前回の記事から
私のT氏に対する感情が
友人というより恋人
と思われたかもしれないが
恋愛感情は無くて、今で言う
「推し」だったのだと思う。
当時はそんな言葉は無かったので
「好き」としか言えなくて
「いや、変な意味じゃなくて」
と続ける必要があったのだが。
T氏は私と同じ陽の当らない側の
人間だと思っていたが
話してみると非常に
人間的な魅力があった。
彼女がたまに放つ一言がとても面白い。
目線が独特なので
斜め上の回答が返ってくる。
あまり笑わないので
たまに笑ってくれると嬉しくなる。
話してみてより一層
仲良くなりたい!
という思いが強くなった。
部活動を決める時期になり
私はT氏と一緒に
吹奏楽部へ入った。
1年2組から吹奏楽部へ入ったのは
2人だけだったので
周りは全員知らない子。
私はトランペット。
T氏はパーカッション(打楽器)。
お互い、第一志望の楽器に決まった。
吹奏楽部は毎日練習があるので
必然的にT氏と一緒にいる時間が長い。
昼休みに一緒にご飯を食べて
放課後になると一緒に部活へ行って
部活が終わると一緒に帰って
たまにコンビニに寄って
焼き鳥を食べながら道端で喋ったりして。
中学の時のあだ名を聞いたら
「そういえば一時期
"日清サラダ油"って呼ばれてた」
とか意味不明なこと言われて。
ある日。
話の流れでT氏の出身中学を知った。
同じ区内の公立中学校だった。
そこで私はふと気付く。
中学の頃、区内の公立中学の
吹奏楽部を集めた音楽会が
年に1回行われていた。
家に帰って当時のプログラムを見る。
(残してるところが流石、私)
中3の年、彼女の学校は
「ミッションインポッシブル」
「銀河と迷路」
の2曲を演奏していた。
「あ!!!!」
思わず声が出た。
私はこの
「ミッションインポッシブル」
が非常に印象に残っていた。
先生の指示でプログラムに
全学校分に一言ずつ
感想を書いていたのだが、この学校は
「ドラムがすごくかっこよかった」
と書いていたくらい、ずっと
ドラムを凝視していたので
髪の長い女の子がかっこよく
叩いていた映像すら思い出せた。
私の中学はパーカスは毎年男子だったので
女子がドラムを叩く、という姿が
非常にかっこよく見えたのだ。
翌日、興奮しながらその話をすると
やはりドラムを叩いていたのはT氏だという。
本当はやってはいけないことだが
私はこの音楽会にコッソリと
テープレコーダーを持ち込んで
気になる学校は演奏を録音していた。
当然T氏の演奏も残っていて
改めて聴いたが、やっぱりカッコイイ。
録音を聞かせながらベタ褒めする私を
恥ずかしいからやめてくれ、と
T氏が止めた。
