3月17日(日)のキールフィル定期演奏会は、メンデルスゾーン作曲のオラトリオ『パウルス』Op.36でした。日本語表記だと、『聖パウロ」の表記が多いみたいですね。でも、前回歌ったときの記事と同じく、『パウルス』表記で行ってしまおう。

初めて歌った時の記事

https://ameblo.jp/pianistin/entry-12317636413.html

今回は、キールフィルハーモニー合唱団メンバーとしての参加です。

1回歌ったことあるはずなのに、見事にいろいろ忘れていました。前回は企画合唱団で、1回の週末練習、次の週末は本番で、コラールも何曲かカットしていたので、無理もないんですが。

今回は地元の合唱団で毎週の練習、それでも時はあっという間に過ぎてしまいました。今度の演奏会ではほぼ原曲に忠実で、時間の関係で合唱部分だけカットした曲1曲、省略した曲1曲で、ほぼ全曲上演でした。

上演時間2時間の間、合唱のないアリアは少なく、合唱団にそれなりの力量が求められる曲だと思います。

音楽総監督のライナースさんとは、ライナースさん就任直後の2019年に、フィルハーモニー合唱団100周年記念として、メンデルスゾーンのもう一つのオラトリオ『エリヤ』を上演しました。

https://www.kn-online.de/kultur/100-jahre-energie-philharmonischer-chor-3E2FVTEWNQYH6HJQRE5WT27PCU.html

この時はプロのキール劇場合唱団、児童合唱団も一緒でした。今回はプロの方は各パート1、2名お手伝いに入ってくださるのみ。ほぼフィルハーモニー合唱団だけです。

さすがにそれでは人数が足りない(とくに男声)ので、合唱指揮者さんが他の合唱団にも声をかけて、大学合唱団関係の人などが集まったようです。公募もかけました。

3月に入ってから指揮者との練習、オケ合わせなどが続きました。練習の時に、めまいがしそうな感じがあり、これは配分を考えないと最後まで持たないぞ、と注意しました。

私個人的には、指揮者さんとの練習を参考にアーティキュレーションを考えました。音楽祭合唱団の強化練習で、土日とずっと練習が続いても声に負担がかからなかったことがヒントになりました。フーガも多いので、構造が見える響きは、解釈的にも大切なはず。これで、かなり楽になり、最後までできそうな感触が持てました。

当日は、11時からシンフォニーコンサートで1回の休憩をはさんで全曲演奏、18時から解説付きで60分くらいの抜粋を上演でした。

キールフィルハーモニー合唱団は、100年を超える演奏活動を認められて、ツェルター記念メダルを授かっていたのですが、この日、ようやく実物が私たちの手元に届きました。

シンフォニーコンサートの前に、メダル授与式がありました。ウルフ・ケンプファー・キール市長とエッケハルト・クレム・ドイツコンサート合唱団協会理事長も出席、祝辞を述べてくださり、キールフィルハーモニー合唱団ヘンリク・ヴェルプ代表がメダルを拝受、謝辞を述べました。

メダルと言ってもオリンピックのメダルよりずっと大きく(16cm x 14cm)、ずっしり重いです。

Zelter Plakette

コンサートは好評でした。ソリストの方々の歌唱も素晴らしく、スタンディングオベーションがなかなか止みませんでした。指揮者、オーケストラと合唱が心を一つにして、集中して演奏する体験は、いつもとても貴重な体験です。

ツェルター記念メダルは、100年存続しているだけではなく、その間ある程度の水準以上で演奏活動を続けた合唱団に授与されるそうです。まさにツェルター記念メダル授与にふさわしいプログラムでした。

参加メンバー数は女声2:男声1くらいの割合でしたが、新聞評によればバランスも良かったようです。有料記事ですが、写真は見られます。

https://www.kn-online.de/kultur/regional/philharmonischer-chor-kiel-zelter-plakette-und-mendelssohns-oratorium-paulus-VVOSSKBE5NBA7EORRD66AUE5FI.html

夕方のコンサートは、余裕を持って臨むことができました。1回めの成功で気が緩んでしまわないように気をつけましたが、朝のコンサートよりもさらに完成度は高かったと思います。

宗教音楽は苦手なはずの、ヘヴィメタファンのダンナさんも夕方のコンサートに来てくれて、「とても良かったよ」と言ってくれたのは、素直に嬉しかったです。

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P.S.会場のお向かいに、気取らない雰囲気のインドレストランがあります。なかなか美味しかったので、コンサートの後、ダンナさんと食事に行きました。

そうしたらお隣さんはコンサートのお客さんグループ、奥は合唱メンバーの長テーブル、脇は合唱メンバーと家族、果ては指揮者さん&ソリスト&解説者グループまでやって来て、小さなレストランはコンサート関係者でいっぱいになりました。小さい街、あるあるでしょうか?!

コンサートデータ
ヴェラ=ロッテ・ベッカー、ソプラノ
マクシミリアン・マイヤー、テノール
マグヌス・ピオンテック、バス
キール・フィルハーモニー合唱団
キール・フィルハーモニー・オーケストラ
ゲラルト・クランマー、合唱指導
ベンヤミン・ライナース、指揮