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🌇 ②群馬県の高崎に遠征する・前編  

 

 

 

 

 

このビルが立ち並ぶ場所は、群馬県の高崎市である

 

高崎は、4、5年前に漫画家のえのあきらと古着屋を回って以来の訪問だ。そのときは彼の自宅から車で行ったのだが、当時はフライフィッシングに夢中な時期で、群馬県などしょっちゅう行っていたから、さほど遠いとは感じなかった

 

まあ、それは彼の住んでいる埼玉県飯能市と、僕の自宅がある川崎市の高崎に対する位置的なこともあるが、今回は直通電車の湘南新宿ラインという秘密兵器を使うので、寝ているうちに到着するはずだった

 

 

――が、しかし、ここで僕は大きな勘違いをしていた。たしかに、寝ていれば到着するだろうが、川崎市と高崎市との距離を、小田急に乗って小田原に行くぐらいのニュアンスで捉えていたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

したがって、いつも散策に出掛けるような感じで午後遅い時刻に家を出たら、高崎駅に着いたときは、すっかり夕方になっていた(←当たり前だ)

 

高崎にはDEEPな昭和エリアや古民家ゾーンもあるけれど、今回は回っている時間的余裕は、一切なかったので、そのあたりは期待しないように

 

 

久しぶりに訪れた高崎の町は、駅前こそ大都会のようだが、なんとなく寂れた気配が漂っていた。ビルが立ち並ぶ都会的な風景と、歩いているひとの数が、どうにもちぐはぐに感じてしまうのだ

 

これは、いつもアホみたいに人間が溢れている東京の感覚に慣れているせいだと思われる。が、「いや、待てよ。大宮や川越もすごい賑わっているぞ」

 

 

という感覚が、すでに首都圏の異常な人工密集感に毒されているだけで地方都市は、こんな感じが普通なのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前通りから最初の交差点を右に曲がると、いきなりリサイクルショップがあった

 

この手の店は、セレクトショップやドメスティックブランド、たまにハイブランドの服がある程度なので、なんの期待もせずに入ったら、入り口にいきなりクロケット&ジョーンズが東京より遥かに安い値段で出ていた

 

 

まあ、それだけなら“たまたま”ということもあるが、レジカウンターの奥にはヴィンテージの古着まであるではないか!

 

群馬県は繊維で発展したので、思いのほか洒落者が多く、そういえば富山の名店「フォーギー&サニー」が支店を出していたのもこの高崎だったことを思い出した。そう高崎は、ファッションにうるさいやつが多いのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

リサイクルショップの兄ちゃんとしばらくダベったあと、次の路地を覗いて見ると、なんだか洒落たセレクトショップか古着屋のような店が目に入ったので、ちょっと立ち寄ってみた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、これがまた中目黒か代々木上原にでもありそうな、かなり洒落たセレクトショップ&古着屋だった。店頭にはリーバイスのセカンドとモッズコートが下がっているあたり、なかなかのセンスとみた

 

小さな店ではあるが、ドメブラ、インポート、古着のバランスもよく、オーナーの趣味の良さがうかがわれる

 

 

恐ろしくイケメンのオーナーと話してみると、どうやらここのオーナーは、大手セレクトショップの○○○○○○○○の執行役員をしていた方で、地方の小さな店を、現在の規模まで大きくした敏腕役員だったらしい

 

ところが、この○○(以下省略)の社長というのが、とんだ大馬鹿者で、社員の給料も遅配しているのに、軽く数億円はするフェラーリ・デイトナを衝動買いして雑誌で自慢する始末で、あんまり腹が立ったから大喧嘩して、会社を飛び出してしまったそうだ

 

 

その後、中目黒の古着屋ジャンティークの高崎支店がある場所で、自分が社長になり、セレクトショップを開いて成功した……のだが、好事魔多し

 

愛車のドゥカティ900SSで峠を走っていたら、貰い事故で生死の境をさ迷い、復帰したときには高次脳機能障害になってしまい、肉体的に会社経営者を辞めざるを得ないことになり、店を閉じて、ひとりですべて目が届く小さなこの店をはじめたそうだ

 

 

――と、ほとんど古着とは関係ない波瀾万丈な話で、またしてもしばらく話こんでいたら、あたりはすっかり暗くなっていた

 

今回、わざわざ高崎くんだりまでやってきたのは、以前えのあきらと訪れて、東京の古着屋に負けない「goody」というよい店を見つけたからで、その店を訪問するためだが、その店のオーナーは、このセレクトショップオーナーの後輩だそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

前回訪れたときは、古い雑居ビルの2階にあった店は、大きな路面店になっていて驚く

 

たしかユーロ古着メインなので、高崎では浮きまくっている……と、オーナーが話していたのに、どうやら「アニ散歩」などの影響か、アメカジではないユーロ系も、ようやく世間的に認知されたようで、めでたいかぎりだが、流行ってしまったので、値段が高くなって迷惑である

 

 

昔は数千円で楽に買えたフレンチのモールスキン物などは、今では数万円で、アホらしくて買えなくなってしまった

 

この店で、メチャ好みの渋いストライプのウェイストコート(ジレ、もしくはチョッキ、ベストのこと)を見つけたが、残念ながらレディースだったのでスルー。レディースは合わせが逆なので、買っても結局、観賞用になってしまうからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寂れた繁華街でもう1軒古着屋を見つけた

 

こちらもレギュラー古着を扱うアメカジ系ではなく、オーナーのセンスでセレクトした古着が並ぶセレクト的なセンスで、やはり群馬県は侮れない

 

 

しかし、とくにほしいものはなく店舗をあとにして、周囲をうろうろしてみた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古着屋の少し先には、ほとんどの店が閉まっている片側アーケードの商店街があった

 

定休日でたまたま閉まっているのか、あるいはシャッター街になってしまったのか、初めて訪れたので、イマイチ判断に苦しむ

 

 

高崎には一番街というアーケード商店街もあるそうだが、今回は古着屋が目的なので立ち寄る時間はなさそうだ。でも散策しないのはシャクなので、来たのとは別の道をとおって駅まで戻ることにした

 

というのも、リサイクルショップ系も覗いてみたかったから、ふた駅先にあるセカンドストリートに向かうためである

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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