令和5年5月7日、圓通寺さんで本堂落慶式が執り行われました。
その時の様子はコチラ↓
それとは別に、特別に内部を拝見させて頂きましたので、新本堂の内部と秘仏・馬頭観世音菩薩と脇侍などをご紹介致します♪
圓通寺の御本尊・馬頭観世音菩薩は秘仏のため、通常は厨子の前に御前立本尊が安置されていますが、現在は御開帳期間のため、御前立はありません。
こちらが大府市指定文化財、平安時代作、高さ2mの馬頭観世音菩薩です。
御開帳期間のみ、印を結んだ手に善の綱が引かれます。
倒れないように、上からも固定されています。
御本尊の左右には花形の枠があり、右側には、土地神・伽藍神の大権修利菩薩が安置されています。
左側には、日本の禅宗に大きな影響を与えた菩提達磨大和尚が安置されています。
馬頭観音は今までは観音堂に安置されていて、脇侍が安置されていましたが、新本堂では脇侍は別室に安置されています。
そちらも拝観いたしました。
こちらは大府市指定文化財の不動明王立像です。
南北朝時代 高さ80cm、スギ材 寄木造り
こちらは愛知県指定文化財の毘沙門天立像。
鎌倉時代、高さ87.2cm、ヒノキ材 寄木造り
この部屋には、御本尊の写真が貼ってありました。
そして、圓通寺にはもう一体、客殿に秘仏の御本尊があります。
客殿の秘仏も大府市指定文化財、子安准胝観世音菩薩で、平安時代のものです。
そしてこちらが江戸時代の御前立本尊になりますが、秘仏が立像なのに対し、こちらは坐像となっています↓
ポーズは如意輪観音に近いですが、お腹に子どもの姿が見えます。
圓通寺近くには、大府市で最も古い子安神社がありますが、かつては圓通寺と神仏習合の関係にありました。
どちらも安産祈願・子育て祈願にご利益があります。
では、新本堂の内部を拝見致しましょう。
まず欅丸柱にご注目。
国産の欅を使用した丸柱の太さは1尺2寸(36cm)。
美しい丸柱に加工するには、時間も技術も必要となります。
そして社寺建築における梁の一種である虹梁(こうりょう)も、一本の欅を丸々使用し、彫刻が施されています。
こちらの高低差を結ぶために湾曲した虹梁は海老虹梁といい、唐様建築に用いられるものです↓
天井は、折上格天井。
中央部が一段高くなった作りで、格式の高さを表しています。
ピカピカの天蓋も美しいですね~。
右側には道元禅師観月像の掛軸が。
左側には、小さな仏像が安置されています。
弘法大師像の隣には、八臂弁財天。
そして、その隣には昔のご住職が乗り物として使用していた御駕籠。
損傷が激しい状態でしたが、本堂再機に機に新品同様に修復されました。
障子や畳があり、美しい装飾が施され、移動する小さな部屋のようですね~。
小さいので、私は乗れないかもしれない…
そして、本堂と観音堂を結ぶ太鼓橋も再建されました。
ちょっと、渡らせてもらいました♪
観音堂裏は、墓地になっています。
表から裏の墓地へ行くのに、遠回りしなくても良いように橋を湾曲させて、橋の下を人が通れるようにしたとのこと。
そのような理由で太鼓橋になっていたとは知りませんでした。
こちらは、知多四国八十八番満願霊場となる観音堂です。
トイレの神様がいらっしゃいますよ~。
この度は大変貴重なものを拝観させて頂きまして、ありがとうございました
今回は、圓通寺さんの新本堂には、社寺仏閣の建築技術がたくさん詰まっていたの発見でした。
【瑞木山 圓通寺】
愛知県大府市共和町小仏67/0562-46-1736
※駐車場あり