さて、2023年後半は忙しくなる気配...(店主の願望?)

ショールーム展示のPETROFは現時点でUP4台、GP1台が出荷待ち。円安の影響でこれから輸入する品の価格上昇は避けられないため是非まだ在庫のあるタイミングでのご検討をお勧めします。

 

まずは納品間近のチェリー艶消(サテン)モデル。和の空間にも合いそうな明るく落ち着いた色彩、枯淡の趣きが日本のピアノユーザーの心をくすぐるのでしょうか、弊社でも人気を誇るモデルです✨

 

PETROF P118P1 Cherry Satin Finish

Discacciati Piano Bench Mod.105

 

 

すでに入荷時にプレップアップ(精密調整)を実施していますが、出荷前にも再度点検を行います。今回は最終チェックの模様から...

 

調律だけではなく、感度の高い弾き心地、そしてppp~fffまで表現しやすいハンマーフェルトに調整するまでがプレップアップ。

工場出荷のピアノは規格をクリアしただけの「製品」、最終的に現場の調律師が「楽器」に仕上げなくてはならず、そこでもまたピアノの個性や魅力が大きく変わってきます。

 

このような手間が省かれて工場から直接ピアノが納品されるケースが多い昨今、弊社では必ずショールームで事前に手を入れてからお届けしています。それはお客様のみならず調律師にとっても楽器の状態を把握できることで双方に「安心」を得られるといったメリットも。

 

アクションを外して弦やチューニングピンを再点検。

 

出荷前にあらためてクリーニング✨

 

続いて鍵盤もすべて外して棚板と筬を清掃。

 

キーピン磨き、出来る限り綺麗な状態で送り出します。

 

ひとつずつハンマーと弦の当たりを再確認。

 

伝統的なピアノのアクションは基本「木材」。僅かな変化を修正する「きめ細やかさ」も調律師には必要な要素。

 

ハンマーの進行方向、間隔、角度を精密にチェック。

 

続いて鍵盤、後部のキャプスタン上下を調整。

 

そして鍵盤の高さ(均し)調整。一枚板のように精密になるまでチェックします。

 

そして鍵盤の深さ調整、パンチング紙で10mmに揃えます。

 

ハンマー接近、ストップ位置、ダンパー動作を整えて「整調」の点検は完了。

 

鍵盤、アクションパーツの位置が綺麗に整いました。

 

再度調律、新品のためA=443Hzとピッチは少し高めにとります。

 

最後に大事な「整音」。硬い音質には針を入れて、逆にfffが発音できないハンマーは硬めて芯を作ります。このハンマーフェルトの弾力性(クッション感)もピアノの個性ないし魅力に大きく影響します。

 

3弦合わせの確認、そしてフェルト表面を滑らかに処理。毛羽立ちをおさえることで音色に艶が宿ります。

 

こうしてチェコの名器に恥じない「楽器」にプレップアップ完了。

 

外装を組む前に鍵盤蓋の蝶番ネジを増し締め。

 

フロントパネルも装着。落ち着いたチェリーの木目🌳

 

工場出荷時のフィルムをはがして真鍮ペダルを研磨後、ビニールでカバーを。

 

浜松の職人が製作した無垢の木製インシュレーター。床に傷がつかぬよう裏にフェルトを貼りました。

 

さらに気になるイタリア製ピアノベンチは...

 

マロン色×合皮、同じブラウン系で引き締まった印象。

 

こちらは人気のアッズーロ×ベルベット

イタリアカラー空色がお洒落なアクセントに♪

 

はたしてお客様はどちらを選ばれるでしょうか😊

 

PETROFメーカー保証書に刻印、オリジナルのプレップアップ報告書に数値や作業内容を記載。納品後もこちらのデータをもとにお客様の大切なピアノをフォローしています。

 

専用キーカバー、トップカバーなど相応しい付属品をご用意。

 

出荷準備が完了、残すはイタリア製ピアノ椅子の選択だけ。

 

最後に巨匠アルフレッド・ブレンデルの著書をご紹介...

「私の理想的な意見では、調律師はより優れたピアニストでなければならない。また一方、すべてのピアニストは自己防衛という意味からだけでも熟練した調律師でなければならない。」

A.ブレンデル/岡崎昭子訳 『楽想のひととき』(音楽の友社)より

 

 

名ピアニストの言葉に倣い、弊社では技術者と演奏者の双方の目線でテストを幾度も重ねてからチェコ共和国の名器をお届けしています。それが専門店としての矜持であり、ピアノユーザーとの信頼関係。

 

どうかお客様にご満足いただけますように!

 

ペトロフピアノ専門店&輸入元

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