PETROF 159 Bora Black High Polish
9,000km超の空の旅を経て到着しました🛬
昨秋移転した恵比寿の新ショールームは文字通りガラス張り、時おり外の通行人が足をとめたり興味深く店内を覗く方も…。弊社はリアルでもオフラインでもピアノの面白さ、奥深さをお伝えしています。
これまでも一台のピアノが「製品」から「楽器」になるまでの過程をインターネットで公開してきました。
様々なピアニストやユーザーとの交流や意見の交換は弊社にとって唯一無二の財産。この12年間で蓄積された技術サービスはお客様のピアノにも反映されています。これもまた専門店ならではの特筆すべきサービス。
それでは今回も一台のチェコ製ピアノが楽器に仕上がるプロセスをどうぞご覧ください♪
まずは弦、チューニングピンを綺麗にクリーニング✨
内部のデザインも塗装も美しいのがペトロフGPの特徴
そしてアクション&鍵盤の精密調整に取り掛かります
バランスキーピンの前後位置を細かく修正
鍵盤筬が棚板に接地するようにベッティングスクリューを調整
鍵盤筬前部が僅かに浮いていたのでヤスリ掛け
棚板と隙間がないよう微調整、打鍵時のロスをなくします
鍵盤の高さを均し定規で確認&チョークでメモします
後ほどパンチング紙で高さを調整する際に役立てます
アクション&鍵盤をピアノ本体から出して一度分解します
アクションを外して鍵盤セクションの調整に入ります
打鍵時の力をアクションに伝える鍵盤後部のキャプスタンスクリュー
接点を研磨して円滑な弾き心地に、左がビフォー右がアフター
88の鍵盤を全て外して鍵盤筬など土台から点検整備
鍵盤の動作をガイドするキーピンをすべてクリーニング✨
摩擦抵抗を減らすことでスムーズな弾き心地を作ります
先程のメモをもとに鍵盤の高さをパンチング紙で調整
最薄は0.02mm、僅かな凸凹も精密に均していきます
こちらは鍵盤の深さを調整するフロントパンチング紙
後々に整備する調律師の作業も考えて規格を揃えています
摩擦抵抗を軽減すべくフロントキーピンの角度も細かく修正
キーホールに残っている木屑をブラシで掃除して鍵盤をセット
鍵盤の遊びを専用プライヤーで調整、弾き心地をすっきりと
アクション&鍵盤をセット、一枚板のように白鍵が均されています
続いてアクションの調整、まずはハンマーと弦の合わせ作業
専用工具を用いながら弦との接点を適切な位置に揃えます
ハンマーの進行方向、角度をのり紙やアルコールランプで調整
弦合わせを終えたハンマーフェルト。等間隔に整っています
ハンマーフェルト腹部のごわつきは本社工場で整音をした跡、
プレップアップの作業工程ヴォイシングで綺麗に整形します
翌日にプレップアップ再開、再び弦合わせをチェックした後...
アクション&鍵盤をピアノ本体から出して精密調整を実施
ハンマー下のレペティションレバーを適切なポジションに調整
英語の意味通りグランドピアノの連打をコントロールします
先の弦合わせ同様に必要に応じてのり紙を貼って微調整
コンサートホールのピアノでも使用されるテフロンパウダー
ローラースキンに塗りこめて上質なアフタータッチを作ります
打弦後のハンマーをくわえるバックチェックの角度を調整
ハンマーをバックチェックがくわえるポジションを適切に調整
トリルや連打に関わるジャックの調整、まずは前後位置から
指で触れながらレペティションレバーから0.2mm低く調整します
ハンマー接近調整。トリル、連打、美しい弱音に関わります
LEDライトで照射しながらひとつずつ0.5mm単位で精密調整
ハンマー接近調整後にハンマードロップ(戻り)を2mmで調整
鍵盤深さは10mm、専用定規で測りながらパンチング紙で調整
白鍵のアフタータッチをもとにハンマーの打弦距離を調整
黒鍵は白鍵のアフタータッチと同じ感触を作って深さを調整
打弦後にハンマーをくわえる位置をバックチェックで調整
弦から15mmの位置にセット、弾き心地に一体感が生まれます
アクション調整の最後は連打に関わるスプリング調整
強過ぎず、弱すぎず、ひとつずつ地道に整えていきます
音を止める装置ダンパーセクションの機能をチェック&調整
動作のみならず止音のタイミングまで音楽的に揃えています
整調を終えたら調律、一弦ずつ真鍮棒で「駒打ち」を実施
弦の振動が響板に余すところなく伝わるように密着させます
A=443Hzで調律、空輸のお陰でピッチは安定していました
ピアノに楽器としての息吹を吹き込むヴォイシング(整音)
硬質な音にはハンマーに針刺し、フェルトの弾力性を整えます
針刺し整音を実施したらハンマーフェルト表面を綺麗に整形
針の痕跡を処理すると同時に各音に艶っぽさが宿ります✨
左がビフォー、右がアフター。音だけではなく見た目も美しく
高音域はまとめて整形、本社工場で針を入れた跡も処理
ハンマーフェルトを整形した後に用意したのはカーボン紙
これもスタインウェイのプレップアップで使用していた方法
弦に黒鉛を転写させることでハンマー先端に弦跡がくっきり
各々同じ位置に記されているのは適切に調整されている証
ソフトペダル使用時の整音。弦跡の間に浅く針を入れて調整
各弦とハンマー先端が同時に接するように「三弦合わせ」
音質が揃うだけではなく輪郭のあるピアニッシモが可能に
ヴォイシングが不十分であると「画竜点睛を欠く」状態
料理の味付けと同じく調律師のセンスが問われる工程です
音、弾き心地、機能も見た目もご覧通り美しく仕上がりました✨
もちろん最後はピアノプレップ店主自身で客観的にチェック...
こうして数日間にわたるプレップアップがようやく完了
また一台チェコ製ピアノが「歌うような楽器」に整いました
PETROF P159 Bora Black High Polish
Discacciati Piano Bench Mod.810
出荷前にまた改めてチェックを実施。こうしたきめ細かなプレップアップやその後のメンテナンス(維持管理)の有無がピアノの価値や魅力に大きく影響する事実。これから新品を購入される方やピアノユーザーの皆様にも心に留めて頂けると嬉しいです♪
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