ペトロフピアノを楽器に仕上げる工程、
プレップアップ作業が完了しました♪
店内は24時間ほぼ25℃をキープ...
温度湿度の安定した環境下において
プレップアップ(精密調整)を実施。
今回も例によって作業の様子をご紹介。
いつかお客様のもとへ旅立つ楽器だけに
きちんと情報公開するのがポリシーです。
今回は以前ピアノ工房で同僚だった友人の
技術者をサポートに、ヨーロッパ製ピアノを
プレップできる人材が足りないピアノ業界の
現状を心配しているピアノプレップ店主...
同じクオリティで作業をして下さる技術者が
少しでも増えたら...と切に願っています。
ベッディングスクリューをチェックした後
鍵盤筬が棚板から僅かに浮いていたため
接面をヤスリ掛けして微調整を行います。
作業机に移動、アクションと鍵盤を外して
キーピン&筬の清掃、スクリュー増し締め
メモに基づいて鍵盤の高さも調整します。
フロントのオーバルキーピンも調整。
キーホールの木屑をブラッシング。
鍵盤の力をアクションに伝達するための
キャプスタンのヘッドを綺麗に磨くことで
円滑なタッチ感を得られます。
鍵盤、アクションを組み上げてピアノ本体に
いったん収容、弦合わせをチェックした後
再び作業机の上でサポート合わせを実施。
鏡を使いながら最適なポジションに調整...
バックチェックの位置も正確に整えました。
そしてジャックの調整に移行します。
連打、トリル、繊細なpppを奏でるために
とても大切な調整、前後・上下の位置を
目と指で感じながら精密に整えます。
再びアクションをピアノ本体に収めてから
pppの表現に関わるハンマー接近調整。
88音ひとつずつLEDライトで照らして行う
作業は技術者にとって腰に堪えます...汗
調整の精度もひとつずつ厳しくチェック、
骨の折れる作業を有難うございました!
翌日は店主が引き継いで作業を再開。
ご覧の通り、高さが均されていることを
確認してから深さの調整に入ります。
あがき定規を用いて白鍵の深さ調整を、
パンチング紙で10mmに揃えていきます。
ドロップは接近位置から2mmの量、
これも連打性能に関わる工程です。
ハンマーストローク(打弦距離)の調整、
寸法はアフタータッチの感触に基づいて
設定、上品なタッチ感を作っていきます。
こうしてストロークを設定した後に
黒鍵の深さ調整、白鍵と同じように
アフタータッチを整えていきます。
深さ、ドロップが正確に整っていると
そろ~っと鍵盤を押し下げたときの
ハンマーのポジションもそろいます。
ハンマーストップは15mmに設定、
定規にしっかりと合っています。
アクション工程最後はスプリング調整。
連打性能、弾き心地にも関わる作業...
強すぎず、弱すぎず整備していきます。
ダンパー動作のタイミングを微調整。
ハンマーストップレールの微調整。
ソステヌートペダルが正常に機能している
状態をチェックして「整調」が完了です!
続けて調律...に移る前に「駒打ち」。
弦の振動が駒、響板に伝わるように
真鍮棒で1弦ずつ小突いていきます。
新品ということでA=443Hzに調律♪
音程を整える「調律」作業が完了!
最後に音質を整える「整音」へ...
先ずは芯を感じるハンマーフェルトに
針刺し作業、弾力性を整えます。
入荷当初は毛羽だっていたハンマー、
針の跡を処理すると同時にフェルトの
表面を滑らかにファイリングしました。
垢抜けなかった音色が艶やかに...
ソフトペダル使用時の整音も実施、
ピアノの「音のパレット」を増やします。
最後に3弦合わせを入念に行います。
3弦が同時に接しているかチェック後、
先に当たっている弦をチョークでメモ。
慎重かつ地道にファイラーでハンマーの
先端を微調整、音に輪郭が生まれます。
fffは強く打鍵すれば誰が弾いても同じ、
逆にpppは繊細なコントロールが奏者に
求められるもの、これまでに積み重ねた
工程の目的はまさにこのpppにあります。
3日間にわたるプレップアップが完了...
アクション&鍵盤の見栄えもすっきり♪
「良いピアノは内部も美しいものだよ」
ペトロフ社工場長の話を思い出します。
ご自身のピアノ、もしくは今後購入する
ご予定の皆様も機会がございましたら
ピアノ内部をチェックしてみましょう!
PETROF P159Bora Walnut High Polish
Discacciati Piano Bench Mod.105
朗らかながら艶をまとったペトロフGP、
コンパクトなサイズでも響きは豊潤...
都会暮らしにふさわしい一台です(^^)
優しい木のサウンドがお好きな皆様は
プレップアップしたチェコ製PETROFを
白金台ショールームでお試しください♪
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