小川糸
いちばん最初に出会ったのは
「食堂かたつむり」だった。
恋人に全財産持ち逃げされ失語症になった主人公が
故郷に戻り食堂を開店し、最後「おいしい」って
言葉を発した、ってハナシだったよーなー‥‥
お気に入り「ツバキ文具店」も。
7つの短編からなる。
第一話
バーバのかき氷
「あつあつを」なのに一話目が「かき氷」。なにゆえ?
「あつあつを」は「出来立て」ってことだろうけど、
ワタシ的にはしっくりしない。
作品を並べる順番も吟味の上でしょうが、
つまらない点に引っかかってしまう自分の性分が恨めしい。
第四話
こーちゃんのおみそ汁
第五話
いとしのハートコロリット
は泣けそうだった。
現在ココロの状況が「泣く」のギアに入らない。
思いっきり泣きたいのに泣けない。
まっそのうち泣ける日もくるでしょう。
第七話
季節はずれのきりたんぽ
暮れに亡くなった父の四十九日に
好物だったきりたんぽを母娘で作って供えるって展開。
食べ物を美味しそうに表現するのが上手なのに、
「食堂かたつむり」が存在するなら行ってみたい
って思うくらい。
なのに衝撃の表現。「それは雑巾を絞ったような味だった」
きりたんぽのご飯の潰し方加減、出汁の取り方、一緒に入れる野菜の順番
それらを丁寧に説明し、さも美味しそうな鍋が出来上がるのかと
期待が膨らんでいるところへ「雑巾」だ。
絶対的に口にしたくない。
給食のプロセスチーズが嫌いだった。
石鹸をかじったような感触だったから。
石鹸、かじったことなんかなかったけど。
比喩表現って偉大だね。
なぜ「雑巾」味になったのか、
闘病中に免疫力アップを期待して飲んだ薬草茶を
醤油と間違えて入れてしまった というオチ。
好物のきりたんぽを自分抜きで と嫉妬した
亡父の悪戯だ と語り合う母娘。
この作品を最後に置いたのは頷ける。
第六話
ポルクの晩餐
物語だから何でもアリだけど
ちょっと‥‥
ブタと同棲する(って状況が既にわからんが)男が
世を儚んでパリで心中しようとブタと旅立つ。
さっぱりわからん。
比喩表現は偉大だけど、その領域を超越しちゃってるね。
食堂かたつむりでもブタは出てきた。
家畜というよりペットかな。エルメスって名前だった。
あの高級ブランドの名前から ではなく
Lサイズの♀ブタだからが命名の由来。
ブタ 好きなのかな?小川糸。
エルメスは主人公の母親の結婚パーティーで
食材となったが、
ポルクはパリで美味しいものを食べている。
「心中」はどこに行った?の体で。
学術的に理解を深める必要はない。
短編集だから気に入った作品だけ
読めばいいや。