高層マンションの一室に納めたP118P1
ウォルナット艶消の外装&ピアノ椅子の
空色のベルベットシート、オーナー様は
ペトロフの音色&響きはもちろんのこと
インテリア性の高さもお気に入りです^^
PETROF P118P1 Walnut Satin Finish
Discacciati Piano Bench Mod.105
納品後にA=438Hzまで低下したピッチを
442Hzまで念入りに調律。電子ピアノとの
違いをお客様も改めて実感されたご様子。
鍵盤高さ&深さをパンチング紙で微調整、
プレップアップを丹念に実施しているため
手直しする程度で再び綺麗に整います。
アクションの状態、音質を点検して終了!
ナイトーンを取り付けたことで仕事を終えた
夜間でも練習が可能になりました。
ドビュッシー「月の光」
ショパン・バラード4番
カプースチン 演奏会用エチュード「夢」
エヴァンス「ワルツ・フォー・デビー」など
次々と色々な曲で試奏されるオーナー様…
クラシックも、ジャズも、この楽器の音色に
よく合う!とご満足頂けて何よりです♪
さらに午後は新規のメンテナンスに訪問。
8年前に他店でペトロフ猫脚GPを購入した
ユーザー様から調整をご依頼、今回特別に
お引き受けしたものの気になるのは楽器の
コンディション、はたして状態は…?
地下室に案内されてペトロフGPとご対面、
この頃、現行P173は「PⅣ」という呼称。
調律の狂いはこのような感じ…
ハンマーの針刺し整音も必要です。
チューニングピンの汚れが気になって
まずは新品同様にクリーニング作業。
(左がビフォー、右がアフター)
音の止まりが悪いのでダンパーをチェック、
通常ならフェルトに3本の弦跡が付くはずが
ご覧通り2本、端の弦は辛うじてフェルトに
触れているだけ、これは調整が厄介…汗
止音不良のダンパーをひとつずつ取り外し、
ポジション、角度を根気よく地道に修正。
本来なら出荷する販売店が責任もって行う
作業内容、このように整備不十分なままで
ご使用頂いていたのは残念でなりません。
打鍵時にダンパーがジャンプして鍵盤上の
指先にも落下の衝撃がコトコト伝わるため
ダンパーストップレールを適正に調整。
お客様が作曲を勉強されていると聞いて、
利かなくなっていたソステヌートを調整。
汚れていたダンパー表面も綺麗に掃除。
アクション&鍵盤を戻して棚板調整。
ハンマーストロークなどバラツキを
ざっと修正した後、A=442Hzで調律。
弦跡が刻まれているため、弦合わせは
現状のままで「針刺し整音」を実施…
音質の凸凹を一定レベルまで均します。
PETROF PⅣ Demichippendale
Discacciati Piano Bench Mod.107
調律の狂い、止音不良、音質のムラなど
今回は精密調整を行う以前に、ひとまず
問題なくピアノを使用するために必要な
作業を優先、お客様にはポテンシャルが
まだ残されていることもお伝えしました。
プレップアップ無しに販売されることが
多かったのが過去のPETROFの問題点。
その音色、響きが高く評価されながらも
日本での人気が定着しない大きな要因と
なっていたのは想像に難くありません。
新品、中古品、欧米製、日本製...
どんなピアノでも快適に楽しむためには
プレップアップ(精密調整)と納品後の
メンテナンスが大切であるということ。
今回の記事を読まれた方々にはその点が
よくご理解頂けたのではないでしょうか。
チェコ共和国の名器ペトロフを通じて、
ピアノ本来の愉しみを日本の皆様へ。
引き続き応援して頂けると嬉しいです!