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💰 ⑦裏通りの驚き数寄屋風豪邸廃墟   

 

 

 

 

 

かつての日光御成道は、大々的な区画整理によって往時の風情がほぼ壊滅しており、わずかに残った洋風建築や土蔵造りの商家に、街道の名残がある程度であった

 

 

現地に向かう車内でGoogleマップを精査したところ駅前通りの一本裏通り、日光御成道から直角に分かれている細い道が商店街になっていることが判明し、そちらがメインなのではないかと予想した

 

裏道に曲がると最初に目についたのは「いわつき温泉ビル ジャンボ」というインパクト抜群の昭和なビルで、お年寄りの集会場になっているような雰囲気であった

 

 

 

 

 

 

 

 

商店街の通りから見ると一見、ごく普通の戦後型看板建築のように思えるが、横から見ると明らかに戦前型とわかる物件があった

 

この物件からも車内で見たGoogleマップで予想したとおり、やはり戦前から続く歴史のある商店街だということがわかる

 

 

これはちょっと期待できそうだ。と、商店街の続きを見ようと思ったが、いわつき温泉ビルの先にあった横道に無視できない気になるモノが見えて、そちらを先に見ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

奥に見えている鬱蒼とした樹木も気になるが、その手前にある定番の青いブリキ波板の平屋もかなり気になる

 

これは絶対何かある……と、近くまで行ってみると

 

 

 

 

 

 

 

 

商家ではなく元は町工場のような建物だが、建物の横の梁などの造りから、戦前物件と見て間違いないだろう

 

しかし、それより気になるのは、廃屋化して久しいようでタチの悪いヤカラが粗大ゴミを不法投棄していることだ。建物の横の隙間などは小型の冷蔵庫らしきものすら不法投棄されていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建物の壁は竹を組んで泥で埋めたもので、外側に露出した梁などの構造から、やはり戦前、おそらく昭和初期頃の建造であろう

 

それにしても埼玉県はよほど民度が低いと見えて、完全に消失している窓のなかには、明らかに最近投棄されたようなゴルフバッグなどが見えていた

 

 

ゴルフ発祥のイギリスでは紳士のスポーツだが、日本の場合は土建屋とかヤのつく職業のひと御用達の遊びに成り下がり、あまりにもイメージが悪くゴルフ人口は減少の一途をたどっている

 

そもそもゴルフやスキーなどの遊びは、ヨーロッパの土壌あってのもので狭い日本の国情にはマッチしていないのに、一時期やたらとブームになり、多くの自然が失われてしまったのだから救いようがない

 

 

という話はともかく、戦前型の建物の隣にある鬱蒼とした樹木の屋敷が凄まじかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うおっ、マジか。これ、本当に1軒の屋敷だよな

 

これが世田谷区なら、この距離に建て売り住宅が30軒ぐらい建ってるぞ。てか、ここまで来ると間口とかそういう問題じゃなくて何丁目のほとんどがこの屋敷なんだけど

 

あんまり驚いたのでGoogleマップを航空写真に切り替えてみると……

 

 

 

 

 

 

 

 

画面の真ん中あたりの「居酒屋 四季彩」という文字の上のびっしり樹木が繁っているのがこの屋敷である

 

左を斜め上に向かって貫いているのが日光御成道で、この航空写真を見ると、大規模な区画整理は行われたが、間口が狭く奥に向かって細長い鰻の寝床状の街道の宿場町の構造は、基本的に変わっていないことがわかる

 

 

そして、僕が散策していて感じたとおり無駄に隙間が多く、駐車場にされてしまっている場所がかなり目についた

 

 

ところでこの屋敷のある通りは、日光御成道と平行して続いているが、斜め向かい側に「岩槻藩 遷喬館」という文字があることに注目してほしい

 

遷喬館とは、ここが岩槻藩だった頃の藩校で、したがって、この通りはかつて武家屋敷が並んでいた通りであろう。それならば、この異様に広大な敷地の説明がつく

 

 

 

 

 

 

 

 

敷地の入り口とおぼしきところの門が崩壊しかけていた

 

なかに見えている立派な平屋の建物も荒廃した雰囲気が漂っているので、無住になって放置されてから長い年月が経過しているようだ

 

 

ちなみに、近所のひとの話によると昔は病院だったそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら、かつては和風の建物に、ちょっと洋風の意匠を混ぜた文化住宅的な建物だったような雰囲気であるが、壊れた入り口から見えている部分しかわからない

 

並びには、もうひとつ門があったので、そちらも見てみると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは数寄屋風の装飾がなされており、個人宅や病院といった雰囲気ではなく、どう見ても料亭か旅館のように見える

 

玄関には大きな破風がついているし2階は窓が全部開くような造りなので、やはり高級な料理屋だったような感じである

 

 

もっとも、以前、川崎市の多摩川の近くで、こういう造りの個人宅を見たことがあるので、料理屋みたいな造りという線も捨てきれないが、玄関の前に何やら机のようなものが置かれているのも気になる

 

いずれにせよ荒れ方から見て、長い年月放置されているのは確実で、売却すれば億の金になりそうな土地を放置する合理的理由がないことから、こちらも持ち主不明物件にちがいない

 

 

それにしても、これだけの不動産を自分の死後に託す相手がいないというのは、なんと寂しい人生だろう

 

 

と、珍しくしんみりしたところで……続く

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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