店主宅と白金台ショールームは徒歩圏内、
メンテナンスに出かけるとき以外はほとんど
在宅勤務のように店内で籠りきりの環境...
おかげさまで働き方はほぼ変わらず、粛々と
入荷したペトロフGPのプレップアップです。
 
P159Bora Mahogany High Polish
落ち着いた赤茶色の上質なマホガニー材、
チェコ特産ボヘミアンガーネットを想わせる
とてもお洒落な外装のペトロフ小型GP。


今回は先にプレップアップ後のテスト音源を
公開です。優しくしっとり歌い上げる音色、
小型でも奥行きを感じる響きが楽しめます♪
 
ヨーロッパ製ピアノは輸入してからの調整が
大きなポイント、このようなご時世とあって
チェコの人が丹精込めて製造したペトロフを
感じながら丁寧に精密調整を施しました。
 
まずはベッディングスクリュー調整から
鍵盤筬と棚板に浮きがないように...
鍵盤高さにも影響する大事な設定です。
 
バランスキーピンの前後位置を微調整。
 
鍵盤の高さをあらかじめチェック...
バランスピンを小突いて傾きも調整。
 
鍵盤後部のキャプスタンスクリューを
磨いて滑らかな弾き心地を作ります。
 
アクション&鍵盤を外して筬だけの状態に。
 
専用ポジドライバーを用いてネジ締め。
 
バランスキーピンの汚れやベトツキも
1本ずつ磨くことでタッチも変わります。
 
鍵盤の深さを調整するパンチング紙。
事前に不要なものを処理、納品した後に
技術者が調整し易いものと交換します。
 
あらかじめチェックした鍵盤の高さ、
こちらも専用パンチング紙で調整。
 
フロントキーピンの角度を微調整。
 
新品ピアノは工場加工時の木屑が混入、
キーホールをブラシで掃除していきます。
 
専用プライヤーで鍵盤の遊びを調整。
88鍵を地道にチェック、整備します。
 
鍵盤とアクションを装着して次はハンマー。
のり紙を貼って「走り」を修正、進行方向を
細かく調整していきます。
 
ハンマーと弦の合わせ、グランドピアノは
ソフトペダルがあるため精密に調整を。
 
ハンマー間隔、角度を綺麗に整えました。
この時点でハンマーフェルトの毛羽立ちが
気になるところですが後ほど処理します。
 
再び本体からアクション&鍵盤を引き出し
鍵盤の力が余すところなく伝達するように
ハンマー位置とサポートを合わせます。
 
ハンマーフレンジ同様、こちらものり紙で
角度を調整、こうした調整は納品する前に
徹底して実施、骨の折れる作業です。
 
小ジャック&レギュレーティングスクリュー
ウィペンヒール&キャプスタンスクリュー
各々を適切なポジションに設定しました。
 
ジャックと接触するローラースキンには
テフロン処理、上質なタッチを作ります。
 
ハンマーテールを銜えるバックチェック、
専用プライヤーで位置を調整します。
 
定規をあてバックチェック角度も修正。
 
ジャック前後の位置を側面から覗いて
ひとつずつチェック、ネジで調整します。
 
続いてジャックの高さを指でなぞって
チェック、こちらもネジで地道に調整、
トリル&連打にかかわる作業です。
 
そして繊細な美弱音の表現にかかわる
ハンマー接近距離の設置、LEDライトで
88音ひとつずつ地道にネジで調整...。
 
接近の調整後、ハンマードロップ(戻り)
2mmの落差となるようネジで調整。
 
image
さて、続いては鍵盤の精密調整です。
ご覧の通り高さを綺麗に均しました。
 
あがき定規を用いて鍵盤深さの調整、
分かりやすい色付きのパンチング紙で
あらためて白鍵を10mmでリセット。
 
白鍵のアフタータッチが適度となるよう
打弦距離(ストローク)を設定します。
 
そのアフタータッチと同じ感触となるよう
黒鍵の深さをパンチング紙で調整。
 
ハンマーストップ調整、バックチェックを
前後してポジションをそろえていきます。
 
本体におさめてストップ位置をチェック。
 
最後にスプリング調整を行います。
専用アジャスターで強すぎず弱すぎず
適度に調整することで連打しやすく...
これでアクション鍵盤の「整調」完了!
 
真鍮棒で「駒打ち」、弦の振動が駒に
しっかり伝わるように密着させます。
 
A=442Hzで「調律」を実施しました。
 
ダンパーの動作、掛かり、ソステヌート、
ストップレールのチェックも忘れずに。
 
そしていよいよ最後に「整音」を実施。
音を鳴らしてハンマーの硬さをチェック、
ppp~fffまで聴き分けて針刺し作業。
 
ソフトペダル使用時の整音風景です。
専用ピッカーで頂点に針を入れます。
 
3弦合わせ、ハンマー先端と弦が同時に
接するようにファイラーで微調整します。
 
ハンマーフェルトの表面を綺麗に処理、
音質が上品かつ艶やかに締まります。
 
あらためて調律を手直しして完了!
 
入荷時にはゴワゴワ、ボサボサっとした
ハンマーフェルトもご覧の通り綺麗に...
冒頭の動画のような音色に成りました。
 
3日間にわたるプレップアップが終了!
ピアノはただ台数を展示するだけではなく
こうした整備がなされていることが大切...
納品した後にこれほど手間と時間をかけて
ベースを整えることは正直難しいです。
 
拍子木、口棒、鍵盤蓋を組み上げました。
幅と奥行きがほぼ同じというコンパクトさ。
 
外装&鉄骨フレームの美しいデザイン。
 
深いブラウンがウォルナット艶出塗装
上品な赤茶色がマホガニー艶出塗装
 
木目の紋様はまるで天然のアートです。
あなたのお好みはどちらでしょうか??
 
2種類のP159Boraモデルを同時に展示、
はやくもご試弾の予約を頂いております。
 
日本の住空間にもぴったりなペトロフGP、
優しい音色と響きをぜひお試しください♪
 
 

ペトロフピアノ専門店&輸入元

株式会社ピアノプレップ公式HP

納品事例はこちらから!

お客様のペトロフご紹介