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👧 ①出桁造りの居酒屋とシスター洋装店 

 

 

 

※昭和30年代

 

 

 

前回の単発ものに続き今回も手抜き短期シリーズ。訪れた場所は豪徳寺である

 

豪徳寺は小田急線と東急世田谷線が交差しているが、小田急は豪徳寺駅と名乗り、東急のほうは山下駅と名乗っている

 

 

両者の距離は徒歩2分程度しか離れておらず、何故同じ駅名にしなかったのか。いや、その前に交差しているのに、なぜ連絡通路などを設けなかったのか?

 

考えられるのは鉄道会社同士の確執という線であるが、調べてみると理由は簡単で、小田急が開通する以前、世田谷線には元々豪徳寺前駅があったのだが駅の統廃合が行われ、宮の坂駅が豪徳寺に近い駅になった

 

 

ところが、その宮の坂を豪徳寺前に変える前に、小田急線が開通してしまい、豪徳寺駅という名称をつけたため、東急は混乱を避けるために山下という駅の名前にしたようだ

 

もっとも、たとえどのような経緯があろうとも、ここで路線が交差している事実に変わりはなく、やはり私鉄同士の確執のような気がするけど

 

 

なんたって東急は、南武線と交差している武蔵小杉で、お金かかるから立体交差にしないもんね。高架にするならお前がやれ! と、意地を張って、前代未聞の平面交差をしてのけた会社なので十分あり得る

 

いや、こちらのケースの場合は、時系列から類推すると対抗意識を燃やしたのは小田急か?

 

 

いずれにせよ、各電鉄会社が相互乗り入れにより共存共栄路線を歩む現代とは、隔世の感を禁じ得ない

 

 

 

 

 

 

 

 

という話はともかく、豪徳寺駅を出て世田谷線の山下駅の向かう道筋の風景がじつによい

 

店は代替わりしてしまっているが、ここだけ昭和30年代で時を止めたような町並み(というほどの距離じゃないけど)が続いているのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの書店などは、ただでさえ大型書店の市場の寡占状況や活字離れや、電子書籍などの煽りを受けて、町の書店が減っている今では、絶滅危惧種といっても過言ではあるまい

 

この並びで、個人的にもっとも萌えるのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの帽子店であろう。いつの間にか看板が撤去されており、今となっては帽子店だというこしか覚えていないが、初めてこの町を訪れたときは、まだ営業していた姿を見た記憶がある

 

 

この物件のチャームポイントは、右側のショーケースの下には、きちんとタイルが張られているのに、なぜか左側が擬タイルのブリキ板という、僕の大好物のマテリアルであることだろう

 

ちなみに4年ほど前に撮影した写真をアーカイブから引っ張ってくると……

 

 

 

 

 

 

 

 

まだショーケースが板で塞がれておらず「トラヤ帽子店」という屋号が確認できる。それにしても、こんな細部を見てエキサイトしている変人は、日本広しといえども僕たけにちがいない

 

 

次に駅前から蛇行しながら続く商店街のほうに戻る

 

豪徳寺という古刹のお膝元だけあって、この商店街の歴史は古く昭和初期頃には、すでに商店街の体裁は整っていたようで、世田谷区には珍しく戦前物件が複数残っている

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの焼肉屋は、店舗の部分だけ見ると簡素な造りの看板建築であるが、よく観察してみると主屋の部分には、やたらとぶっとい破風が確認できる

 

このような造りは、戦前の町家建築の特徴を示している

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前から見てその2軒先にある飲食店の建物も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入居しているのは、各地に展開しているチェーン店の居酒屋だが、建物は立派な造りの出桁造り商家そのもので、おそらく昭和初期頃の建造であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

やたらと立派な造りにチェーン店の居酒屋というのはどうかと思うが、無住になって解体されるよりは、リノベーションされて生き残るほうが何百倍もマシなことは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

豪徳寺の商店街は、その先で埋められて緑道にされた目黒川の支流、旧・北沢川を横切るあたりで、フェードアウトしてゆくが、その寸前に僕の好みの物件が残っている

 

初めて見たときは、思わず僕も「おおっ」と、声が出そうになった素敵な物件だ。何が素敵かって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とっくの昔に廃業して閉じられたままのウィンドウ、シャッターの前のプランター、そして何よりも「シスター洋装店」の文字が、見る者の心を捉えて離さない

 

まだ営業していた頃の姿を見てみたいものだ

 

 

 

 

 

 

 

 

シスター洋装店の隣は更地にされてしまっており、蛇行する商店街の裏側を流れていた目黒川の支流である北沢川を埋めた緑道が見えてしまっていた

 

この写真から推理すると更地にされたのは、ごく最近のことのようだったので、お馴染みのストリートビューをチェックしてみると

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら平屋の看板建築と、それにくっついた建物があったようだ。戦前物件ではないので、僕のアーカイブを探したけれど撮影していなかった

 

 

この写真のY字路の先(ストリートビューの画面の後ろのほう)には古着屋があり今回はその店を訪れるために、ここまで来たのであるが、記事の内容とは関係ないので、そのエピソードは省略して、Y字路の少し先にある北沢川の歴史と関係の深い物件を紹介しよう

 

--と、思ったが長くなるので、それは次回!

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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