「全然大丈夫という日本語は間違っている。
"全然"のあとに続くのは
"大丈夫じゃない"といった否定形の言葉だ。
今の子はそうやって使うけど
私たち世代からしたら違和感しかない」
と年配の方に注意されたことがある。
仕事でもなんでもない、プライベートで。
年配の方、と書くと変に誤解されそうだから
80くらいの家族じゃない婆さんに、と
付け加えておく。
「全然大丈夫」は
日常的に使われている言葉だと思う。
「全然」のあとに否定形の言葉以外が
続くことは珍しくない。
「全然好き」「全然笑える」とか言うじゃんね。
なのでこの時私はあからさまに
不愉快が顔に出ていたと思う。
そもそも、言葉とは時代とともに
移り変わるものだと思っている。
私自身は「早急」や「重複」を
「さっきゅう」「ちょうふく」と読むが
「そうきゅう」「じゅうふく」と
読む人の方が多い。
本来の読み方は前者だが
後者で読む人が増えたことから
いまは後者も誤りではない、とされている。
ちゃんと意味が伝わるならば
それで全然良いと思う。
…ほら、否定形に限らないよね。
同じく代表的な言い間違えで
「名誉挽回」「汚名返上」がある。
名誉は取り戻すものであり返すものじゃない。
汚名は返すもので取り戻すものではない。
これは理屈が通ってるので
「名誉返上」「汚名挽回」を
誤りとするのは分かる気がする。
しかし、最近読んだ本によると
国語辞書によっては
「汚名挽回は誤用ではない」
と記してあるらしい。
「挽回」には望ましくない状態のものを
元の良い状態に戻す、という意味が
含まれているのだそう。
「失点を挽回する」
と例が挙げられていた。
な、なるほど…そう言われてみると
汚名(の状態)を元の良い状態に戻す
という意味は通る。
大体、国語辞書に誤用でないと書いてあるなら
相当強力な後ろ盾になるし。
やっぱ言葉のスペシャリストでもないのに
あんま無闇に人の言葉の間違いを
指摘するもんじゃないなぁ、と
この記載を読んで改めて思った。
ちなみに。
冒頭の、年配の方から
「今の若い子は"全然"の使い方が違う」
と指摘された件について。
この「全然」問題についても
同じ本に取り上げられていた。
例を見て、何で気付かなかったのだろう!と
ちょっと悔しくなった。
その本には
「"全然"のあとに否定形以外の言葉が続くのは
明治時代から使われている」
として、漱石先生の坊っちゃんを載せていた。
「一体生徒が全然悪るいです。」
おい婆さん!!!
漱石先生だって使ってるんだから
全然大丈夫だろうが!!!!