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📷 ⑯住宅街に昭和の残滓を見る  

 

 

 

 

 

四ツ木の商圏を離れ水戸街道(国道6号線)を堀切菖蒲園の方角に向かう

 

水戸街道からは、まいろーど四つ木商店街と合流していた古代東海道も辿れるが、それはいくらもゆかないうちに綾瀬川に分断されてしまう

 

 

その古代東海道のすぐ脇から、堀切菖蒲園方面に伸びている道には、変形凸型看板建築や郵便局などがあり、その先も戦後型看板建築が点在していた

 

どうやらかつては商店街のような通りだったと思われるが、そのほとんどの店はすでに廃業してしまった後で、現役の店は「スナック ろーりえ」という店ぐらいしか見かけなかった

 

 

ろーりえの斜め向かいには、大型安売りスーパーのOKがあったことから、この安売りスーパーのおかげで商店街が壊滅してしまったと思ったが……

 

廃業した店舗の荒れ具合を見ると四ツ木からも堀切菖蒲園からも遠いのに、商店街がなくなって不便になった場所に、そこを狙いすましたようにOKが進出したような印象を受けた

 

 

 

 

 

 

 

 

などと、町の来歴に想いを馳せていると、またしても廃業してしまっている戦後型看板建築があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

向かって左側の店舗は、くすんだ印象のモルタル外壁とは明らかに異質なメルヘンちっくな白い扉がついており、なんとなく喫茶店か美容室だったような佇まいであるが、看板があったと思われる部分が完全に欠損していた

 

軒先テントが骨組みだけになっている右側の店舗を見ると、こちらは格子状のアルミ戸から、なんとなく小料理屋のような雰囲気である

 

 

と、よくある廃屋といった風景を撮影していたら、アングルを変えようと、ちょっと横に移動したら、あり得べからざる光景が目に入った

 

観察力の鋭いひとならば上の写真を見て、もうお気付きのことと思われるが

 

 

 

 

 

 

 

 

戦後型看板建築の真後ろには、半壊した古民家が!

 

どうやら房総スタイルのような平屋の横に、バラック的なブリキ波板の倉庫のような建物を増築した物件のようだが、遠くから見てもかなりの壊れっぷりである

 

 

近くまで行って見たかったけれど、残念ながら私有地に囲まれた奥にあるため、近づけるギリギリの距離から望遠端の100mmで撮影するのが精いっぱいであった

 

この先は、ほぼ住宅街の様相に変わり、あとは堀切菖蒲園の商圏までなにもなかろう……と、いささか気を抜いていたら

 

 

そんな怠惰な気持ちなど跡形もなく吹き飛ばす目の覚めるような素晴らしい物件が目に入ってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うおおおっ、マジか。な、なんじゃこりゃ!

 

思わず心のなかで驚愕の叫び声を上げてしまうような、現実とは思えない風景がそこにあった

 

 

周囲は日本中どこにでもあるような普通の住宅街なのに、この一角だけが昭和30年代の姿をとどめた、まるで映画のセットのような町並みである

 

町並みと言っても残っていたのは3軒だけという、ちょっと寂しい状況であるが、そんな些細なことはどうでもよくなるファンタジスタな看板建築に、しばし呆然と佇んでしまった

 

 

 

 

 

 

 

看板建築は3棟並んだもので長屋形式ではなく、それぞれが独立して造られている

 

向かって左側の建物は廃業して、真ん中の自転車屋が倉庫して使用しているようだ。だがしかし、当然、もっとも僕の目を惹いたのは、右側の建物だ

 

 

もうフィルムの時代ではなくなったのはふた昔も前なのに、大きなフジカラーの袖看板が目立つこちらの「ハシモトカメラ」は、なんと現役で営業していた

 

すでにDPEでは商売にならないから、現在も生き延びているのは、おそらく副業的にはじめたクリーニングのおかげだろうか?

 

 

しかし、真新しいフジカラーの幟や、店先には各種プリントの実例が貼られていることから、この外観でデジタル化に対応しているのかもしれない。いずれせよ、今年見た物件のなかで、間違いなくトップ3に入る素晴らしい物件である 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから先も濃度は低下したとはいえ、ところどころに廃業してしまった戦後型看板建築を見かけた

 

そのことから、この道はおそらく田圃や畑ばかりだった頃から存在していて、沿道沿いに点々と住宅や店舗があったのではないかと思われる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな公園の横にあったこちらの看板建築は、高い位置に並んだ窓からクリーニング店のような印象を受ける

 

かつては赤色だったとおぼしき軒先のクレハロンテントは、すっかりダークな色調に経年変化しているので、ずいぶん以前に廃業してしまったのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな公園を過ぎたあたりから、明らかに商家といった雰囲気の建物が少なくなり、比較的大きな看板建築から先は、ほとんど住宅街といった様相を呈するようになってきた

 

しかし、思い出したように古そうな住宅があることから、周囲の真新しい建物から類推して、やはりこの道は古くからある道筋のようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

通りから少し路地に入ったところに、雰囲気のよい板塀が見えたので、なんとなく見にゆくが、残っていたのは板塀だけで肝心の主屋は、新しい建物に建て替えられてしまっていた

 

ちょっとガッカリしたが、一度曲がった道を引き返すのもゲンが悪いと思って、この路地をゆくことにしたが、このその場の思いつきが、思わぬ物件との出合いに繋がるのだから、僕の古民家レーダーの感度は衰えていなかったようだ

 

 

この路地を曲がった先には……続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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