藤田真央 plays 風間塵♪ | piano*演奏会*庭の花

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ブログを書くのがだいぶ間が空いたような?

9月になってしまいました。

それほど忙しかったというわけでもないのですが、ブログ書くより仕事ちょこっとと、ピアノ練習そこそこ…優先してたってことでしょうか…ニコニコあせる
 
今日は書きたいことがあったのでビックリマーク
 
こちらでございます。
 
 
10月に公開になる映画『蜜蜂と遠雷』で、劇中の4人のコンクール出場者の演奏を日本の若手ピアニスト4人が担当し、その演奏を収めた4枚のアルバムが昨日発売になりました。
 
直木賞と本屋大賞を獲得した恩田陸『蜜蜂と遠雷』は最近読みました→
本のなかでそれぞれのコンテスタントが演奏するたくさんのピアノ曲。
恩田さんが文章で表現された音楽は色彩的な描写に溢れていて、まるで本当に曲を聴いているかのようではありましたが…
やはり頭の中で想像するしかないので、実際にどんなピアノの音でどんな演奏なのか…聴いてみたいじゃないですかー
 
それを視覚化ではなく、聴覚化してくれるのがこのアルバム…ということになるでしょうか?
映画のなかで役を演じるのは役者さん、その演奏を担当するのが本物のピアニストたち…という少々複雑な感じですが。
サントラではないようなので、映画を別にして4人のピアニストそれぞれの演奏を聴きたい人にとってもありがたいアルバム。
 
本に出てくるコンクールで演奏した曲を、すべてではないですが聴くことができます。
 
やはり、まず聴きたいなあと思ったのは風間塵の演奏を担当する藤田真央君の演奏だったので、最初に購入しました音符
 
小説内で風間塵が演奏した曲すべてがCDに収められていないのが少し残念。
すべてを録音するとCD何枚もになってしまうので仕方ないですが、バッハ平均律やバラキレフ「イスラメイ」など、藤田真央君の演奏を聴きたかったところではあります。
すべての曲の録音をピアニストたちに課するのは無理な話ですよね汗
 
 
真央君の演奏はやはり、どの曲も心踊るものでした!!
まず、モーツァルトのソナタ第12番。
ピアノ学習者が中級くらいでソナタに入る頃習う曲になるでしょうか?
比較的易しい曲ですが、やはりそこはモーツァルト。
いわゆるモーツァルトの音色で弾くのは、たぶんピアニストにとっても簡単じゃないと思う。
 
真央君のモーツァルト…
私はチャイコフスキーコンクールの時も思いましたが、真央君こそモーツァルト弾きになれる方だとビックリマーク
モーツァルト弾きと呼ばれる方をたくさん知っている訳じゃないですが、私が一番好きなのは内田光子さん。
真央君がモーツァルトを弾く様子を見ていて、内田光子さんのようだと思いました。
モーツァルトの音楽をあんなに楽しそうに、そして聴く人を幸せな気持ちにさせる演奏をする人。
二人の共通点はそこじゃないかと思います。
 
音楽がピュア。
モーツァルトが作曲した時の心持ちをそのまま再現するような演奏。
CDには1楽章だけしか入っておらず、ガクッ汗となりましたが…
 
2曲めのサティの「ジュ・トゥ・ヴ」が良かったー爆笑
何人かの演奏を聴いたことはありますが…(去年福間洸太朗さんの演奏も生でお聴きした)
こんなにいい曲とは…と初めて思いましたね…
本当に素敵で幸せな気持ちになりました~ラブラブ
 
小説の中の「ジュ・トゥ・ヴ(あなたがほしい)」を弾く場面の描写を、もう一度読んでみましたが、もう本当に素敵でした。
風間塵は毎回出番の前に、調律師にどのような音に調整してほしいか伝えるのですが、この曲を弾いた第3次予選の前には「柔らかく」と一言。
 
小説内では第3次の1曲め「ジュ・トゥ・ヴ」を弾いた後に、メンデルスゾーンの「春の歌」を演奏するのですが…
CDでは2次と3次の曲が混ぜこぜになってて…なんで~?
予選の曲順にしてほしかったなあ。
ドビュッシーの「版画」からの3曲。
音の立体感が凄い。
煌めきと色彩ある音の渦。
 
第3次には他にもラヴェルの「鏡」や、サン・サーンス「アフリカ幻想曲」を風間塵編曲で演奏するのですが、その辺はCDには入ってない…
風間塵は3次の最初に弾いた「ジュ・トゥ・ヴ」をもう一度最後に弾いて、他の人をヤキモキさせます。
同じ曲を二回弾いて失格になるのでは…と。
 
 
このCDが発売されたことで一番注目すべきなのは、小説に出てくる日本人作曲家による課題曲『春と修羅』が初めて聴けることですよね。
 
どんな曲なのだろう~と思っていましたが…
現代曲ではあるけれど聴きやすく、美しい曲。
この映画のために藤倉大さんが作曲しました。
藤倉さんの曲は名フィルの演奏で何度かお聴きしています。
7月に聴いた『グローリアス・クラウズ』も、映像が頭に浮かぶような、とても音の美しい曲でした(腸内微生物を描いたらしいですが…)。
そしてこの『春と修羅』、カデンツァ部分はピアニストが自由に作曲し弾くことができます。
コンテスタントによっていろいろな、違うカデンツァが聴けるということです。
実際は藤倉大さんが劇中の4人のカデンツァをすべて作曲したそうです。
面白いですよね。
藤倉さんも小説を読み込んで4人それぞれに合ったカデンツァを作曲したんでしょうね。
『春と修羅』は4人の演奏を聴き比べてみたいですね。
 
ムム…!?
CDでは風間塵の本選の曲、バルトークのピアノ協奏曲は2、3楽章だけでした。
1楽章がないなんて・・・
仕方ないのかも知れませんがこのCD、こういうところはなんとなくカタログ的な感じがするというか、ちょっと残念ですね。
でも、真央君のバルトークを聴けるのは嬉しい。
2楽章を聴いていて、小説内の
「バルトークの音楽は、なぜか屋外にいるところを思わせる。
手付かずの大自然の中を歩いていて、気まぐれに吹き寄せる風に身を任せているような…」
という部分に納得でした。
 
他にはショパンのスケルツォ3番も入ってます。
藤田真央君、「ショパンスケルツォ全曲、他」のアルバムを10月にリリースされるそうなので、そちらも楽しみです音譜
 
このシリーズのCD4枚全部、聴きたくなりますね。
揃えるのはちょっとキツイけど…
次に聴きたいのは河村尚子 plays 栄伝亜夜かな。
 
近々真央君の実演も聴けるので、本当に楽しみです音符