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🏠上*やがて消えゆく本木新道

 

 

 

 

 

八王子まつりの記事で、しばらく中断していたが、北千住から西新井まで歩いた記事を再開する

 

ここで今までの流れを説明しておくと……

 

 

北千住で降りてそのまま千住柳町方面に向かい、荒川と隅田川にはさまれたかつて「お化け煙突」があったことで知られる桜木町から隅田川をわたり町屋へ

 

しかし、町屋の繁華街には向かわず、右折して都電荒川線の東尾久三丁目電停をかすめるように川の手通り商店街から、日暮里・舎人ライナーを利用して荒川をわたって阿出川家の長屋門を見学

 

 

という、常識では考えられないハチャメチャなルートをたどり、こんどは西新井駅から少し離れたところにある関原の商店街を目指した……

 

うーん。まさに無計画。気の向くままのテキトーすぎる散策コースである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このあたりは本木という町で、戦後のドサクサ期にはバタヤ部落があったことで知られる貧民窟だったが、それ以前は純然たる農村地帯で、高度経済成長にともないバタヤが消滅すると、次第に住宅街に姿をかえた

 

農村地帯だったころ、この地域の生命線だったのが本木用水という用水路で、それを埋め立てたのが本木新道である。新道の沿道には浅草から製靴会社や、皮革産業に従事する職人が多数移住して、職人の町として栄えた

 

 

用水路が埋め立てられてから、もはや一世紀近い月日が流れ、その繁栄も今や昔……本木新道の商店街は、すっかり寂れてしまい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここでも例によって、ムダな道路拡幅工事が行われており、今や町は瀕死の状態を呈していた

 

「もはや戦後ではない」などという欺瞞的なフレーズで、曲がりなりにも経済が上昇気流に乗っていた時代ならともかく、この時代に田中角栄的な土建政策を続ける意味がよくわからない

 

 

いずれにせよ、古くからこの町に暮らす住民が受ける恩恵などは、どこにもなく、ただいたずらに町が消え去るだけで、道路が通ったからといって、この土地に繁栄が戻ることなど百パーセントないだろう

 

目に浮かぶのは、壊滅した個人商店にかわり、日本全国どこにでもある全国チェーンのファミレスやホームセンター、アウトレットモールなどが並ぶ、おもしろくもなんともない光景だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本木新道は、商店街の名称が何回か変わるが、大師前から基本的にぐねぐね曲がった通り沿いを1キロ以上続いている

 

このあたりは、わりと拓けた時期が遅いのか、古い建物は見当たらず戦後の建物ばかりだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真は再掲載)

 

 

大師前駅から少し離れたかつての中心地あたりには、けっこうな数の戦前物件が残っている

 

本木新道は、大師前駅から2キロほどで荒川にぶつかるようにして終わる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒川の直前には、かつての繁栄を偲ばせる大きな看板建築が残っているが、どの店もとっくに廃業してしまったようで、まるで西部劇に出てくるゴーストタウンよような乾いた風景が続く

 

東京のupper north sideは、四ッ木をはじめとして、かつては繁栄をきわめたのに、今や死に体となった町があちこちに点在している

 

 

これが東京でも西側ならば、同じように滅びた商店街は、あちこちにあるが……

 

まるでそこに商店街など、はじめから存在していなかったかのように、毒にも薬にもならない住宅街に上書きされるのに、東京の東や北側では、どういうわけか荒廃した町に姿をかえる

 

 

このことは、東京の西高東低という住宅事情とリンクしているような気がする。その証拠に住みたい町ランキングの上位は、たいてい東京の西側である

 

まあ、地方のひとは、実際に東京で生活したことがないので、イメージでそういう場所に住みたがるのだろうが、ハッキリ言って、錦糸町や亀戸が、武蔵小杉とか吉祥寺に劣っているなどということはなく、生活の利便性は、さほど変わらない

 

 

だから、もし東京で生活しようなどと考えているひとがいるなら、僕は西側より東側のほうが、お買い得だと言っておこう。たとえば町屋なら、谷根千や下北沢なんて直通電車があるので、乗り換えなしで行ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、しまった話が逸れたので戻す

 

本木新道は、荒川が目前に迫ったころには、わずかに残った現役の店は姿を消して、まるで映画のセットのような雰囲気の町並みが続いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

本木新道が荒川にぶつかったところからすぐ東には、交通量が激しいこのような新しい道がある

 

その新しい道から……

 

 

 

 

 

 

 

 

このように、斜めに切れこんでいるのが、本木新道と平行するように続く関原の商店街である

 

本木新道の起点は大師前駅であるが、こちらの関原の商店街は、西新井駅の近くからはじまっているが、不可解なことに、駅の近くに店などはほとんどなく、駅からかなり離れたところから商店街がはじまる

 

 

そして、こちらも本木新道と同様に、荒川に近い場所は、新しく敷設される道路によって分断されるため、すでに死に体になっており、開いている店舗は、ほとんど見かけなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも本木新道よりは多少マシな状況で、ポツリポツリとまだ営業している店があった

 

ということで、次回は昭和中期の町並みが残る関原の商店街を散策する

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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