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ペッターの話

誰も見てないと思いながら書いてる

数年前。

Twitterで連日、大変な盛り上がりだったので

気になって少しだけちいかわを追ってた。

その時の話が、今回映画化された内容だった。


なので、1番大事なクライマックスだけは

知っている状態。

当時も、とんでもない話が出てきたな…と

震えた記憶がある。


1番大事な部分を知ってるし

ちいかわ自体に興味はあまりないので

別に映画を観に行くつもりはなかった。

でも会社の仲良い人が観に行きたいと言い

しかも何も知らないという。

あの可愛い絵柄から想像できないほどの

重たいストーリーを知らないで

映画を観た人の反応、見たいじゃん。

というわけで先日観てきた。



ここからは映画のネタバレも含むので

知らない人がいたらとりあえず

映画を観に行って欲しい。

映画のクライマックスを書くから、このあと。






やはり、1番書きたいのはあの2人の話。

ちいかわでも、ハチワレでも

うさぎでも、モモンガでもない。

顔も描かれてないようなモブ島民のなかの

とある2人。名前もない。

頭に葉っぱが1枚の子と、2枚の子なので

それぞれヒトハ、フタバと呼ばれてる。


一応簡単に説明すると

島の住民がセイレーンという大きな生き物に

定期的に連れ去られて帰ってこない。

セイレーンは小さな人魚を2匹従えている。

元々3匹いたのに、あるとき1匹消えた。

その犯人が島民の誰かだと踏んで

連れ去っては島民を食べている。

ほら、もう子供向けじゃなくなってきたぞ。


で、実はその犯人がヒトハとフタバ。

時系列は遡り、ある日2人で海釣りをしていた。

すぐ近くでセイレーンと人魚が水遊びをしてた。

遊びに夢中になったセイレーンは

2人に気付かず飛び跳ねて、船を壊してしまう。

2人は海に投げ出される。

セイレーンは身体が大きいから

当たったことにも気付かない。

浜辺に打ち上げられたヒトハが目を覚ますと

フタバは瀕死の状態で横たわっていた。


フタバを助けるためにヒトハは

「人魚の肉を食べると永遠が手に入る」

という伝承を信じて

3匹の人魚のうち1匹を誘い出し撲殺。

人魚を煮付けにしてフタバの口に押し込むと

フタバはすっかり元気になった。喜ぶ2人。

しかしすぐに、フタバは自分が何をされたのか

気付いてしまう。

自分だけが永遠を手に入れたら

待っているのは孤独な世界。

フタバは煮付けを手に取り

ヒトハにも食べさせ……



そんな映画なわけですが。

子供はどこまで理解できるんだろう。


私が1番思うのは

じゃあどうしたら良かったんだろう

という点。

で、これは絶対に答えが出ない。

どうしたって幸せになれないから

考え続けてしまう。


セイレーンが悪いのか、と聞かれると違う。

舟を壊したのは故意ではなく事故。

例えば人間が、デートしてる蟻を蹴飛ばしても

気付けないのと一緒で

自然界では仕方ないといえば仕方ない。

でも、だからって無実の島民を捕まえて

食べて良い理由にはならない。


手段を選ばすフタバを生かした

ヒトハが悪い、とも言い切れない。

大切なパートナーが突然死にかけてしまい

助かる手段があるならば

選んでしまうのも無理はない。

だからといって

ほかの命を犠牲にして良い理由にはならない。

それに2人が名乗り出ず黙ってるから

無関係の島民も犠牲になってるわけだし。



でも、じゃあどうしたら良かったの。

事故が起きた時セイレーンが気付いてたって

フタバの傷を癒せたわけではないだろうし。

ヒトハがそのままフタバを看取っても

深い悲しみと恨みが残るだろうし。

結局、どう転んでも救いがないわけだ。

はー、マジとんでもねぇなこの作品。



会社の人は観終わったあと呆然としていた。

こういう反応を楽しむために行ったのに

内容を知ってる私もしっかりダメージを受けた。

2人して呆然として、しばらく立てなかった。



今年遊んだとあるゲームも

人魚の不老不死伝説がモチーフとなっていた。

そのゲームでは、男女末長く一緒にいるために

人魚の肉を探すストーリーで

永遠を手に入れたあとは

ひたすらに暖かいハッピーエンドだった。

普通、不老不死をテーマにしたら

残される側の孤独だとか

死ねない絶望だとかを描くから暗くなるのに

このゲームではハッピーエンドだったから

とても新鮮だった。


で、ちいかわはまさかの絶望側じゃん。

この絵柄でハッピーとは反対側にいるじゃん。

同じ題材でもここまで違うのか

っていうのも、すごく面白かった。