ふとショパンのエチュードOp.10-6が弾きたくなる時があります。
この曲を本当に心から『なんて美しいのだろう』と思えたのは和声の勉強を始めてからでした。
輝かしい光を放つような長調のエチュードや情熱的なエチュードももちろん好きですが、子どもの頃からこの曲と、Op.25-5の中間部や同じくOp.25-7がとても好きでした。
その理由が曲の中にあるハーモニーだったんだなぁと感じています。
今日も10-6を弾きながら、ハーモニーの中にある心情の変化をピアノの音色で探っていきました。
しっくりこないところがあって、思うような響きにならない。
音色がしっくり来るとどこまでも深くのめり込んでいくような感覚になります。
心が痛くなるような悲痛のハーモニーが、少しずつ心や日常にある様々なことも一緒に包み込んでくれる気がします。
注:病んでいるわけではありません
最後の1音に涙が出ます。
浄化された。
救われた。
そんな気持ちになります。
これは普通に鑑賞するだけでは得られなかった涙かもしれません。実際に自分でこの音楽を弾いたからこそ、最後の1音に涙出来たのだと思います。