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👳 ⑦消えてしまった町並みとインドステーキ
それにしても狂ったような暑さである。暑いと言われているアフリカですら夜は気温が下がるのに、この湿気天国の我が国では夜になっても気温は下がらず不快な湿気がべっとりと肌にまとわりつく
その暑さが残ったまま夜が明けるから午前6時なのに、気温はたちまち30度を越える……という悪循環を繰り返すので建物自体が熱を放出せず、夜中でもエアコンを止めるとたちまち暑くなる
僕が小学生の頃は、たしか最高気温が32度だと猛暑と言われていたが、今やその程度の気温だと「今日は過ごしやすいな」と、錯覚してしまう
あの馬鹿ばかしいコロナに緊急事態を出すより今の暑さのほうが、よっぽど緊急事態と言えるだろう
この散策も最高気温が30度を越える日に実行した(越えない日などないから)ので、熱中症のリスクを避けるため散策の開始時刻は午後4時を回ってからだ
したがって前回の記事の最後に掲載した都道420号線拡幅工事により、まるで空襲被害で焦土と化したようにすら見えるこの写真を撮影した時点で、早くも日没が迫っていた
こうした拡幅工事の場合、道の両側を立ち退かせるのは非効率的なので、このように跡形もなく更地にされた商店街の反対側を見ると……
かろうじて商店街だったような雰囲気が残ってはいた
しかし、こうして分断された町は多くの先例からわかるように、たとえ店が残ったとしても商売は成り立たなくなり、代替わりすることもなくじわじわと滅びるのがデフォルトになっている
繁盛していることで知られている戸越銀座の商店街ですら、国道から分断された先は、すぐに商店街が終わり人通りも少ない
それがこのような地元民に向けた商店街の場合、その傾向はなおさら強くなることは必然で
これはほぼ同じ場所をまだ拡幅工事がはじまった頃に撮影したストリートビューの映像だが、それと比較しても、建物は建て替えられており、すでに商店街といった雰囲気は希薄になっていた
この町並みの少し先を小田急線が横切っていて、通りに面したところに東北沢の駅があったが、今その場所を見ると
これが相鉄いずみ野線と言われても京成千原線と言われても納得してしまうような、まるで荒野から新たに開発した新興住宅地そっくりの無個性な駅前風景になっていた
都道420号線をわたって反対側を見ると、小田急線が地上に出てくる場所を見ることができる
かつての踏切をわたった先にも以前は戦後型の看板建築が並んでいて
こんな素晴らしい錆び錆びのバラック建築の「山屋ベーカリー」や、立派な出桁造り商家が残っていたが、拡幅工事によって跡形もなく取り壊されてしまい
風情の欠片もない、それどころかこんな風景の場所には絶対住みたくないと思わせるくっそツマラナイ町並みに塗り替えられてしまっていた
何度も言うがこんなものが発展だと言うのなら、そんものはクソクラエだ!🖕
ここから先は、あまりおもしろくない風景が続くだけなので、引き返して代々木上原方面を見ることにした
そういえば前田侯爵邸の近くの東海大学通りに出桁造り商家が1棟残っていたが、まだ無事だろうか?
東北沢駅前から代々木上原方面に少し歩くと道路予定地の更地の奥に、ドイツ下見板張りの古そうな擬洋風建築の住宅が見えた
都道をこちら方面に向かうと、すぐにすでに拡幅工事が終わっている別の都道と交差しているが、その交差点の手前には
ちょっとよい雰囲気を漂わせている店があった
ファサードの金文字を見ると、どうやらステーキハウスのようだが、ウィンドウのなかには小さな星条旗と、なぜか大きなユニオンジャックがディスプレイさるている
ステーキといえばアメリカンなイメージなので、星条旗は理解できるとしてユニオンジャック、つまり英国とステーキというものが、どうにも結びつかないのが不可解である
気になったので、近くまで行ってみるとさらに不可解な「インドステーキ」という文字を発見して驚く
ええっ、インドステーキー?!
インドってことは、ステーキにカレー味でもついているのか、それとも僕が知らないだけでインドにはかの地独特のローカルなステーキ文化があるのか、非常に興味深いが店は閉店しており、不可解は不可解のまま残った
僕は店構えを見ただけでアタリかハズレが直感的にだいたいわかるが、この店構えは「アタリ」だと感じて調べてみると、やはり地元住民に愛される老舗で、アットホームな名店という評判であった
インドステーキは創作ステーキで、カレーソースのものらしい。調べていると無性に食べたくなったが、どうやら営業が不定期のようで食べログにも不明と書いてあり、かなり敷居が高そうだ
と、またしても話が脇道に逸れたところで……続く
†PIAS†
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