新型コロナウイルスの影響を受けて、ここ
東京でも外出の自粛要請が出されました。
これ以上の感染者増加を抑制するためには
止む無しといったところ、少しでも事態が
良い方向にむかうことを期待しています。
普段通勤はショールームから近所の自宅と
店を徒歩で行き来するピアノプレップ店主。
有難くも数組のオーダーが入っているため
粛々とプレップアップ(精密調整)です。
PETROF P118P1 Walnut Satin Finish
お部屋の雰囲気を考えてご注文いただいた
ペトロフ人気のウォルナット艶消の外装!
先日入荷してそろそろ環境に馴染んだ頃...
調律、整調、整音を丁寧に実施することで
どんな音を奏でてくれるのか楽しみです。
まずはチューニングピンをクリーニング。
アクションを外して弦も綺麗に掃除。
弦が駒と密着するように「駒打ち」。
鍵盤の動作をガイドしているキーピン、
鍵盤を外してバランス&フロントピンを
磨いて滑らかな弾き心地を作ります。
パンチングペーパーもチェックします。
穴あけの位置が良くないものは破棄、
穴あけの位置が良くないものは破棄、
納品後にどんな調律師が担当しても
作業をし易いように出荷しています。
ダンパーの動作&掛かりをチェックして
フロントキーピンの角度を修正します。
鍵盤のバランスホールをブラシで掃除、
内部に混入する木屑を取り除きます。
鍵盤後部のキャプスタンスクリュー、
綺麗に磨くことでタッチにも好影響。
ハンマーと弦の合わせ作業を実施。
バランスキーピンの前後位置を修正。
キャプスタンの上下調整で鍵盤のカラを
なくしてから鍵盤高さの均し調整です。
まずは白鍵上面に均し定規をあてて
高さの凸凹をチェック、パンチング紙で
僅かなムラを精密に整えていきます。
同じように黒鍵の高さも均しました。
白鍵の凸凹をチェックすることが可能、
皆様も機会あれば試してみて下さい。
あがき定規(鍵盤深さを測る定規)で
10mmを確認しながらパンチング調整。
ハンマーの接近距離を調整します。
微弱音の表現力、トリルや連打性に
かかわるアクション調整のひとつ。
バックチェック、ブライドルワイヤーの
位置を専用プライヤーなどで調整。
ハンマーストップ位置を調整します。
低音15mm・中音13mm・高音12mm
鍵盤&アクションの「整調」が完了!
新品のため基準ピッチより高めの
A=443Hzで調律を実施します。
最後に待ち構える「整音」作業を。
ピアニッシモからフォルテシモまでの
ダイナミックレンジを聞き分けながら
ハンマーフェルトに適切に針刺し...
経験とセンスが問われる作業です。
ハンマーを弦にあて、爪ではじいて
接弦しているか1本ずつチェック...
3弦同時に接するようにファイラーで
薄く削りながら「3弦合わせ」を実施、
弱い音にも輪郭がともないます。
ハンマーフェルト表面の針刺しの痕跡、
毛羽立ちなどを綺麗にファイリングして
内部のプレップアップがようやく完了!
こうしてチェコ共和国の名器がまた一台製品から「楽器」に、舶来物のピアノは
輸入した時点はあくまでまだ「素材」...
調整次第で魅力はガラリと変わります。
店主自らユーザーの目線でテストを。
マットな外装独特の朴訥とした木の響き...
滑らかな弾き心地に仕上がっています♪
Discacciati Piano Bench Mod.105
イタリア製ディスカチャーチ社の椅子を
チェコ製ペトロフとあわせてみました♪
いまイタリアもチェコも新型コロナの影響で
日本以上に緊迫した状況におかれています。
首都圏も予断を許さない日々ではありますが
PETROFを通じて改めてヨーロッパの伝統を
日本のお客様にお届けしていく所存です。