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2月は一度もブログを更新できず放置状態…
今日こそは書けたらと思ってます。
昨日は三井住友海上しらかわホールへ、阪田知樹さんのピアノリサイタルを聴きに行ってきました。
一昨年くらいに三井住友海上しらかわホールが2024年2月29日をもって閉館するということを知りました。
かなりショックでした。
ピアノリサイタルにちょうどよい座席数と規模のしらかわホール。
木がふんだんに使われた素敵な内装で、座席間隔はゆったりとしていて椅子の座り心地もとても良い。
何より音響がとても良くてピアノリサイタルでもオーケストラでも素晴らしい音で聴ける大好きなホールなのです。
しらかわホールには数え切れないほどクラシックコンサートを聴きに来ました。
名古屋でクラシック専門のホールというと愛知県芸術劇場コンサートホールと、あとは小規模のいくつかのホールしかないので、ここがなくなってしまったらクラシックを聴ける機会がかなり減ってしまいそうだなあ…ととても心配になります。
昨日2/29の阪田知樹さんのピアノリサイタルが、本当にしらかわホール最後のコンサートになってしまいました。
そんな寂しい気持ちを胸にお聴きした阪田知樹さんの演奏…
本当に素晴らしかったです
プログラム
ベリオの水のクラヴィーア
寂しいメロディが心に沁みました。
音が水滴みたいに光ってポツンポツンと落ちるよう。
ショパンの24の前奏曲
実は今前奏曲の数曲を練習中の私。
練習している曲を阪田さんの演奏で聴けるのでとても楽しみにしていました。
性格がまったく違う24の短い曲。
一曲一曲で雰囲気がガラリと変わります。
阪田さんの奏でるピアノの音は本当に美しくて惹き込まれました。
後半はシューマンのクライスレリアーナとバルトークの「戸外にて」
今回の演奏会は「ショパンを巡って」という3回シリーズの最終回でした。
ショパンと関連づけられたテーマは「連作」。
それぞれの作曲家が何かの意図があって作曲した連作。
シューマンはやはりクララに対する想いや愛が感じられます。
バルトークは打楽器的なリズムや民族舞踊風な曲があったり神秘的な音色が耳に残りました。
阪田さんの演奏を初めて聴いたのは6、7年くらい前かと思いますが、最近の演奏を聴いて凄く変わってきたなあと感じてます。
阪田さんの演奏の特徴というと音楽のなかの感情とか情熱は凄くあるけれど、それを表にわあっとは出さないところ…全体的に理性が勝ってる感じでしょうか?
ピアノの音色は結構ストレートで強く、どちらかというと音色というより響きが通る音…というイメージがありました。
けれど最近は音楽の中の想いとか情熱が凄く溢れて伝わってくるし、とくに音色の扱い方がとても繊細になってフワァっとした背景の中に浮き立つ遠くまでハッキリと通る音…
それが以前よりさらにさらに美しくなったのです!
ピアノのあらゆる音色を引き出して、どんなふうにも音を扱えるようになった…そんなふうに思います。
でもやっぱり知的な品の良さは変わらずさらに磨きがかかって、聴きに来たい価値ある演奏、価値ある音!とつくづく思いました。
阪田さんは演奏会の数を物凄くたくさんこなしていらっしゃいますよね。
ご自分のリサイタルやコンチェルトの数も多いし、他のいろんな楽器の演奏家さんたちとの共演も数多い。
去年は一日でリストやラフマニノフのコンチェルト全曲演奏するという偉業を成し遂げられたし。
たくさんの演奏や共演でいろんなことを吸収されたことが、演奏や音色が変わってきた理由なのかな…なんて、勝手に想像しています。
とにかく、今回のしらかわホールの最後を飾るのにふさわしい本当に素晴らしい演奏でした!
アンコールも3曲。
阪田さんも今までのここでの演奏を思い出しながら弾いていたのかな…
最後のアンコール曲は阪田さん編曲のラフマニノフ「ここは素晴らしいところ」でした。
聴きながら、本当にここは素晴らしいところだったなあ!
ホールに感謝したい気持ち、ピアノに感謝したい気持ちになりました!
コンサートが終わってホールが明るくなっても、観客の皆さんホール全体を写真に納めたりホールを立ち去るのが名残惜しそうでした。
ホールを含むビル全体が売却されるそうだけど、もしかして、またここで演奏を聴ける時が来るといいなと願いながらホールを後にしました。
スタッフの皆さんお疲れ様でした。
ホールとスタインウェイのピアノ…
本当にたくさんの素敵な思い出をありがとう!
お疲れ様でした。