私は以前作曲活動をしていました。
作曲といっても、ピアノやオーケストラ用の楽曲ではなく、音楽事務所から紹介していただいていたコンペがアイドルグループの楽曲や声優さんが歌うアニメのキャラクターソングなどの楽曲だったので、歌用の曲です。
コンペに提出するデモ音源はメロディーを考えるだけでなく、ドラムやベースやギターやピアノやシンセなどのオケを編曲して仮歌を録音します。コンペには有名な作家さんも参加することも多く、デモ音源といはいえかなりクオリティーの高いものを作らなければいけないので、私にとってメロディーを考えるより編曲のほうが難しい作業でした。
仮歌の録音のときに仮詩も作るのですが、私は作曲や編曲はできても、作詞が苦手です。
作詩家さんが作るような詩を考えることはとてもできません。(このブログも気の利いた面白いことは書けず、音楽職人的なものになっているような~)
なので、デモ音源を作る時は、仮詩と仮歌を同じ事務所の人にお願いしたりしていました。
コンペは競争が厳しいのでなかなか採用になることはなかったですが、ごくまれに採用になった曲は、デモ音源のときの仮詩がそのまま使われることもありますが、あらためて、作詞コンペがあり、別の詩になることもありました。
それでわかったのですが、
詩が変わるとがらりと曲の雰囲気が変わります。
さらに、
歌う人の声質でかなり曲の雰囲気が変わります。
楽しいとか悲しいとか、いろいろなイメージからメロディーが思い浮かぶのですが、
メロディーに詩が入ると、
より具体的なテーマやイメージが生まれ、
歌が入ると、
歌う人の気持ちや息遣いが加わり、
その歌に生命が宿っていくのです。
楽曲を制作することで、詩と歌の力はすごいのだと実感し、クラシックのピアノを弾くことでは味わえない別の素敵な経験をさせていただきました。
今、世の中で起こっている出来事をニュースで見ていて、思い出した曲があります。
2010年にPS2とニンテンドーDSのゲーム『ストライクウィッチーズ』のサウンドトラックCDのボーナス・トラックとして作られた戦時下の恋路を歌った内容の曲です。
次の写真はそのCDに付録の冊子のその曲のページです。
普通の歌はAメロ・Bメロ・サビという構成が多く、私もほとんどの曲はAメロ・Bメロ・サビという構成で作っていましたが、この曲は発注側からの要望で短い尺で作った珍しい曲です。
編曲もシンプルなピアノのみという要望で、私がピアノを弾いています。
詩が見にくいので、よかったら聴いてみてください。
今回、久しぶりにこの曲を思い出して、どのようなCDだったのか確認してみてすごく驚いたのですが、10年以上前にサウンドトラックCDのボーナストラックとして作られたものが、アニメ『ストライクウィッチーズ』北米版DVDの挿入歌として流れたり、2020年TVアニメ『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』の9話で挿入歌としても使用されたりしたようです。陰に隠れていたマイナーな曲が一躍表舞台に出たようなもので、とても珍しいことのようです。まったく知らなかったので本当にびっくりしましたが、こういうことは教えてもらえないものなのですね(苦笑)
願いの灯とは (ネガイノトモシビとは) [単語記事] - ニコニコ大百科 (nicovideo.jp)
『ストライクウィッチーズ』の内容をイメージして作った曲ですが、
詩の内容が今世の中で起こっていることとリンクして、
心が痛み、涙が出そうになります。
アニメの中で、
戦争ということが表現されることがあっても
現実の世の中で、
どんな理由であっても
何の罪もない人々の生活が奪われ、命が奪われるということがあってはなりません。
ウクライナの人々の願いだけではなく、世界中の人々の平和への願いが届き、
一刻も早く平和が戻り、心安らぐ日常を送れるようになることを心からお祈りします。
大人のピアノレッスン 🌞ル ソレイユ🌞 南陽子でした。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。