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🚑 ⑤地蔵通りの廃病院と謎のかりえん
旧中山道と交差していた丁字路を曲がってみると、駅から1キロ近く離れているのにも関わらず、昔は栄えていたような商店街があった
今では営業している店は、まばらに点在しているだけで、寂れた気配が漂うが、町並みを見ると、そこかしこに繁栄していた残滓が見てとれる、どこか寂しげな雰囲気の町である
しばらくゆくと、まだ営業している店が固まっている十字路があり、その角にある「食品センター ヤマイチ」を左に曲がった先、つまり、中山道の脇道のさらに脇道も商店街のような雰囲気だったので、好奇心に駈られて曲がってみた
すると、最初に目に入ってきた物件が……
げげっ、なんじゃこりゃ。平屋の商店のようであるが、巨大な軒先テントは破れかかり、店舗の入り口の部分は、ゴザのようなもので完全に封鎖されていた。いや、雰囲気としては、封鎖というより封印といった感じだ
どこを見ても梵字で呪(まじな)いを書いた札は貼られていないから、まさか悪霊はいないと思うが、荒廃した気配といった意味合いでは、桶川宿で最高レベルかもしれない
「かりえん」……なんのことやら、サッパリわからないが、バラックじみた平屋店舗に、店よりも大きな色褪せた黄色いテントを備えている。なんだかわからなくても、とにかく抜群のインパクトたったことは間違いない
いや、驚いたという意味合いでは、桶川宿で随一かもしれない
しかし、この「かりえん」の目の前には、さらにインパクト絶大な物件が、うっそりと聳えていた
かつては白壁だったと思われる壁面は、うっすらと灰色がかり、金属部分は、残らず錆び付いている
金属製の窓枠から、アルミサッシが普及した昭和40年代より以前のものだと思われるこの建物、どう見ても病院にしか見えなかった。ふと屋上を見ると、やはり○○病院と記されていた
ところが建物全体から漂うのは、清潔な病院のイメージではなく、荒廃感と陰鬱な空気であった
エントランスはモダンなデザインだが、ドアの枠組みもモダンなガラスの自動ドアやアルミサッシではなく、木製であることから、やはり昭和30年代頃の建物で間違いないだろう
以前、杉並区の某所に、大きな廃病院があり、心霊スポットとして知られていたが、こちらも全然負けていない
封鎖されて近づくのが大変だった杉並区のものとは異なって、商店街の道路に普通に面しており、封鎖に使用されているのは、子どもでもまたげてしまうロープ一本しかなかった
(当ブログは、できうるかぎりコンプライアンスを順守する方針なので、当然またいで侵入しなかったから、接写画像はない)
「桶川 病院 廃墟」などのワードで検索しても、画像ひとつ上がっていないことから、さほど有名な物件ではないらしいが、とりあえず嫌な感じがしたので、近づくのはやめて廃病院の真ん前の商店街を見てゆくことにしよう
街灯を見るとこの通りは「地蔵通り」という商店街のようだ。近くに地蔵らしきものはなかったので、どこか離れた場所に地蔵が祀られているのだろう
商店街はまだ現役な雰囲気で、廃病院こそあれど荒廃した雰囲気は、むしろ再開発の真っ最中だった駅前のほうが上で、こちらは場末の雰囲気が漂う
手前にあった「ミノヤ とうふ」は、定休日のような感じだったが、隣にある「べに花ヒーリングルーム」は、隣の美容室から植木が侵略してきていることから、すでに廃業しているようだ
寂れた商店街、もしくは滅びた商店街にも床屋は残っていることが多い。とは、何度も書いているが、ここ地蔵通り商店街にも現役の「よこお美容室」というヘアサロンが……
と、思ってその隣の建物を見ると
美容室の隣は「理容室ヨシダ」という床屋だった
美容室の隣に床屋があるというのは、寂れた商店街でも床屋は生き残る説を、強化する材料となるだろう
ウグイス色のブリキの波板という、東京の下町では見慣れたマテリアルで覆われた「理容ヨシダ」は営業中だったが、その隣にある店も現役で営業していた
床屋の隣は精肉店で、こちらも比較的寂れに強い業種である
その精肉店の前には、古そうな道祖神があることから、この湾曲した道沿いにある地蔵通りは、かなりの旧道なのではないだろうか
ということで、引き続き次回も地蔵通り商店街を紹介する
†PIAS†
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