人気のペトロフ小型GPが再び入荷!😊
今までにも数多く納めているウォルナット艶出モデル、コロナ禍のなか先日のUP4台と共にチェコから無事到着しました🇨🇿🚢🇯🇵
 
ペトロフP159Bora ウォルナット艶出モデル
 
内観も美しいデザインのペトロフGP✨
 
柔らかく朗らかな音色と豊かな響き...ただし後でご紹介するように、輸入した時点ではあくまで「素材」。プレップアップ後にどんな「楽器」に仕上がるでしょうか?
 
今回もショールームの環境に数日馴染ませて作業を開始!
※最後にサンプル動画をご紹介しています🎶
 
まずはベッディングスクリュー調整、棚板と鍵盤筬がフィットするようにセットします。
 
ハンマーと弦の合わせ、打弦点を精密にセット。
 
ハンマーの進行方向をのり紙で調整、角度はシャンクを炙って調整していきます。
 
こうしてハンマーの並びが揃いました!ここでひとつ問題点が…
 
ハンマーフェルトが工場の針刺し整音でモコモコ💦
これを綺麗に処理しなくてはなりません。その作業はまた後ほど!
 
バランスキーピン前後位置を調整後、鍵盤の高さをチェック。傾きを修正しながらチョークで凹凸のメモを残します。
 
続いてアクションを取り外して鍵盤後部のキャプスタンスクリューを研磨、滑らかな弾き心地を作ります。
 
鍵盤も外して土台の鍵盤筬のみになりました。工場製造時に混入した木屑など改めて清掃します。
 
そしてバランス・フロントのキーピンを全てクリーニング。これも弾き心地に関わる作業...176本を地道に磨きます。
 
メモをもとにパンチング紙で鍵盤の高さを調整。
 
フロントキーピンの角度を定規をあて細かく修正。
 
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鍵盤のバランスホール内部もマスカラブラシでひとつずつ清掃、木屑を除去します。
 
鍵盤の遊び調整、専用プライヤーで適度に圧縮します。
 
ここで件のハンマーをファイリング。PETROF社工場で針刺し整音した状態で届いたためフェルトの形を現場で整えます。
 
目の細かい布ヤスリで表面を綺麗に処理、まずは高音域から。スタインウェイと同じようなプロセスで音作りを行います。
 
中音、低音はハンマーに角度が付いているためひとつずつ整形。
 
痕跡はなくなり綺麗なハンマーフェルトにリセット✨
たとえ入荷時の状態が荒れていても技術でフォロー、過去にはこうしたサービスが不足していました。それも弊社を設立した理由のひとつ。
 
針刺し作業そのものは必要な工程(逆に日本のピアノは針刺し不十分のケースが多々…)、このようなサポートを行うことも輸入元&専門店としての役割です。
 
さて、一夜明けてアクションのさらなる精密調整を開始。鍵盤の力をハンマーに伝達するウィペンアッセンブリーをセットしていきます。
 
ハンマーのシャンクローラーとのかみ合わせをチェック、ハンマーと同様のり紙を貼りながら適切なポジションに微調整を重ねます。
 
キャプスタンスクリュー×ウィペンヒール、小ジャック×レギュレーティングボタンの接点もチェック、バランスよく収まっています。
 
シャンクローラーにテフロン処理、スキンと馴染ませて上質なタッチ感を作ります。
 
ハンマーテールを銜えるバックチェックの位置を専用プライヤーで調整。
 
こうして再び本体に収納、ご覧のとおり鍵盤の高さも均一に✨
 
アクションのジャック前後位置を調整、トリルや連打性能に関わる箇所。
 
次の動作に入りやすいようジャックの上下位置もひとつずつ精密に調整...
 
続いてハンマー接近、LEDライトで照射しながら0.5mm単位で調整、繊細なピアニッシモを表現可能に。これもスタインウェイの整備で培った技術。
 
ドロップ調整は2mm、弊社で輸入しているペトロフは独Renner社製アクションパーツを採用しています。
 
鍵盤の深さ調整、専用のあがき定規で10mmチェック。様々な厚さのパンチング紙で整備していきます。
 
そしてハンマー均し(ハンマーストローク)、アフタータッチの感触をもとに適切な距離を作っていきます。
 
黒鍵の深さ調整、白鍵のアフタータッチ感を黒鍵に移植するようにパンチング紙でセットします。
 
そしてハンマーストップ調整、弦から15mmの位置でバックチェックが銜えるように88箇所をセット。
 
そして連打に関わるレペティション・スプリング。弱すぎず、強すぎず、適度に調整します。
 
こうしてアクション&鍵盤の「整調」作業が完了!
 
気づけばすっかり夜更け...。入荷して即座に売り物とはならないのがピアノという「楽器」、音楽を愛する方々とその手間の大切さを共有したいです。
 
再び夜が明け、ようやくここで「調律(音程合わせ)」の出番。新品のためA=443Hzにセット、プレップアップするにあたり調律はあくまで作業工程のひとつに過ぎません。
 
続いて88音の質をそろえる「整音」作業、最初は左のシフト(ソフト)ペダル使用時の設定。専用ピッカーで音質を整えていきます。
 
続いてハンマーフェルトの弾力性、クッション感の調整です。工場出荷時に十分に針が入っていたため最低限でOK👌
 
そして3弦とハンマー先端が同時に接するように「3弦合わせ」作業、専用ファイラーでひとつずつチェック&微調整。これにより弱音にも輪郭が宿ります。
 
最後にダンパーの調整、ストップレールやソステヌートペダルまでしっかりチェック...
 
丹念なプレップアップがようやく完了!入荷当初のコンディションに比べて音もタッチも抜群に垢抜けました😌
 
拍子木、鍵盤蓋を再びセット、鍵盤均しも綺麗です✨
 
チェコ共和国の名器がこうして「楽器」に仕上がりました!
 
3日に渡るプレップアップ作業、紹介に最後までお付き合い頂いた皆様もお疲れ様でした🙇‍♂️


今回もiPhoneで素撮り、音質はさておいて💧
しっとり朗らか、かつ艶っぽいサウンドが伝わりますでしょうか。鍵盤の底近くでも繊細な弱音のコントロールが出来る「ピアノ」に。温かくも切なさを帯びた郷愁の音色に中欧の古き佳き情緒を感じます😌
 
PETROF P159Bora Walnut High Polish
Discacciati Piano Bench 810 Ergo
昨年末の出荷ラッシュからペトロフGPが3台並ぶのは久しぶり。
音質、弾き心地も三者三様ですので是非お試しください😊
 
良い楽器を求めるならばお客様も当然それなりに“準備”が必要...。
贅沢にもヨーロッパの名器PETROFを基準に、"あなただけの音”を一緒に探してみませんか??
 
 

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