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🍜 勝浦タンタンメンとピール&コーのビスポーク2足目 

 

 

 

 

 

 

ということで、長いシリーズのあとは恒例のクッション記事をはさむ

 

僕のホームタウンは下北沢で、少なくとも週に2回、多いときは3回は確実に訪れている。その目的は、もちろん膨大なレギュラー古着から価値ある古着を掘り出すことだ

 

 

一般的に古着というのは、すっかり市場が出来上がってしまっていて、たとえばセカストのようなリサイクル古着店の場合も、店員に知識がなくたって、ネットで調べればある程度の相場はわかってしまう

 

なのに近頃はリサイクルという立場をまったく考えず、高円寺や原宿の古着屋と同じような値段をつけている頭の悪い店が多いため、したがって、セカストなどのリサイクル古着の店で、メジャーな古着を安価に掘り出すのは困難である

 

 

これが下北沢にある大型古着量販店の場合は、ベールという古着をギチギチにパックした「荷物」をほどき、ほぼゴミに近い雑多な服から選別、査定して値段をつけないとならないため、持ち込まれる量のたかが知れているセカストなどとは異なり見落としも多発するわけだ

 

 

だから掘り出すなら下北沢ということになる

 

が、しかし、やはり古着のメッカである高円寺は、さすがに最初からディーラーなどから仕入れるので、下北沢に比べて圧倒的にレベルの高い古着が集まるため、たとえ購入できるような価格ではなくても、知見を増やすために、最低でも月に2回は訪れることにしている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高円寺はラーメンという観点から見ても、さすが中央線沿線だけあって下北沢よりレベルが高い

 

個人的には豚骨味噌ラーメン「じゃぐら」、越後長岡しょうが醤油ラーメン「麺屋かむい」、そして最近ハマっているのが

 

 

 

 

 

 

 

 

勝浦タンタンメンの「麺処 じもん」である

 

この店の前をとおるとニンニクとトウガラシのたまらん匂いが漂ってきて「おいおい、それは反則だろう」と、文句を言いながら、ついフラフラと入店してしまう

 

 

欠点は人気店のため、土日の夕食どきには並びが出てしまうことで、そうなるとしかたなくこの店のすぐ裏手にある武蔵野うどんの店に向かうことになる

 

幸いこの日は平日で、しかもたまたま客が途切れたタイミングで訪れたので、すんなり食べることができた

 

 

 

 

 

 






以前は1辛を注文していたが、やはり辛いとご飯まで注文して炭水化物+炭水化物の泥沼に陥ってしまうので、最近は辛さプラスなしのノーマルを注文している

 

カタマリになったひき肉、そしてトロトロの玉ねぎには、やはりご飯が恋しくなるが、下腹部を平らにするためひたすら我慢我慢

 

 

 

さて、後半はマニアックな靴の話である……

 

が、今回はとくにマニアックかつ超長文の内容になるので、靴に興味のないひとには、積極的にバックをおすすめする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注意喚起も終わったので、ここから先を読もうという勇者は、マニアックな内容でもかまわないと容認したことを前提に書きすすめる

 

ところで以前、ピール&コーのビスポーク靴を紹介した












ピールの靴は、ブルックスブラザーズとのダブルネームで展開されていた既成靴が知られている

 

まだピールの本体があった頃は、ピールが提供していた木型と革を使ってエドワード・グリーンが製造していたが、その後ブルックスに権利が移ると前述のグリーンを筆頭にチャーチ、クロケット&ジョーンズ、アルフレッド・サージェントなどの各社が製造した

 

 

こちらは1965年にブルックスブラザーズに権利を売却する以前、つまり既成ではなくフルハンドメイドで製造されたビスポークの靴である












ほとんど履かれていないミントコンディションの、しかもマイサイズ。こんな奇跡的な物件は二度と手に入らないだろう

いや、ミントでなくともピールのビスポークでマイサイズというだけで、入手は絶望的に困難だ。なにしろ半世紀以上前に消滅したファクトリーの靴なのだ

 

 

ピールはビスポークブーツメーカーで、唯一、自社タナリーを所有していただけあって、とにかく革質が素晴らしい。この靴が製造された1960年代は特別な靴でなくとも現在とは比較にならないほど革質は良好であった


が、こちらのピールはビスポーク、つまり特別上等の靴なので革質が良いとかそういうレベルではなく、戦後の靴でこれに匹敵する革は同じ年代のやはり英国のビスポーク靴であるヘンリーマックスウェルぐらいしか見たことがない

 

 

おそらくこれと同程度のピールは、世界でも数えるほどしか残っていないはずだ。なのでピールに関しては、あとは1960年代のエドワード・グリーン製の既成靴でも探すか

 

--と、考えていた。そんなある日



その店は古着屋が集まるエリアから少し離れたところにあるので、良い店だとは知っていたが時間の都合上、訪れるのは数ヶ月に一度ぐらいの頻度であった

いつものコースを回ったが、その日は収穫もなく虚しく帰ろうと思っていたが、まだ少し時間が余っていたので、なんとなくその店に向かった

ラックに掛かった良質の古着を見ながらふと足元に視線を送ると、ラックの下に置かれた靴が目についた

その靴は、ケアされたわけではなく見つかった倉庫から引っ張り出して埃を払っただけの状態なのに、ただならぬオーラを放っていた

「ムムッ、これはタダ者ではないぞ」

 

と、思いながら手に取った瞬間、特徴的なシューツリーに気が付いた「あっ、これピールのツリーじゃん」

 

状態はイマイチであったが逸る心を押さえつつ、試着した瞬間、ジャストサイズの靴に足を入れたときのあのプッシュという音が!

どこも当たらないのにどこもユルくない。多くの靴に足を入れた者にしかわからないあの感覚。そういえば初めてJ.M.ウェストンのゴルフに足を入れたときも、これと似たような直感が走ったことを思い出した

 

衝動買いを防止するため、まとまった金は持ち歩かないようにしていたので、とりあえず「キープ」と叫んでATMに向かったことは言うまでもない

 

おもしろいのはこのとき、たまたま前掲のピールの純正の中敷きを外して、サイズの合わないチャーチの靴に入れていたことだ。つまり先ほどの黒い靴の一部を身につけていたことになる

 

 

この偶然は、遠く故国を離れたピールの靴がお互いを呼び合ったとしか思えず、このピールはまさに僕のところにやって来る運命だったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、そのとき入手した同じ年代のピールのビスポーク・クォーターブローグである。ミントコンディションとは言いかねるが、辺りを圧倒する凄まじいオーラを放っていることが写真を見ただけでわかる

 

 

今まで数千足の靴を見てきたが、これに匹敵するオーラを放っていたのは、ジョージクレバリーがニコラスタックゼックから独立してすぐに造られた靴ただ一足だ

 

 

かなり履きこまれた状態なのに靴というより、まるでアンティークのチッペンデールの家具のような風格すら感じさせる重厚な佇まい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピールは1791年創業のイギリスでもっとも古いブーツメーカーである

 

創業者が1818年(奇しくも後に商標を売却するブルックスブラザーズの創業年)に亡くなるとデュークストリート11番地に移転し、1886年に長らくピールの本拠地となるオックスフォードストリート487番地に移転した


1959年には業務拡張のため最後の住所となるウィグモアストリート48番地に移るが、熟練職人の不足などによって1965年にブルックスに商標を売却してその歴史に終止符を打つのだが……

この靴のインソールにはジョージ五世のロイヤルワラント、そしてウィグモアストリート48番地の文字が確認できるので、最後の住所の時代に顧客の手にわたったことは明らかである


ところが驚いたことに、シューツリーにはオックスフォードストリートの文字が刻まれているのだ

わざわざツリーだけ古い住所にしてくれ。などという酔狂な注文を出す顧客がいるとは思えない(意味もないし)

以上のことから推理して、1958年に注文を受けたが完成して顧客の手にわたったのは、1959年だった個体だと考えられる


この靴が発見されたのはアメリカなので、ブルックスで行われたトランクショーで注文したのだろうか?

 

唯一の欠点は、いかにもアメリカらしい、出し縫いの穴を無視して、恐ろしくテキトーなリソールがなされてしまっていることだろう

 

 

現状、このまま履ける状態なので、しばらく我慢して履くが、底が減ってきたら腕の立つ職人に、きちんとしたハンドソーンで底を張り替えてもらうつもりである

 

 

ということで、後半は例によって、靴ヲタ以外の人種には「 ( ゚д゚)ポカーン 」な内容でお届けした

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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