安が悪いとか、そういう意味ではなく、ここ近年、都内の多くの町と同様に古い建物が取り壊されて、もはや害悪としか言い様がないマンションなどに建て替えられ雰囲気が悪くなっている--という意味だ

 

 

 

 

 

 

 

 

この細い路地に入って右に曲がると、すぐに南口の駅前に出る

 

江古田においては、ここ近年、再開発が著しい西武池袋沿線の駅のなかでは新宿線の野方や都立家政と同様に、大規模区画整理により無理やり駅前ロータリーを造るといった愚行はまだ行われていない

 

 

西武や東武は都心から離れた郊外の駅から、無駄な再開発を推し進めており、昔はよい雰囲気だったひばりヶ丘、東久留米や上福岡、鶴瀬などは、かつての町並みは根こそぎ破壊され、目もあてられない惨状を呈している

 

江古田駅南口の駅前は車も入れないような狭い路地がいきなりはじまっているが、その狭くてごちゃごちゃしたした雰囲気は、西武沿線のアイデンティティーと言ってよいだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前から先ほどの細い路地を抜けた通りが、北口のゆうゆうロードから続く商店街で、トレファクスタイルのようなリサイクルショップもあるが、基本的には飲食店が中心の商店街になっている

 

 

この商店街は学生街の長所である安くて美味い店が昔から多く、以前、線路際に抜ける路地裏にあった定食屋の肉豆腐が美味くてよく通っていた

 

店はなくなってしまったが、同じくこの店に通っていた漫画家のえのあきらの家に泊まりがけで遊びに行ったときは、よく僕が店の味を再現して作ったものだ

 

 

もちろん当時と変わっていない店もある。なかでもお気に入りなのが、上の写真のラーメン屋「太陽」である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この店は東京風の醤油ラーメンだが、鶏ガラではなく煮干しがベースのスープ。煮干しといっても一時期やたらと流行った煮干しのえぐみや苦味が出るほど濃厚なダシではなく、あっさりした中にもコクがある系統のものだ

 

煮干しラーメンはスープのクオリティを一定に保つのが困難で、とあるお気に入りの店ですらアタリハズレがあるのに、この店はスープが安定しているのは、おそらく無化調ではないからだろう

 

 

ちなみに、以前から科学調味料を使用しないことを売りにしている店は多いが、スープは無化調でも麺に使う鹹水の天然モノは、食品衛生法を通らないので使用できない

 

僕はヴィーガンとかベジタリアンには懐疑的な立場なので、仮にオーガニックラーメンなどが存在しても興味はない。何故ならばラーメンはジャンクだからこそ魅力的だからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「太陽」の少し先に戦後間もない頃のバラックを想起させるような平屋の建物が残っているが、ここをとおるのはたいてい夜なので、奥にもクォーターもじゃハウスがあるとは気づかなかった

 

この周辺では、建物の建て替えが激しい江古田において、このバラック風の飲み屋と奥に見えているクォーターもじゃアパートだけが、下町的な空気を漂わせている

 

 

 

 

 

 

 

 

これは6年前に同じ建物を撮影した写真だが、建物の横の部分のイラストが当時と変わっていないことがわかる

 

以前は、こういった古い木造家屋があちこちにあったが、いつの間にか取り壊されて新しい建て売り住宅などになり、練馬区の下町といった町の個性は、徐々に希薄になっている

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは北口を降りて日大芸術学部方面に向かって徒歩15秒、つまり駅の出口の真ん前にあったバラックの不動産屋で、僕のお気に入りの建物であったが、ある日訪れるとツマラナイ建て売り住宅に変わっていた

 

「太陽」から千川通りに向かって歩くと左手に低層のビルがあったが、その建物も

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか取り壊されて更地にされ、囲いで覆われていた。おそらくこの場所にも後方に見えているような、とうでもいいマンションが建つのだろう

 

ちなみに、その向かい側はずいぶん以前から更地のまま放置されているが、江古田でも東京の他の町と同様に、壊したはよいが再利用されず無駄な駐車場になっている場所を多く見かけた

 

 

 

 

 

 

 

 

そのすぐ先で江古田銀座商店街の通りは千川通りと合流している

 

僕が撮影しているこの写真の奥のほうに十数分ぐらい歩くと武蔵大学のキャンパスがあるが、そちら方面にはほとんど古民家がないので割愛して反対方面に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前商店街と千川通りが合流している地点は五叉路になっており、その角地に古風な材木屋がある。下の写真を右に向かう道は江古田通りで、中野区の江古田はこの先にあるが、まずは千川通りに向かう

 

というのも、この先には江古田では数少なくなってしまった戦前物件が残っているからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、こちらに曲がったとたんに、なんだか悪い予感しかしない

 

ついこないだ訪れたときは看板建築が並んでいたはずの場所は更地にされており、作業車と建築関係らしき人物がたくさんいるのが目に入ったからだ

 

 

しかし近くまで行ってみると、この場所は以前からスクールバスの駐車場だったところで胸を撫で下ろした

 

そして、このすぐ先に5、6年前に江古田に残っている戦前物件を探したときに発見した出桁造りの元商家があるのだが、僕はそこで信じられないものを見ることになる

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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