前回の「終止形を見つけよう①」を読み直して、少し説明不足だったことがあり、補足の説明です。
前回、↓の終止形の和音を見つけようとのことで、ブルグミュラーの3曲から終止形の説明をしました。
ソシファ →ドミ シファソ→ドミソ
左側の和音の補足説明
左側の和音のもとの和音はソから一つ飛ばしに4音を重ねたものです。
4音全部一つ飛ばしに重ねた和音なので、
全部
線の上にくし刺しになった線の音符 か
線と線の間にはさまった間の音符
という見た目の特徴があります。
前回少し説明しましたが、
ソシレファ ソシファ ソレファ ソファ
ソシレファの4音のうち、音を省略して、3音使ったり、2音使ったりすることがあります。
なので、前回説明不足でしたが、ブルグミュラーのすなおな心の2段目の3小節目も
レファ#ラドのラを省略したレファ#ドの和音です。
前回2段目の3小節からト長調(ソ)に転調しましたと説明したのですが、もしこの後ト長調が続くのだったら、調が変わったことになるので転調したというのですが、次の小節でハ長調にもどっているので、転調したのではなく、他の調から和音を借りてきた借用和音を使ったという方が正かったので訂正致します。
整理すると、
曲の途中で他の調の終止形が出てきて、そのあとその調が続く場合⇒転調したと言う。
曲の途中で他の調の終止形が出てきたが、次にすぐもとの調にもどったり、他の調の終止形が使われている場合⇒その和音を借用和音と言う。
今日、生徒さんのレッスンでベートーヴェンのピアノソナタ 悲愴の1楽章をやったのですが、この終止形の和音がたくさん使われているので、説明したいと思います。
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番 悲愴 1楽章
Ⅰの和音 水色
Ⅴの和音 ピンク
このページはⅠの和音とⅤの和音ばかりですね
↑↑↑の楽譜は2分ぐらいのところです。是非楽譜を見ながら聴いてみてください。
2段目
1段目からこの和音が使われていて変ホ短調に転調しています。
(変とは日本語で♭フラットのこと)
3段目
3段目で変ニ長調に転調しています。
5段目
4段目の5小節目でまた変ホ短調のⅤの和音が出てきて、5段目で変ホ短調の1の和音が出てきましたがすぐに2小節目でヘ短調のⅤの和音⇒5小節目でⅠが出てきますが、またすぐにハ短調の和音が出てくるので、ここでは、転調とは言わず、それぞれ借用和音が使われたということになります。
このように目まぐるしく、いろんな調の終止形の和音が出てくるのですが、明るい響きになったと思ったら、またすぐに暗い響きになったりして、どういう展開になるのか???と聴いているとどきどきしませんか?
感情が揺さぶられて、いろいろな気持ちになります。
すごい曲だなとつくづく思います
悲愴はフラットも多くとても難しい曲なので、初級者には???という感じかもしれませんが、
ピアノを続けていくうちにいろいろなことがつながって、納得できたり、より理解が深まっていきますので、なんとなく頭の片隅に入れておいて、とにかくベートーヴェン 悲愴はすごい曲なので、ぜひ味わって聴いてみてください。
大人のピアノレッスン 🌞ル ソレイユ🌞 南陽子でした。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。