遅ればせながら・・・ | piano*演奏会*庭の花

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私の好きなこと。思ったこと。

これを読み始めました。

 
 
昨日、息子が「本屋行きたい」と言うので一緒に本屋へ行ったときに、そういえば「蜜蜂と遠雷」の文庫本が出てるはずだよな…と思い出し、探して見つけたので買ってきたのですおねがい
 
この本が直木賞と本屋大賞を取ったのは2017年なので、私、ずいぶん遅れてますよね汗
たぶん、皆さんも読まれていると思うので心配ないかと思いますが、ネタバレあるかもなのでご注意下さいね。
 
まず、なんで今頃読む気に…?
というのは、この本が映画になるらしく、登場人物の演奏を藤田真央君、河村尚子さんらが担当する?とかで…
映画になるだけならそれほど読もうと思わないんだけど、真央君、河村さんが担当するという登場人物はどんな人なの?
…というところから興味が沸きました。
 
映画を観るかどうかはわからないけど、もし観るとしたら先に読んでおきたい。
こういう小説や漫画が原作の映画はつまらないことが多いので…
どの映画が?…というのは控えておきますが。
 
 
かなーり、よくできた小説ですね。
まだ上巻だけですが、一気に読んでしまいました。
最初、主要登場人物の紹介がてらの描写は映画のシーンを観ているようで。
映画にしやすい文章だなと思った。
 
ここ最近実際のコンクール、仙台国際とチャイコフスキーコンクールをずっと見ていたところだったし、去年はこの小説の題材となったらしい浜松国際ピアノコンクールにも行っている。
読んでいて、コンクールの行われる会場や周辺の様子から、自分の見たものを思い出すようなかたちなので、なんだか本の中の情景の半分は自分が知っているというのが不思議な感じです。
コンクールの進行状況や、ステージやホール内の様子も全部知ってるし…
こういうことも珍しいです。
 
知っているだけに、読みながら実際にそこにいるかのような気持ちになってワクワクしてくる。
やはり、小説には音がないので彼らの演奏がどんなものなのか、文章から想像するしかないのですが、主要人物何人かの視点での、それぞれが受けた印象や感情が書かれているので、とても生々しく伝わってきます。
 
架空の人たちなのに、彼らの演奏が聴きたくなる~
特に、高島明石や栄伝亜夜の演奏が聴いてみたい。
高島明石の1次の演奏の場面で
「音楽というのは人間性なのだ。この音は、あたしが知っている明石の人柄がそのまんま表れている」
と彼の妻が言っているけれど、そうなのよーと思った。
人と話をすると、その人の人間性がだいたいわかるのと同じで、演奏を聴けば、やはりその人の人間性がよくわかるもの。
 
栄伝亜夜の演奏は誰に似てるのかな。
子供の頃にデビューしてCD録音もしてる、ということは小林愛実さんや牛田智大君のような感じかな?
 
でも、コンクールに出れる人というのはそれだけでも特別なのに、そこで残っていく人というのはやはり、天才と言われる人だけなんですね。
音楽の神様に愛され、ピアノに愛されるような選ばれた人たち。
審査員の三枝子がいう
「誰もが求めている『あの瞬間』を味わってしまったら、その歓びから逃れることはできない」
というのは、プロとしてステージに立つ人にしか味わえない感覚なんでしょうね。
凡人には味わえないなんて、どういう感覚なんだか知りたくなる…
 
もちろん、かなりユニークらしい風間塵の演奏も聴いてみたい。
藤田真央君が彼の演奏を担当するそうだけど…
確かにチャイコフスキーコンクールでの藤田真央君は、彼を知らなかった人たちにとって風間塵の演奏のように驚きだったかも知れない。
 
映画公開は秋だそうだけど、非常にタイムリーな映画ではあります。
真央君のチャイコフスキーコンクール第2位受賞は、映画関係者もきっと喜んだことでしょう。
 
サウンドトラックも出るのかな?
そっちのが気になります…