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🚃 ③裏通りに謎の料亭街を見つける
最初に説明したとおり、今回は西武新宿線の狭山市駅の近くからはじまる入間馬車鉄道の跡地の旧道(入間川七夕通り)を散策しつつ、池袋線の入間市駅の近くにある千人同心街道(日光脇往還)の宿場町、黒須宿までゆく
――というのがテーマなのだが、稲荷山公園駅方面に続く坂道の下の交差点付近で、路地裏に土蔵と畳屋を発見したので、念のため見に行ってみると、そこは古くからありそうな微妙な商店街になっていた
畳屋の先には、戦前物件らしき「十一屋」という酒屋があった。その先には、このようなやはり戦前物件と思われる居酒屋が
そして居酒屋の向かいにも小料理屋のような店があったので、どうやらこのあたりは飲み屋街だったようなのだが、これが赤羽とか蒲田に見られる飲み屋街とは、かなり雰囲気が異なっていた
どう異なっているのかというと……
大衆的な一杯飲み屋というより、高級な割烹や料亭のような物件が多いのだ
古い建物ではなかったので撮影しなかったが、もう1軒、自腹で入る気にならない高そうな割烹があった
この違和感を、なんと説明したらよいだろう
通常、料亭街なんてものは、産業が発達した地域や、昔からそうした店を利用する客層が存在した大きな町にあるもので、こんな(といっては失礼だが)寂れた町にあるというのは、町歩きの練達者なら、間違いなく「赤線」という単語が脳裏をよぎるだろう
こちらの料亭街は、入間川七夕通り商店街の西側の裏通りであったが、念のため(これ大事)、東側の裏通りも見にゆくと……
これには、かなり驚いた。こちらの通りにも庶民とはあまり縁のなさそうな高級割烹が!
これで銭湯、薬局、交番、髪結い(床屋)があれば赤線という可能性は高くなるが……
残念ながら関連しそうなジャンルの店は、「しみず美容室」しかなかった。なにげに「しみず」のフォントがかわいい
こちらはすでに廃業して、なんだか植物に埋もれて廃墟化しつつあるが、塀の造りからして一般的な住宅とは思えず、やはり料理屋のなれの果てではないだろうか?
それにしても、いい感じの荒れっぷりで、個人的にはかなり萌え度の高い風景である
出桁造りではないが、こちらの立派な造りの建物も、かつては何かの店舗だったような雰囲気だ。木製の物干し台がフォトジェニックである
こちらの東側の裏通りには、新しい建物に混ざって、軽く築80年はイッてそうな
こんな平屋の住宅がいくつも残っていた
上の建物は、造りからして普通の民家ではなく、やはり何らかの商売をしていたような雰囲気だ(僕の想像ではクリーニング屋)
驚いたのは3枚目の写真のむくり屋根の玄関がついた建物だ。入り口に「御幸二自治会会館」の文字があることから、町内会の建物だったようで、かなり粋な町内会と言えるだろう
調べてみると、この付近には、入間の発展に大きく貢献した石川組製糸の工場施設などがあったようなので、もしかしたら製糸関連の取引などが盛んで、そのことによって料亭街が形成されたのかもしれない
しかし、いくら石川組製糸が大会社でも、それだけで町が興るとは思えず、そのあたりの事情は、地元の図書館にでも行って、資料を漁るしかなさそうだ(Google検索ではなんの情報も得られず)
などと、かなり話が横道に逸れたので、裏通りからそろそろメインストリートの入間川七夕通りに戻ろう
御幸二自治会会館から、細い脇道をとおって入間川七夕通り商店街に戻ると目に入ったのが、こちらの見事な土蔵造りの商家「青木佐四郎商店」である
ということで、次回はようやく入間川町の核心部に迫る!
†PIAS†
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