【New Arrival 】
無事納品したP118D1モデルと入れ替わりでペトロフUP中型モデルがチェコから到着!イタリア製のピアノベンチと共に白金台ショールームに入荷しました😊
ナチュラルで深いブラウンのウォルナット艶出仕上げ、音楽性と美観を兼ね備えた人気のシリーズ👍
早くも試弾のご希望あり、ただし輸入したばかりのピアノにはプレップアップ(精密調整)には空間と時間、そして手間が必要不可欠です。
その工程は以前携わっていたスタインウェイピアノの徹底された管理と同様に、ショールームの安定した環境で楽器をしばらく寝かせます。
理想とされる温度20℃、湿度50%でピアノを馴染ませてからプレップアップに入りました。
まず本体内部のクリーニングから、チューニングピンを1本ずつ綺麗に✨
アクションを外して弦も綺麗に磨いていきます。
真鍮棒で「駒打ち」、密着させて弦の振動を駒に十分に伝えます。
鍵盤もすべて外して棚板&鍵盤筬を掃除。
鍵盤の動作を支えるキーピンも1本ずつ綺麗に磨くことで円滑なタッチ感を生みます。地味ですが大切な作業。
フロントキーピンの角度を正しく修正します。
キーピンの入り口、鍵盤のキーホールをブラシで掃除しながら鍵盤を元に戻していきます。
専用プライヤーで鍵盤左右の遊びを適度に作ります。
アクションを再び搭載、ハンマーが正しい位置で弦をとらえるように。同時にハンマー同士の間隔や角度も微調整します。
続いて鍵盤の作業へ、バランスキーピンの前後位置を細かく修正。
キャプスタン調整、アクションと鍵盤の関係を適切に。
こうして鍵盤高さの調整、まずは白鍵、定規をあてて凸凹&傾きをチェック...
パンチング紙を抜き差しして調整、高さが均一になるまで作業を重ねます。
白鍵、黒鍵の間隔もバランスを取ります。
黒鍵の高さは12mmが基準、こちらも綺麗に均しました👍
キャプスタン前後位置の調整、これもタッチに関わる作業です。
キャプスタンの間隔、角度を専用プライヤーで調整。
バックチェック、ブライドルワイヤーなど他のアクションパーツも適切なポジションへ。
そしてパンチング紙を用いて鍵盤深さを10mmに調整。
気づいたら夜、この日はここまで。すべては音楽を愛好される方々のために。
翌日プレップアップを再開、まず鍵盤の高さ&深さのチェックから。繰り返し作業を重ねることで精度も上がります。
ひとつずつハンマー接近距離を調整。トリルや連打、pppなど微弱音の表現に関わる工程。
ハンマーストップ位置は弦から約15mm、隣同士が綺麗に揃っているか確認しながら作業します。
最後にダンパーの動作、掛かりのチェック。こうして鍵盤&アクションを整える「整調」作業が完了です。
次に皆様お馴染みの「調律」、調律=音程合わせ、新品のためピッチをA=443Hzに設定しました。
整調、調律を実施して最後に「整音」です。
読んで字のごとく、音の硬さ、柔らかさなど「音質」を整えるのが整音、各音を聴き分けながらハンマーフェルトの弾力性を針を入れて整えていきます。
88音のクッション感が揃ったところで針の痕跡を処理すべく綺麗に整形、音に「艶」が宿ります✨
そして3弦合わせ、1弦ずつ弾いてハンマー先端との当たり具合をチェック...
3弦が同時に接するように慎重に削ります。これもコンサートホール等のスタインウェイで実施される作業工程のひとつ。美しいピアニッシモの秘密です。
中音や低音のハンマーも綺麗に整えて「整音」完了。
整調、調律、整音を高い次元で行うことでピアノは製品から「楽器」に変わります。
スタインウェイ、ファツィオリなどの高級メーカーもこのように手間を掛けることで一流ピアニストに支持されるブランドの地位を築きました。それだけに技術者の果たす役割は極めて重要...。
プレップアップ後に自ら試し弾き、プロセス(調整)に満足せず、その結果を「客観視」する姿勢も持ち合わせなくてはなりません。
響板の面積、低音弦の長さが確保されたP125モデルならではの迫力あるサウンド🎶お子様でも弾き易い軽快なタッチに整えました😌
専用のイタリア製ピアノ椅子を開梱、シートは「空色(アッズーロ)」🇮🇹
ウォルナット艶出の鏡面仕上げ、美しい木目が目を楽しませてくれます✨
脚のフォルムも洗練されたチェコの趣き...。日本のピアノとはセンスが異なります👍
PETROF P125F1 Walnut High Polish
Discacciati Piano Bench Mod.105
温もりに充ちた豊かなサウンド、美しいデザインに中欧チェコの情緒が漂う名器PETROF。こうしてまた1台の楽器が誕生しました。
大人のユーザーは勿論、お子様にとってもお稽古にとどまらず、ヨーロッパの文化を肌で感じてもらえる素敵な楽器になることを願っています😊
ペトロフピアノ専門店&輸入元
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