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綾瀬を出発して、なんとなく堀切菖蒲園駅までやって来た

 

 

これで前回までのタイトルである《足立区から葛飾区へ》という任務は完遂したので、今回から、当初から決めていた浅草に向かうことにするので、タイトルを変更した

 

最初に断っておくが、前回記したとおり、日没はもう目の前。もはや明るいうちに徒歩で浅草までゆくことは不可能だから、陽が暮れた時点で、なんらかの交通手段によって移動する予定である

 

 

当初は川の手通りを歩いていた。暗渠道を見つけて辿っているうちに、いつの間にか着いたという感じだが、途中で昭和30年代風の一角や、川跡の、というか暗渠の上に建っている商店街や、橋跡を見つけたので、すこぶる満足である

 

 

暗渠はそのまま堀切菖蒲園駅の下を抜けて、駅の反対側では商店街に化けて、その先は……

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じの歩道に姿を変えて続いていた

 

この先は、あまり変化がなさそうだったし、これで切り上げて、京成線に乗って浅草に出てもよかったのだが、まだ日没までは多少時間がある上に、なんとなく散策し足りないような気分だったので、もう少し散歩を続けることにした

 

 

ーーが、そこで問題がひとつ。いつものように完全に無計画なので、どの方向に歩くのか、という問題である

 

そこで、本日初めてGoogleマップを開いて、現在位置をたしかめてみると、暗渠はすぐに綾瀬川に突き当たってしまうようだ。さらに、この場所から右方向に行っても、やはり綾瀬に出てしまう

 

 

ということは、残された選択肢はひとつ。左方向、すなわち東に向かうことだ

 

 

 

 

 

 

 

 

幸い左方向には、ラッキー通りという昭和中期で時間が止まったような商店街があったので、なんとなくそちらに足が向いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このラッキー通りは、ハッピーなネーミングのわりには、日曜日という悪条件を差し引いても、明らかに終わったような空虚感が漂っていた

 

並んでいる建物を見ると、昭和30~40年代に栄えていたような感じで、その後発展から取り残されてしまったような気配が濃厚である

 

 

駅前のバラック商店街が、賑やかな雰囲気だっただけに、よけいにその落差を激しく感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの平屋の商家は、昭和中期ではなく戦後間もなくといった雰囲気である

 

この写真の右側の奥のほうには、有名な堀切菖蒲園があるので、この商店街自体は、戦前からあるのかもしれないが、残念ながら戦前らしき物件は皆無だった

 

 

 

 

 

 

 

 

やけに縦に細長い、産経新聞の販売所があると思ったら、どうやら中身はガランドウのようだ

 

 

このすぐ先には……

 

 

 

 

 

 

 

またしても、あからさまな暗渠歩道があった。写真の奥が僕の歩いてきた堀切菖蒲園駅方面である

 

前回までしつこく追求(というほどでもないか)していた川跡といい、この暗渠歩道の先には、堀切菖蒲園があることといい、このあたりのかつての姿が垣間見えるようだ

 

 

おそらく当時は、道沿いに商家が並ぶ以外は、田園地帯がひろがり、縦横に用水路が張り巡らされていたのだろう

 

 

 

 

 

 

 

暗渠の上流側は、大通りのほうに向かっていた。この通りは、川の手通りの続きではあるが、川の手通りは、この手前で右に曲がってしまうので、単なる続きで川の手通りそのものではないようだ

 

ラッキー通り商店街も、この写真の新聞配達のバイクの先で大通りに合流して終わって……

 

 

 

 

 

 

 

いるかと思いきや、この大通りにも街灯に、しつこくラッキー通りの表示が出ていた

 

しかし商店街は、ここでも終わったような空気が濃厚で、もはや商店街の体裁はなしていなかった

 

 

この先、大通りは平和橋通りと交差しているが、平和橋通りもやはり綾瀬川、荒川を越えて台東区方面に向かってしまうので、残された選択肢である東にすすんだ

 

このとき僕は大通りの南側を歩いていたのだが、交通量が激しく、通りの向かい側を気にしている余裕がなかった

 

 

そのことによって、痛恨の見逃しをしていたことに、帰宅してから気がついた。じつは、堀切菖蒲園には「立石バーガー」が云々……というコメントをいただくまで、そのことを、すっかり失念していた

 

立石バーガーとは、かつて立石にあったカルトな人気を誇る100円バーガーの店で、手動のバーガー自販機があったり、いつの間にか「もちピザ」の店に業態を変えたりと、なんとも不思議な店だ

 

 

以前から田中長徳氏のブログで、その存在を知っており、近くに行ったら立ち寄ってみようと思っていたのに、立石というカンムリがついているので、堀切菖蒲園に移転していたことは、頭から抜け落ちていた

 

 

 

 

 

 

 

 

これが立石バーガーである。あんまり悔しいので、Googleビューからキャプチャした画像を貼っておく

 

 

立石バーガーのワンブロック先には、こんな店があった

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは「珈琲ぼるけいの」という喫茶店のようだ

 

ちょっと入ってみたかったが、アロハシャツを着た個性的な人物がちょうど店に入るところに出くわし、気後れしてそのまま通りすぎてしまった

 

 

Googleマップの情報によると、この道をまっすぐすすむと、お花茶屋駅に出るはずだ

 

「珈琲ぼるけいの」のちょっと先には

 

 

 

 

 

 

 

 

見るからに昭和30年代に造られたような「バーバー マツバ」という床屋があった

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり床屋というアイテムには、優良なレトロ物件が多いようで、このマツバもブリキの波板の外壁と、色褪せたブルーの軒先テントが、なんとも言えない味わいを醸し出している

 

それにしてもウィンドウに貼られたポスターの絵は、何十年前のものなのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

この名前のわからない通りは、かつては商店街だったような雰囲気で、ポツリポツリと看板建築が建っているが、営業している店は皆無だった

 

東京DEEP EASTでは、砂町銀座とか鳩の町や、キラキラ橘商店街のような、ある程度集客力がある商店街と、このように滅びてしまった商店街とに、見事に二分されているように思える

 

 

 

 

 

 

 

 

そのすぐ先の信号には「本田宝町」という表示が出ていた

 

堀切の東側は、本田、白鳥、中川など、どこかで聞いたことがある町名が多い。勘のいいひとなら、もうお気付きだろう

 

 

このあたりの大きな町といえば葛飾区亀有である。そう、秋本治は、このあたりの地名から「こち亀」のキャラに名前をつけていたのだ

 

 

 

などと横道に逸れたところで……続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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