何とか台風19号「ハギビス」の猛威から
難を逃れた白金台ショールーム、今回の
台風被害に遭われた皆様が一刻も早く
いつもの生活を取り戻せますように...。
 
この3連休の間にコツコツ作業を進めた
新品P118C1ウォルナット艶出モデルの
プレップアップが完了したのでご報告。


J.S.バッハ『主よ、人の望みの喜びよ』
艶やか&朗らかな音色と温かい響き、
軽快なタッチに仕上げたP118C1です。
 
ペトロフをはじめヨーロッパ製ピアノは
調整次第で音も弾き心地も様変わり…
 
今回のP118C1が「楽器」に成るまでの
プレップアップ作業を一挙公開です。
 
まずはアクションを外してクリーニング。
 
弦&チューニングピンを磨きました♪
 
真鍮棒で一弦ずつ「駒打ち」実施...
弦の振動が駒に充分伝わるように。
 
鍵盤後部キャプスタンボタンも磨いて
滑らかな弾き心地を作ります。
 
そして鍵盤を外してキーピンも磨きます。
これもタッチの基礎となる大事な作業...
 
フロントキーピンの角度を微調整。
 
キーホールに残っている木屑を除去、
これも新品ピアノには欠かせない作業。
 
専用プライヤーで鍵盤の遊びを調整、
これもまた弾き心地に関わる作業。
 
バランスキーピンの前後調整。
 
弦とハンマーの合わせ、正しい位置で
打弦するように微調整を重ねます。
 
正しく調整されたハンマーフェルトは
間隔、角度が綺麗に揃っています。
 
続けて鍵盤の高さ調整、パンチング紙を
鍵盤下に抜き差しして凸凹を均します。
 
精密に均された白鍵の画像です。
鍵盤のレベルに視線をあわせれば
わずかな凹凸も一目でわかります。
 
黒鍵高さは均し定規を用いてチェック、
同様にパンチング紙で調整しました。
 
続けて鍵盤深さをパンチング紙で調整、
基準となる10mmに精密にそろえます。
 
トリル&連打に関わるハンマー接近、
88音を精密に調整していきます。
 
専用プライヤーでアクションの調整、
間隔、角度を綺麗に整えていきます。
 
ハンマーストップ&ダンパーの調整を
実施して「整調」作業が完了です。
 
新品のためA=443Hzで「調律」しました。
 
最後にヴォイシング、「整音」作業。
針でハンマーフェルトの弾力を調整、
88音のクッション感をそろえます。
 
針の痕跡を処理、ハンマーの表面も
綺麗にファイリングしていきます。
 
そして「3弦合わせ」、ハンマー先端と
弦が同時に接するよう入念に調整...
 
手間と時間のかかるプレップアップ作業、
音とタッチの精密調整が完了しました♪
正しく調整したピアノは見た目も綺麗。
 
美しい木目&装飾が施された外装、
チェコ人の職人技が冴えわたります。


今年ペトロフ社工場を訪問したときに
撮影した動画、なんと装飾部は手彫り、
ペトロフにはチェコ人の魂が宿ります。
 
イタリア製ディスカチャーチ社製ベンチと
あわせて撮影、ヨーロッパの洗練された
センスと情緒ある音色が味わえる一台。
 
PETROF P118C1Walnut High Polish
Discacciati Piano Bench Mod.110
以前に仕事をしていたスタインウェイも
同様、今回ご紹介したプレップアップが
実施されて初めてヨーロッパ製ピアノは
その楽器としての「真価」を発揮します。
 
ぜひ白金台ショールームで整備された
中欧の名器PETROFをお試しください♪
 
 

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