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前回の記事に掲載したこの“たわわに実ったプーさん”の看板建築と半もじゃハウスのクリーニング店から先は、店舗の密度が急速に下がり……

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のように目の前に商店街のアーチが立てられ商店街のテリトリーは、ここで「終わり」だと告げていた

 

奥に見えているのは西武新宿線の踏切である。その踏切の少し手前に……

 

 

 

 

 

 

🚃 ⑥ジブリのような雰囲気の家と笑い地蔵 

 

 

 

 

 

 

 

なんとも言えない小さな擬洋風建築の平屋住宅があった

 

いや、ここまで超小型で、なおかつディテールに手抜きのない物件は、初めて見たので和の建築技法ではあるが「擬」は外して超小型洋館と呼びたい

 

 

こんなに小さいのに建物は寄棟と平入切妻の2棟を連結した造りになっており、スレート葺きの屋根や窓の庇は定番のラスティカラーに塗られている

 

建物上部の漆喰の部分は白に、そしてドイツ下見板張りの部分はライトブルーに塗装され、日本人のイメージする洋館そのものの仕上がりである。うーん、素晴らしい!

 

 

日本で洋館といえば旧古河庭園や、岩崎庭園あたりが定番であり、文化的視点から見ればそれは間違いではなく、とても素晴らしい建物である

 

しかし、それらの物件には幕末明治のゴタゴタで成り上がった泥臭さを隠蔽する成金臭さが漂い、物としては素晴らしいが、それが出来上がった経緯には一向にリスペクトを感じない。というのが正直な気持ちだ

 

 

そんな成金臭さが漂う物件とは異なり、こういった町の洋館には西洋文化に対する純粋な憧憬が感じられとても好ましい

 

 

 

 

 

 

 

 

身も蓋もない言い方をすれば、この大きさの平屋住宅をわざわざ手間隙かけて洋館の造りにするメリットはない

 

だがしかし、“あえて”こういった造りにした建物のオーナーの純粋な心意気がこもったこうした建物のなんと魅力的なことか

 

 

明治のゴタゴタで成り上がった長州の田舎侍が跋扈して以降、日本人に足りないのは、こういった心意気とか志を含めた「粋」というものではなかろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

向かい側にも典型的な昭和中期頃の様式の平屋住宅があった


 

こちらは、超小型洋館とは異なり当時の典型的な建て売り住宅や公団住宅に見られる簡素なデザインである

 

じつは僕は一時期、こういった建物に住んだことがあるので、このような物件を見ると強いノスタルジーを掻き立てられてしまい、つい撮影してしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら商店街の外れは、古い時代からこのような趣味のよい建物が並ぶ住宅街だったようで、この平屋住宅の少し先、踏切の直前には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどの超小型洋館に続き、またしても思わず「おおっ」と、感嘆の声が出そうになる素晴らしい建物があった

 

こちらは建物自体には、さほど見るべきものはないが、見事なのは建物の周囲の植栽で、ミニマムな土地にも関わらずなんとも言えない雄大な雰囲気を感じさせる。これはもう盆栽の世界である

 

 

アニメ映画の名作「となりのトトロ」は、この西武沿線の所沢界隈が舞台になっているが、この物件もその世界観と同様の雰囲気が濃厚に漂っていた

 

 

これで「横Y」の商店街は端まで見たので、途中から通りに入ったため、見逃していた「Y」の根元部分を見にゆく。というか、この部分にこそ野方の核心部があると言っても過言ではない

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに駅からすぐの場所なので、まだ夕食の買い物ラッシュより早い時間にも関わらず、けっこうな数の買い物客が行き来していた

 

おそらくもう少し遅い時間になれば夕食の買い物をする主婦などで賑やかになるのではないかと思われる

 

 

この「横Y」の合わさる真ん中つまり「<」の内側はやや盛り上がっている地形になっている。そのことから「横Y」の道は、低い場所をとおることで必然的にそうなったのだろう

 

「横Y」の真ん中には、なんとなく由緒のありそうな地蔵尊が見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くまで行ってみると地蔵尊は、かなり古そうな感じに見えたので調べてみると意外な事実がわかった

 

 

見た感じ江戸時代からあってもおかしくない貫禄だが、じつはこの地蔵尊、地域に笑いと発展を呼ぶため戦後になってから祀られたものだったのである

 

しかし、いかにも新造といった軽さは感じられず、むしろ地域の厚い信仰を集めていることは、きちんと手入れがなされていることから明らかだ

 

 

 

 

 

 

 

 

地蔵尊のある細い路地の戦後型看板建築も気になったが、この路地のすぐ近くに今回の取材のメインイベントがあり、すでにそちらの物件が見えていたので、その他のことなど瞬時にして脳裏から消し飛んでしまった

 

それは首都圏全域では絶滅危惧種の、戦後のバラックから発展した

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、僕の大好物の「マーケット」である

 

こちらの「野方文化マーケット」は、その筋のマニアなら知らぬ者とてない超有名物件で、この手の「香ばしい」「DEEP」なスポットを愛する者ならば、たいてい一度は見に行っている物件だ

 

 

もちろん僕もブログをはじめる以前に、一度見に行っていたが取材をするのは、今回がはじめてである

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、次回はこのシリーズのメインイベント、都内に残されている数少ないバラック遺構のキラーアイテム「野方文化マーケット」を紹介する

 

ということで、次回に続く!

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

 

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