今日は「成人の日」、新成人の皆様おめでとうございます!
成人式といえば「振袖」、実は着物姿の女性がペトロフピアノを奏でる屏風画があるのをご存知でしょうか?
《ピアノ》中村大三郎 1926年(大正15年) 京都市美術館所蔵
※写真はレプリカ
こちらはピアノプレップ店主が昨年12月に京都市内の元・明倫小学校(現・京都芸術センター)を訪ねたときの写真。
同校出身の大正期の日本画家・中村大三郎による美人画(モデルは奥様)、何とそこに1910年製のペトロフピアノが描かれています。
このペトロフ、1918年の明倫小学校創立50周年を機に、子供達に本格的な西洋音楽に触れて欲しいと地域の人々が寄贈したピアノと伝えられています。すでに100年前にペトロフが日本に輸入されていたことに驚きですね。
そして今もそのピアノは健在!一般募金による修復を経て、年2~3回ほどコンサートに使用されています。
この日は河合珠江さんがご出演、「第35回ペトロフピアノコンサート」が開催@京都芸術センター講堂
趣きのある元・明倫小学校の正門。
その昔は朝礼や合唱が行われていた講堂。現在は音楽会や演劇などが催されています。
2008年に修復されたペトロフピアノは、歳月が経った木材ならではの温かい響き、そして朗らかで歌うような音色...。これは今も昔も変わらないペトロフピアノ特有の美点です。
休憩中はペトロフピアノ&中村大三郎の日本画に来場者の眼は釘付け、ちなみに京都市とプラハ市は姉妹都市提携を結んでいます。
鍵盤蓋には創業者「ANT.PETROF」の文字
屏風画にも鮮明に描写されています。
譜面の音符まで詳細に描かれており、左頁にはR.シューマン「子供のためのアルバム」より‟小さなロマンス”、右頁には「子供の情景」より‟トロイメライ”。
子供達に贈られたペトロフピアノに対して、何とセンスのある粋な選曲でしょうか。
古きモノを活用する素晴らしさ、もし古くなっても再利用できる「価値あるモノ」を作ることの大切さ。
京都の人達に愛される一世紀前のペトロフと明倫小学校はそれを今も我々に示してくれます。ペトロフを新たに購入される方も、どうかお子様、お孫様の代まで受け継いで頂けると嬉しいです。
なお、こちらは当日のプログラム。
ペトロフピアノの個性を考慮して練られた曲目。(中にはトロイメライも...)その演奏、音色、響きを存分に愉しませて頂きました。
最後に皆様に重大なお知らせです。
プログラム左の挨拶文の通り、ご紹介した古き佳きペトロフピアノは今年2018年が来校100周年。それを記念して中村大三郎画伯の屏風画『ピアノ』の原寸大レプリカを製作するプロジェクトが始動しました。
一人でも多くの方々のご支援、ご協力をピアノプレップ店主からもお願いしたく存じます。
お問い合わせは 明倫ペトロフの会
お振り込みは
ゆうちょ口座 「ペトロフの会」 記号14470 番号33467371
奇しくも2018年はチェコスロヴァキアの建国100周年というメモリアルイヤー。同じ100年前の1918年にチェコ製ピアノが京都の小学校に納められたのも何かの縁かもしれません。
古今東西のペトロフが紡ぐ不思議な関係、今年は引き続きチェコと日本の交流にスポットを当てながら活動してまいります。
末筆ながら、京都芸術センター様および明倫ペトロフの会、明倫自治連合会の皆様、取材のご協力に改めて御礼申し上げます。