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横浜、川崎の記事が続いたが、久しぶりに世田谷区のネタである。これを取材したのは12月の初頭なので、訪れてから、すでにひと月以上経過してしまっていることを、最初にお断りしておく

 

とはいえ、とくに再開発などは行われていないので、明日訪れたとしても、さほど町の様子に変化はないものと思われる

 

 

豪徳寺は、小田急線の駅であるが、東急世田谷線との乗り替え駅にもなっている。ところが、私鉄同士のいさかいでもあったのか、東急側は豪徳寺ではなく山下駅という名前である

 

昔は、このような無益な意地の張り合いがよくあり、JRの町田駅は、昔は原町田という駅名であった(もともと原町田が地名なのでJRが正しい) 

 

 

以前も書いたが、昭和のはじめごろ武蔵小杉駅などは、南武線と東横線が、驚くべきことに、平面交差していたそうで、いったいどうやってお互いをやり過ごしていたのか不思議でしかたがない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東急世田谷線の山下駅を降りると、いきなり目の前には、昭和のまま時が止まってしまったような町並みが目に入る

 

このあたりは、僕が高校生のころから、ほとんど雰囲気が変わっておらず、世田谷の懐の深さを見る思いがする

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトルバックにも使用したこのモルタル外壁の店などは、いまだに堂々と「日立カラーテレビ」の看板を掲げていた。店名の「桜井ミシン電気商会」というのも昭和30年代風で懐かしい印象を与える

 

この桜井ミシン電気商会の向かい側には……

 

 

 

 

 

 

 

 

残念ながらすでに廃業しているようだが「トラヤ帽子店」という素敵な店舗があった

 

この店などは、昭和30年代からまったく変わっていないような雰囲気で、つくずく閉店が惜しまれる

 

 

しかし、このトラヤ帽子店の並びには、まだ現役で頑張っているこんな店舗があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今や絶滅危惧種の町の書店である

 

こちらの店も昭和30年代と変わらぬ佇まいを維持しており、豪徳寺という町は、恐るべきポテンシャルを秘めているようだ

 

 

この山下駅に続く細い路地の先が、豪徳寺商店街である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪徳寺商店街も言葉を失うぐらい懐かしい佇まいである。そこには凍結されたシベリアのマンモスのように、見事に保存された昭和の景色が残っていた

 

上の写真の右側の商店の壁面には、レコード板かCDのような銀色の丸い装飾が施されているが、これは以前、西小山でも同じものを見たので、ある時期に流行った装飾なのだろう

 

 

下の写真の「京呉服とどろき」の隣にある青い軒先テントの古書店は、以前均一台から、探していた「歴史読本」を100円で掘り出した店である

 

この豪徳寺商店街で、もっとも僕の目を惹いたのが

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の大好物のこちらのマーケットだ。お洒落な世田谷らしく、今風のテナントが入ったりしているが、注目すべきは

 

 

 

 

 

 

 

 

この謎のエンブレムであろう(僕のGRにはズームがないので、写真は切り出したものだ)

 

おそらく○に何らかの漢字を図形化したもののように見えるが、判読不能になってしまっている

 

 

新しく建て替えたりされずに、そのまま残っているところが素晴らしい

 

 

 

 

 

 

 

 

このマーケットは、現代的なテナントも入っているが、奥のほうには、昔ながらの精肉店があったりするところに味わいがある

 

 

 

 

 

 

 

 

奥の坂道が豪徳寺商店街。この写真は、駅のすぐ横の踏切の前から撮影した。それにしても、錯綜した複雑怪奇な電線がすごい

 

これをきちんと把握している東京電力の作業員は、神レベルの技術者と言えよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん、この並びも素晴らしい!

 

履き物の「ゆたかや」と「手塚金物店」という組み合わせ。そしてこのアーシーな雰囲気。ここがお洒落なイメージの世田谷とは思えない風景だが、当ブログで何度も述べているように、世田谷は、意外と下町的な町なのだ

 

 

もちろん、お洒落な店も多いが、僕が世田谷に惹きつけられるのは、そうした現代的なお洒落な町と下町的な気楽な町が、上手く融合しているところにある

 

 

 

 

 

 

 

 

商店街の外れには、修理中(?)の戦後型看板建築があった

 

このあたりには、いくつか大学があるせいか、やたらと女子大生風の若い女の子が歩いていた

 

 

豪徳寺商店街は、この道と踏切がぶつかるあたりで終わってしまうが、僕の目的地は、むしろ商店街の外れを、駅名にもなった招き猫でお馴染みの名刹、豪徳寺の方向に曲がった先にある

 

踏切のところで左に曲がると……

 

 

 

 

 

 

 

 

賑やかな商店街は、踏切の手前で終わるが、その先も微妙に商店街っぽい風情が、ぐねぐねと続いている

 

不思議なことに商店街には、あまり戦前の建物が見あたらないのに、この先に世田谷とは思えないような驚愕の物件が残っているのだ

 

 

その物件とは…… 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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