横浜緑園都市音楽祭2024のご報告① 久元祐子さん(7/25、26、27開催)
厳しすぎる暑さが続いておりますが、皆さま熱中症対策は万全でしょうか。
さて、7/25~8/5開催の『横浜緑園都市音楽祭2024』は、一般社団法人むすび 様のご協力により
色とりどりの障がい者アート(ギフテッドアート)作品に囲まれた素晴らしい空間の中で
どの会も大盛況に終えることができました。この場をおかりして皆様に深く御礼申し上げます。
遅くなりましたが、それぞれがどのような会だったかを順番にご報告させていただきます。
記念すべき第1日目は、久元祐子さんのレクチャーから始まりました。
久元祐子さんが奏でる音楽はなぜこれほど魂を揺さぶられるのか、
その秘密が一つ一つ解き明かされていく時間でした。
「やるべきこと(楽譜に書かれていること)をやれば音楽は向こうからやってくる」
久元さんの言葉にはとてつもない重みがありました。
時代背景、クライマックスの見つけ方、調性が持つ性格などなど、1音1音に意味を持たせ、
緻密に練り上げられた音楽は、解説後に聴くとより深く味わうことができます。
2日目のコンサートでは5台のピアノで演奏してくださいました。
プログラムはこちらです。現在ベートーヴェンチクルスに取り組まれており、
昨年の当店35周年記念コンサートに続いて、オールベートーヴェンプログラムです。
今回弾いてくださったピアノは、
ブリュートナーフルコンサートグランド(新品)
ブリュートナー ジュビリー(1905年製)
並行弦のエラール(1895年製)
古い時代のタローネ
そして、アンコールではブリュートナーモデル10、
ブリュートナーアップライトモデルC
と、合計5台のピアノを使って演奏してくださいました!
これだけの台数を使って演奏されたのは、今回の音楽祭の中で久元祐子さんただ一人です。
久元祐子さんは故イェルク・デームスさんの教え『自分の先生は楽器』にならって、
ご自身でも古い時代のピアノを多数所有されています。
何か月前だったか、横山ペテロが調律にお伺いした時の様子を後日アップしたいと思っていますが、
見渡す限りの貴重なピアノの数々に驚かれると思います。
ピアノはメーカーによって音色もタッチも大きく異なり、
とくに並行弦のエラールは鍵盤の長さが現代ピアノより短く、鍵盤のタッチも浅い上に
現代ピアノと比べてピッチが10ヘルツほど低いです。(1800年代当時は、今よりも低いピッチで
調整されていました)
ですから久元さんのように一瞬でエラールの弾き心地に慣れて、最高のパフォーマンスを
するのは神業ともいえます。
ピアノが変わるたびに、客席からは期待に満ちた歓声と笑顔が溢れ、
演奏が終わるたびに、会場には静かな感嘆のため息が漏れていました。
ベートーヴェンのソナタ『月光』では多くのお客様が感涙され、
ベートーヴェンが降りてきたかと思う瞬間がありました。
久元祐子さんはやはり日本が世界に誇る演奏家だと改めて思いました。
こんな素晴らしい演奏を今回聞き逃してしまったという方がいらっしゃいましたら、、、
朗報です!!
なんと同じプログラムをサントリーホール ブルーローズにて、
ご自身が所有するフォルテピアノ【1795年製 アントン・ヴァルター】を持ち込んで演奏されます。
ベートーヴェンが生きた時代の音色でベートーヴェンを聴く
ベートーヴェンが好きな方、久元祐子さんのファンの皆さま、
そしてピアノマニアたちにとっても、逃すことのできない機会になります。
有限会社ピアノクリニックヨコヤマ
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