高1、9月の席替え。
くじ引きをして席を移動すると
なんと隣がT氏だった。
1番後ろの席だったので
授業中もよくサボって
遊んだりした。
夢のような2ヶ月だった。
吹奏楽部におけるパーカッションは
曲によって担当楽器がコロコロ変わる。
スネアだったりバスドラムだったり
ティンパニだったりシンバルだったり。
9月の文化祭で初めてT氏が
ドラムを叩くことが決まった。
曲はテキーラ。
元々彼女のドラムのファンなので
私はもう嬉しくて嬉しくて。
しかも、合奏する時の配置は
トランペットの真後ろがドラムなので
非常によく聴こえてくる。
私はずっとドラムを聴きながら
合奏練習に参加していた。
ある日、帰りのHR前。
「この曲はなんでしょう?」
とT氏が突然ペンを使って
机をたたき始めた。
私「テキーラでしょ?」
T「すご。なんでわかったの」
そりゃ分かるよ。
T「じゃぁ、これは?」
と次々にこれまで彼女が
演奏してきたパーカスのリズムを
机で刻む。ことごとく正解する私。
元々ドラムには興味があったが
打楽器全般に興味を持ち
また知識を得たのは彼女のおかげ。
聴いているだけではわからない
苦労話を聞くのが楽しかった。
彼女の話し方も上手だった。
一時期ゲーセンに一緒に通った。
中学の頃は校則でゲーセンが禁止で
先生が見回りに来るほど厳しかった。
なのでゲーセンの楽しみ方を知らない。
彼女はドラムマニアという
ドラムの音ゲームを遊んでいて
私はいつも後ろでそれを見ていた。
T「ペッターはやらないの?」
私「いや、だってできないし。
それに知らない人から見られるの
恥ずかしくない?」
消極的な私に彼女は
T「そういうのは関係ないんだよ。
自分がどれだけ楽しめるかだよ」
とバッサリ言った。
てっきり同類の、陰キャの人間だと
思っていた彼女が
別の世界の人間だと
ハッキリ感じた瞬間だった。
とにかくこの言葉が衝撃的で
すごく覚えてる。
そうか、周りは関係ないんだ。
なんてカッコイイんだろう。
彼女に憧れを抱くようになった。
今の私が
「自分が楽しければ周りはどうでもいい」
と考えて色々なことに
挑戦できるようになったのは
完全に彼女の影響である。
ところで、T氏は9月生まれ。
私は1月生まれなので
誕生日を迎えるまでは2人とも15歳。
(確か)18時以降は16歳以上じゃないと
ゲーセンにいてはいけない。
コッソリ遊んでいると
私服婦警さんから警察手帳を見せられ
何度か年齢確認をされた。
生徒手帳を忘れたフリして
そのたびに2人で逃げた。
