ペトロフGP&UPの問い合わせが増えて

喜ばしくも調整に追われる今日この頃...

それに応えて精密調整を実践してくれる

ピアノ技術者の仲間も募っています。

 

接客対応とプレップ漬けだった3日間、

初日は入荷したばかりのP173Breezeで

ペトロフの特徴とプレップアップ作業を

説明しながら作業を実施しました。

 

ハンマーの走り、ねじれを修正して貰い、

弦合わせを行った後にハンマーを整形。

 

高音域のハンマーフェルトも表面と形を

きれいに整えていきます。

 

工場から出荷した状態の欧米製ピアノは

「半製品」、ひとつひとつの音とタッチ感を

あらためて「楽器」に作り込んでいきます。

 

アクションを外す前に鍵盤高さチェック。

 

アクションに力を伝えるキャプスタン、

接点を綺麗にクリーニングします。

(左がアフター、右がビフォー)

 

キーピン合計176本を掃除します。

全ては滑らかな弾き心地のため。

 

フロントキーピンの角度も修正。

 

メモに基づいて鍵盤高さを修正。

 

鍵盤木部のキーホールをブラシで掃除、

残っている木屑をクリーニングします。

 

88鍵の遊びを順に調整、すっきりとした

動作に仕上げていきます。

 

アクションを装着して、再びピアノ本体へ。

鍵盤の高さがきれいに整いました!

 

ハンマーと弦の合わせを再度チェック。

 

再び本体からアクションを外に出して

レペティションレバーをひとつひとつ、

シャンクローラーと正確に合わせます。

 

ローラー、小ジャック、キャプスタンの

3点が最適となるよう調整していきます。

 

鍵盤後部のバックチェックの角度、

間隔をプライヤーで調整。

 

同時にバックチェックの角度も修正。

 

シャンクローラーにはテフロン処理。

 

ジャックとローラーの関係をチェック、

まずはジャック前後の位置から。

 

次は上下、トリルや連打の入りやすさに

ジャック調整は関わってきます。

 

パンチング紙を用いて鍵盤の深さを

10mmに、まずは白鍵のみ実施。

 

ここでいったんA=442Hzで調律を。

 

日が変わってハンマー接近調整から...

繊細なpppが鳴らせるようにハンマーの

接近距離をひとつひとつ緻密に整えます。

 

接近が定まったら順にドロップ調整。

 

弦からハンマーまでのストローク。

白鍵のアフタータッチの感触をもとに

適切なポジションに基準をとります。

 

そしてここで黒鍵の深さを調整...

88鍵のアフタータッチが整いました。

 

ハンマーストップ調整、弦から15mm。

 

アクション最後の調整はスプリング、

ハンマーがリバウンドしないように、

強すぎる箇所をおとしていきます。

 

ダイナーミックレンジを揃えるために

ハンマーフェルトに針刺し作業...

音を整える「整音」に取り掛かります。

 

ソフト(シフト)ペダル使用時の整音も。

 

そして「3弦合わせ」、ハンマーと弦の

接点を確認しながらチョークでメモ。

 

丹念に、かつ慎重に、ハンマーフェルトの

先端を処理、音質を精錬していきます。

 

最後にあらためて調律を実施して...

 

ダンパーの調整をチェックし終えたら

ひとまずこれでプレップアップ完了!

 

PETROF P173Breeze Walnut High Polish

ソフト&凛としたサウンド、森を感じさせる

深さと奥行のある響きをお試しください!

 

美しいウォルナットを堪能できる1台、

皆様の試奏をお待ちしています!

 

その他の展示品が気になる方は下記

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