チェコフェスティバルの準備に追われて
新入荷品のP159Bora黒色艶出モデル
プレップアップの記事が遅くなりました💧
 
知られざるチェコ製ピアノPETROFの
人気が高まり始めたのも、これまでに
コツコツと精密調整を重ねたからこそ...
 
ペトロフGP本来の魅力を引き出すための
プレップアップ3日間の模様を一挙公開!
※テスト動画も後半に追加♪(10/18)
 
弦を打って発音するハンマーフェルトの
表面が入荷時点でボサボサな状態...(汗)
もし試弾したペトロフピアノが垢抜けない
音質ならば手入れ不十分の可能性あり。
 
工場から輸入した時点のコンディションは
個体によって様々、ヨーロッパ製ピアノは
あくまで素材として捉える必要があります。
 
その素材を洗練して「楽器」にするのが
専門店ピアノプレップの果たす役割です。
 
ヤスリを用いてハンマーフェルト表面を
ひとつずつ綺麗に整えていきます。
 
高音域はまとめて作業、こうした細かな
処置の有無が「音」に反映されます。
 
チューニングピンをクリーニング。
 
弦もクリーニングしてリセット。
 
鍵盤筬と棚板が適切に接触するように
ベッディングスクリューを再調整します。
 
鍵盤筬前部と棚板に浮きがないか確認。
 
バランスキーピンの前後を調整。
 
チョークで高さの凸凹をメモ。
 
アクションを外して鍵盤後部の部品
キャプスタンヘッドを磨きます。
右がビフォー、左がアフター
 
キーピンを1本ずつクリーニングします。
 
メモに基づき鍵盤高さを様々な厚さの
パンチング紙で調整していきます。
 
全体的に鍵盤が深かったために
厚めのパンチング紙を補充。
 
フロントキーピンの角度もチェック。
 
キーホールを地道にブラッシング、
小さな木屑を取り除きます。
 
鍵盤遊びを作ることで動きが滑らかに、
専用プライヤーで一鍵ずつ調整。
 
アクション&鍵盤を本体に収めて弦合わせ、
ハンマーと弦の当たりを精密に調整します。
 
弦合わせ後にサポート合わせを実施、
ハンマーフェルトもご覧の通り綺麗に。
 
ジャック、ウィペン、キャプスタンヘッドを
最適な位置におさめるべく微調整を。
 
シャンクローラーにはテフロン処理、
上質なアフタータッチに整えます。
 
ハンマーテール部とバックチェックの
かみ合わせを正しい位置に調整。
 
トリル&連打に関わるジャック前後を
ひとつずつ調整していきます。
 
ジャックの上下位置を指でなぞりながら
チェック、0.2mmの段差に整えます。
 
image
鍵盤高さが正確に均されているか確認。
 
鍵盤あがき、パンチング紙で深さ調整、
10mmとなるように抜き差しします。
 
LEDライトを照らしてハンマー接近調整、
1.5~3.0mmで整えることでデリケートな
ピアニッシモをコントロールできるように。
 
image
連打の性能に関わるドロップ調整。
 
白鍵のアフタータッチの感触をもとに
打弦距離(ストローク)を定めます。
 
そして黒鍵のアフタータッチをもとに
パンチング紙で黒鍵深さを整えます。
 
打弦時のハンマーストップ位置は弦から
15mmに、弾き心地がまとまります。
 
アクション最後の調整はスプリング、
リバウンドして弦を2度打ちしないよう
適度な強さにアジャスターで整えます。
 
アクション&鍵盤のプレップ完了!
 
A=443Hzで入念に調律を行います。
 
最後にヴォイシング、「整音」です。
まずハンマーフェルトの弾力性を整える
針刺し作業、ppp~fffの発音を可能に。
 
ソフトペダル使用時の整音も実施。
 
輪郭のある弱音を可能にする3弦合わせ、
3弦とハンマー先端が同時に接するように
作業が必要な個所にチョークでメモ。
 
ハンマー先端を専用ファイラーで削り
地道に調整、すべては音楽のため。
 
ダンパー動作、掛かり、ストップレールの
位置、ソステヌートの効きもチェック!


こうしてプレップアップが完了した楽器を
店主自らピアニストの目線でチェック...
朗らかで輪郭ある微弱音が表現可能に。
 
ピアノは調律、調整しておしまいではなく
ユーザーの気持ちで演奏して心地良いか、
その視点を常に忘れてはなりません。
 
PETROF P159Bora Black High Polish
こうしてペトロフ最小型GPが「楽器」に...
艶々しく歌うような音色と重厚な響き、
滑らかなタッチ感に整備しました♪
 
調整が不十分なまま量販されてしまい
それが日本での評価が割れる大きな
要因となっていたチェコ製PETROF。
 
ピアノを楽しむためにはプレップアップ
(精密調整)が必要であり、出荷前に
こうした手間と時間が大切である点を
皆様にご理解頂けましたら幸いです。
 
響板のロゴ、フレームも美しい仕上げ。
 
奥行159cmとは思えないほどの音響...
日本の住環境にふさわしい一台です。
 
ご興味のある方は白金台ショールームで
プレップアップされたチェコ共和国の名器
PETROFをぜひ体感してみてください!
 

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