小説『ハンチバック』 市川沙央 | ピア 人工関節と難病と猫と

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・・・
人工関節の脚、肝臓の難病、慢性疼痛と闘っています。
時々は保護猫出身の愛猫のことも。
人生終盤、余生を悔いなく送りたい。
ブログを綴って、脳の衰えを緩やかに。




昨年の芥川賞受賞作品


最初の数ページの
嘔吐しそうなエロ描写にビックリして、引いてしまった

ハプバ(ハプニング・バー?)なる場所で
普通の男女が乱交している描写だ

こういうことは今どきの若者の一部には現実なんだろうか




でもその描写は
主人公の重度障害者の女性が、
注文されて書いているネット上の潜入ーレポート記事

「コタツ記事」っていうんだって


現場取材などせず

ネットの情報を集めて

あたかも生々しい現場を再現させる



小説の主人公の女性は、筋萎縮を伴う難病で
身体もどんどん変形していき
 

人工呼吸器と痰の吸引が必須で

自由に動くこともできず
 

莫大な遺産に守られて生きている


「普通の人間の女のように子どもを宿して、そして中絶するのが私の夢」

(このへん理解できない)



そして金目当ての若い男性介護士に
夢をかなえてもらうことに…


 

最後のストーリー

風俗で働くホスト狂いの女子大生のくだりは
唐突でつながりがわからずよくわからなかった


小説はネットスラングや略語の若者ワードでいっぱい
 

老女である私にはストーリーも文章も
なかなかついていくのが大変だった


著者は、小説の主人公と同じ車いす、人工呼吸器使用
授賞式で「怒りだけで書いた」とスピーチしたそうだ



なんだかな…と思いながら読んだが
受賞作は、だいたい読む読書人が多いから


この社会には

障害者がいること
こんなに生命維持が過酷なこと
障害があってできることに制限があっても、心はまったく自由だということ


を知ってもらえるのかな
(私もその一人だし)

それは、寛容な懐の深い社会を
少しずつ作っていくのだと、思いたいが


ハンチバック…
車のこと?と思った
(それはハッチバック)

背骨の変形のことをいう

「ノートルダムの・・・」
と言えば古い人にはわかるだろうか


(hunchback)