■「ピアノで、何がしたい？」
「ミスタッチがなく、間違わない
いわゆる音を外さない演奏は
とても素晴らしいと思います」
「理由は努力のあとが
きっちり感じられるからです」
「でも、そこに囚われすぎると
まったくといっていいほど
魅力のない演奏になりがちです」
「魅力のない演奏とは
単なる音の羅列なだけで
心に響かないものです」
「どうか今一度
音楽を、ピアノを通して
あなたが何を表現したいのかを
考えてさらに努力を続けてください」
その昔…
わが子が小さかった頃に
出場したコンクールで
審査員の先生のおひとりが
参加者全員へ向けて
話された言葉です
少し前まで
「絶対に間違わない」
「音は外さない」
「テンポは狂わない」
とにかく完璧な演奏がすべて！！
という風潮があった気がします
だからこの先生の発言には
「おおお…！すごい…！」
少し驚いたことを覚えています
確かにここ数年で
審査員の先生方の講評に
少し変化があるように思います
ミスのない演奏はとても
素晴らしいものだと思います
だって…
そう簡単にできるものじゃ
ありませんから…
ましてや
まだまだ舞台経験の浅い
子どもたちならなおさらのこと
その努力には本当に感心します
でも…
舞台から聴こえてくる
「ロボットみたい…」と思うほど
温度が感じられない演奏が
次々に続いていく中、
音を外しても、つまずいても
最後まで自分の表現を貫き
キラリと何か光る演奏をする
子どもがいることに
ホッとしたことを思い出します
とても人間らしい血の通った
温度感のある演奏にふれて
心が動きました
「かんぺきにしないと
おこられるねん」
と尋ねてきた生徒ちゃん
よくよく話を聞いてみると
学校で先生が
「何事もきっちり！完璧に！」
とお話しをされていたそう
なんですってーーー！
そりゃ、完璧も大切ですけど
言葉が足りなさすぎませんか？
「かんぺきじゃないとダメ」
そんな極端なこと…
まだ小さい子どもは勘違いします
「だから、ぴあのも
かんぺきじゃないとダメ？」
だからかぁ…
まだスラスラ弾けない時は
どこか恐る恐る音を出すのは…
ゆっくりと生徒ちゃんへ
話しました
「あのね、
がんばることは大切だけど
ここレッスン室は
間違えてもいい場所だよ」
「それより〇〇ちゃんが
どんな音を出したいかを
よぉぉぉく考えて弾いてごらん」
と言うと、
パーッと表情が明るくなります
「間違ったら、ダメーーー！」
「完璧じゃないと意味なーーし！」
という概念が子どもの中に
育ってしまっているなら
何だか悲しいなあと思いました
間違うこと、音を外すことは
決して恥ずかしいことでは
ありません
繰り返しますが
「間違わない演奏」にする
その努力は素晴らしいです
でもそれだけの演奏には
してほしくありません
ピアノレッスンで
子どもたちが学ぶことは
「うまい演奏」を
することだけではありません
自分の想いが
音を通して表現できた時、
人へ伝えられた時の
達成感や充実感を
しっかり味わってほしいのです
そんなことを大切にして
レッスンをしています
「コンクールで優秀な成績を！！」
「人の演奏なんてどうでもいい」
「うちの子さえうまく弾けたらいい！」
「とにかく有名に！」
そんな考えの保護者さまや
子どもたちにとっては
私の指導は
「はぁ？甘すぎでしょ」
「やさしすぎ」「ゆるい」と
感じられることでしょう
でも
「子どもが触れる音楽に
優劣や勝負は求めていない」
「もっと素直に音楽を楽しんで」
そう考えていらっしゃる
保護者さまや子どもたちも
たっくさんいるはず…
時には厳しい指導だって
必要な場面もあります
でも、音楽を始めることに
大きなハードルは感じないで
ほしいのです
音楽を心から楽しんでほしい…
ピアノをお友だちのように
感じていてほしい…
そんな想いで指導をしています
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
レッスン前後の
手指消毒やマスクの着用、
室内の換気などを
気をつけて行っています
約22畳のレッスン室は
充分にお互いの距離を
取れる広さで換気がよく、
コロナ対策に存分な配慮の中
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当教室のレッスン日は
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