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🐥 年間ベストショット2020【12月】秦野・町田・東中野

 

 

 

 

ようやく12月までたどりついた。こうして1年を振り返ってみると、今までは生活圏プラスアルファ程度の範囲に収まっていたブログが、今年はそれをはみ出して、群馬県や、これまでは縁のなかった神奈川県の西のほうに足を伸ばした

 

なかでも高崎は絶大なインパクトがあり、また訪れてみたい町の筆頭になった。また居住地と同じ県内なのに、まったく降りたことのない秦野も新鮮な驚きを与えてくれたことは、大きな収穫であった

 

 

ということで、先月の最後に1回ぶんだけ載せた秦野の続きからはじめる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秦野は東京から見て、小田原の手前にある。神奈川県では唯一の盆地の町で、江戸時代は江戸っ子の信仰を集めた大山詣りのための矢倉沢往還の宿場町として、また、煙草の産地として、軽便鉄道が運行されるほど栄えていた

 

 

その繁栄の名残を、看板建築の本場、東京でも滅多に見ることができない巨大な看板建築に見ることができる

 

こちらの建物は、元々は金物や荒物を扱う商家だったそうだが、今はカフェにリノベーションされている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秦野の町は、平塚道と矢倉沢往還という街道が交差しているため、大多数の宿場町が、街道に沿うかたちで線として町を形成してしているのに対して、面として拓けている

 

上の写真は、駅前商店街から見て平塚、横浜方面にある古民家群だが、こちらの町並みは、台地の端ですぐに途切れてしまった

 

 

町は台地の上にあるため、残っている建物を見るかぎり、街道のメインの部分は、台地をすぐに横切ってしまう矢倉沢往還ではなく、距離的に長い平塚道のように思えた

 

街道としては、矢倉沢往還のほうがはるかに通行量も多い、江戸と大山を結ぶ重要な道であるが、地理的な条件がこのようなねじれに繋がっているものと類推できる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは平塚道から分かれた脇道にあった古民家だ。上の写真の「豆峰商店」は、水無川沿いにあった戦前から続いている秦野名物の落花生の専門店である

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前商店街から見て、平塚道を矢倉沢往還との交差点方面に向かうと、次の巨大な看板建築が見えてくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらも先ほどの看板建築と同様に、あまりにも立派な建物なので鉄筋のRC構造にしか見えないが、建物の後方に目を移すと、むくり屋根の破風玄関や、木造の部分がチラリと見える

 

今回の散策のきっかけは、これらの物件をブロ友さんが紹介していたことで、その記事を読んだ瞬間、いてもたってもいられなくなって、秦野に足を向けていた

 

 

この先もかつては街道の宿場町だったことを想起させる、懐かしい雰囲気の昭和な町並みが続いている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スタジオ フジカラー」の看板建築もインパクトがあるが、より貴重なのは、真四角な戦前型看板建築の「医療品 保金堂」であろう

 

しかし、この見事な看板建築も廃業しているのか生活感がなく、ほとんど廃屋化しているようで、隣にはダメ押しに高層マンションが迫っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢倉沢往還との交差点が、この町の中心部だったようで、戦前物件もあるが、銀行や現在も営業している店舗が集中していた

 

そこからしばらく行ったところにある交差点も、古くからの商店街だったようで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2棟の古民家が向かいあって残り、街道と交差している細い道にも戦前物件の商家が残っている

 

さすがに交差している路地には、営業している店は米屋と飲み屋があったぐらいで、ほとんどの建物は、廃業してしまっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び街道に戻る。秦野の中心部は駅前から離れた場所であったが、さすがにここまで来ると廃業してしまっている店が目立ってきた

 

上の2枚の写真の建物は、どちらも戦前の建物を、近代になってから看板建築に改装したものだろう。「富永酒店」は、閉まってはいたが、シャッターがきれいなのでまだ現役かもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪華な造りの出桁造り商家。こちらも廃業しているのか、あるいは店舗というより事務所的な物件なのか、とにかく隅々まで手入れが行き届いていた

 

屋根の造りは、まるで神社仏閣並みに手がこんでおり、破風には銅板が貼られている。2階の窓がアルミサッシなのが唯一の瑕疵だが、高欄は昔のままのようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

塗装が剥げ落ちた看板建築と元は酒屋だと思われる平屋の商家

 

 

 

 

 

 

 

 

看板建築のある交差点の路地の奥に豆腐屋を見つけた。秦野は盆地という地形的な特徴から、豊富な湧水に恵まれているようで、この近辺だけでも3軒の豆腐屋があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前通り商店街から分かれた横道の商店街は、矢倉沢往還を横切った先まで続いており、その外れにも出桁造りの豆腐屋があった。こちらは営業を終えて閉店作業をしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢倉沢往還の駅寄りは、この町でも賑やかな商店街になっていたが、こちらの「靴のタケモト」のように、廃業してしまっている店をちらほら見かけた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前から見て矢倉沢往還が平塚道を横切った先は、駅寄りよりも寂れている雰囲気が漂い、廃業した商家が目立つ

 

戦前型の本物の洋館があったのに、あまりにもきれいにリノベーションされすぎていて、暗かったこともありパチもんかと思って、3枚しか写真を撮らなかったのは大失敗であった

 

 

かつての軽便鉄道の秦野駅は、この先のイオンモールの場所にあったが、町が寂れているのは、そのモールの影響も無視できない割合であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、こちら側には、このような見事な出桁造り商家が2棟残っており、その片方は有形文化財に指定されている

 

ということで、2020年の最後は秦野の記事が大部分を占める結果になった

 

 

このあとは、小ネタを少々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京の外れの繁華街、町田に残る戦前物件。今回たまたま発見した看板建築様式の擬洋風建築は、かなりのインパクトであった

 

今年見た建物のなかでは、前回の記事で紹介したハリウッド化粧品の看板が出ていた幸手の看板建築、そして秦野の巨大な看板建築と並び、僕のなかの殿堂入り決定である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後は新宿のすぐ先なのに、果てしなく地味な東中野の町を紹介した

 

 

ということで、長かった年間ベストショットもこれでおしまい。次回からは通常の散策記事に戻るが、戸越銀座ネタにするか、厚木ネタにするか悩みちゅうである

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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