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🏢 ⑥マンサード型看板建築を発見する 

 

 

 

 

 

前回の記事で取り上げた、まるで昭和初期の町並みがそのまま残ったかのような5軒長屋+2軒の看板建築を見て、神田須田町の底力に感じ入ったが、さらなるミラクルを求めて再び……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

栄屋ミルクホールの横を抜けて、今度は神田神保町方面の路地裏を散策することにした

 

こちらは小学舘をはじめとした出版社、登山やスポーツ店、そして神保町から続く古書店などがあり、昔からよく訪れてはいたが、それはあくまでも古書店が並ぶ表通りだけで、路地裏を真剣に歩くのは、初めてのことかもしれない

 

ちなみに、スポーツ店が並ぶ大通りにひっそりとある洋菓子店「Sワイル」のババロアは絶品なので、神保町を訪れたときはお試しを

 

 

しばらく歩くとイカツイ仕事用の自転車が置いてある店などがあり、まるで台東区にいるかと錯覚するような下町的な雰囲気になるが、台東区とは異なりやはりビルが多い

 

ところが、そんなビルが建ち並ぶ街角に、いきなりこんな

 

 

 

 

 

 

 

 

マンサード型の看板建築を模した、復刻版のようなモダンな住宅があり「なかなかセンスがいいな」と、思いながら、3棟並んだマンサード型看板建築風の建物をよく見ると……

 

「えっ、ちょっと待て。いちばん右端にあるベージュの建物は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

驚いたことに、本物の戦前型のマンサード様式の看板建築だった!

 

おそらくこれは、角地もこのマンサード型看板建築と同じ地主が所有していて、老朽化した建物を建て替えるとき、マンサード型看板建築とデザインを統一したのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

マンサード型看板建築の並びにある、東京の下町ではお馴染みの石積みを模したブリキ板が張られた薄いブルーの看板建築も、商売はやめて住宅仕様に改装されていたが、嫌味のないセンスでまとめられており

 

「神田の住民は洗練されているなあ」と、感心した

 

 

それにしても、今まで何度かこのような疑似レトロ建築を見たが、ここまで本物と上手く融合した例は初めて見たかもしれない。なんとも粋な人物がいたもので、東京もまだ捨てたもんじゃないな。と、思わずニヤリとしてしまった

 

このマンサード型看板建築から少し神田駅方面に戻ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

都内では少数派の妻入の古民家があった

 

軒先テントには「有限会社 秀美堂」と記されているので、おそらく現役の店か事務所であろう。2階の手摺は木製で洗濯物が干されているのが、なんとも下町的な情緒を掻き立てる

 

 

この秀美堂の先は、商業地区になっていて、それまで、ひと気のなかった静かな町並みから、急に東京の下町商店街のような雰囲気に一変した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

台東区の台東三丁目や、小島一丁目と似たような雰囲気の町並みであるが、こちらは神田駅が近いせいか、廃業して仕舞屋になってしまった建物は少なく、現役で営業している店が多い

 

そして意外と古い建物のまま洒落た雰囲気の店に、リノベーションされている例をよく見かけた

 

 

 

 

 

 

 

 

などと神田を持ち上げていたら、いきなり小島一丁目にあるような度肝を抜くようなワイルドな建物が!

 

正面から見ると、一見細いビルのようだが、隣の建物が更地にされてむき出しになった側面は、見事にブリキの波板……つまり、これも看板建築の一種と言ってよいだろう

 

 

しかしこのあたりは、先ほどまでの須田町交差点界隈では、さほど目につかなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このような更地が、やけに目についた

 

下の写真は更地というより、周囲の建物が次々とビルにされて、まるで井伏鱒二の「サンショウウオ」のように、ビルとビルの隙間の奥に、古民家が取り残されたという、なんとも理不尽な光景である

 

 

ということで、いよいよ神保町に近付いてきたところで……続く。次回、このシリーズ最終回

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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