ユリアンナ・アブデーエワさんピアノリサイタル♪ | piano*演奏会*庭の花

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私の好きなこと。思ったこと。

アブデーエワさん、とってもチャーミングな方。

演奏の前と後にニッコリとされる笑顔が素敵でしたニコニコ
 
 
 
 プログラム♪
 
 
 
 
演奏をお聴きして感じたのは、ご自分の曲に対する解釈や世界観 を、一番大切にされてるんだろうなあということ。
 
最初はドビュッシーの『版画』。
スーッと滑らかに始まり、音が自然に浮き上がってくる。
 
続くショパンのバラード第3番。
3つのマズルカ、前奏曲、そして、スケルツォ第3番。
 
この前半の流れ、考えてあるなあ。
 
最初は全体的に音が軽めで、バラードでさえも重さがなく。
バラードは自分も弾いたことがあるので、ここそんなに軽くていいの~って感じたんだけど、プログラミングからすると確かに、マズルカをはさみ、前奏曲嬰ハ短調からのキリッとしたスケルツォを持ってくるというのは、凄く効果的で全体にまとまりがあるなぁと思いました。
 
プログラミングの流れでそれぞれの曲が生きてくる感じ。
特にショパンのマズルカの歌い方が凄く気に入りました。
音色の変わり目、長調と短調が入れ変わる瞬間のなんともいえない移ろい具合。
 
こいういう表現のセンスというのはやっぱり特別で、そこがショパンコンクールでひときわ目立って選ばれた理由なんだろうなぁと思いました。
どの曲もアブデーエワさんひとりの世界で語られていて、それを私たちが覗かせてもらっているというか…
 
ステージで演奏していても、なんだか練習風景を見ているような感じ。
アブデーエワさんは演奏を凄く楽しんでいて、聴く方も凄くリラックスできてとっても気持ちよく快適だった。
演奏をお聴きしながら、なぜか、アブデーエワさんはきっと、今お幸せなんだろうな~なんて思いました。
コンクールのときに感じたストイックさがなくなったわけではなく、随所で感じられましたけれど。
 
快適だったのはこのホールの雰囲気やシートの座り心地の良さも手伝ってるかな…とも思いました。
ホントに素敵なホール!
ステージの高さや座席の並びなど、演奏を見やすいように配慮されていて、聴くことに集中できる。
ステージの床板の張り方は観客席に向けて張ってありました。
 
 
後半の楽しみなムソルグスキー『展覧会の絵』。
拍手で迎えられて椅子に座ってすぐに弾き始めました!
やはり…、出だしは軽めというか、テンポが速い。
ソンジン君がチャイコフスキーコンクールで演奏した動画を観ていたのだけど、かなり重々しく力強いプロムナード導入でした。
 
ずいぶん違います。
でも、だんだん引き込まれていきます。
「古城」の少し不気味なベース音と寂しげな旋律を聴いてると、不思議な城の景観が浮かんでくる。
「殻をつけた雛の踊り」のかわいさったらエヘッ
そして、最後の「バーバ・ヤガー」からの「キエフの大門」での集中力が凄いビックリマーク
やはりここへ向かうための、徐々に音色を深め、重くしていく作戦だったんだな…って思いましたニコニコ
 
 
 
アブデーエワさん今年34歳になられますが、8年前のショパンコンクールの時も、ずいぶん落ち着いた知的な女性という感じでした。
他の女性コンペティターたちはドレスを着ていても、アブデーエワさんは黒のスーツで通されて。
昨日のステージ衣装も素敵でしたハート
黒のブラウスに黒のパンツでしたが、胸元に花のモチーフが散りばめられていて、シックな中にも可愛らしく、女性らしさが出ていました。
 
アブデーエワさんの演奏は感動!というより、プログラム全体をひとつの作品として、その中で描かれた音色や質感みたいなもので魅せる音楽…という感想を持ちました。
 
 
サイン会にも並び、素敵なお姿を拝見しました。
 
 
(ボヤボヤ~)
 
サインをいただいたので、「スパシーバ」と言ってみたら伝わったようで、「スパシーバ音符」って嬉しそうにニッコリしてくれましたラブラブ
 
 
アブデーエワさんのピアノは、あとからジワジワくるような演奏…
プログラムにこう書かれていたけれど↓
 

 
確かに、彼女の世界、彼女が考える音楽の内面を一緒に旅したような…
 
そんな素敵な時間でした音譜