先日、バッハの舞曲を調べている人からメールがあって、それをきっかけに思い出した話。
ポーランドの人に会うと、「ポロネーズとかマズルカを、踊った事はありますか・・?」と訊くのが、習慣になっていた頃。
東京見物に付き合った、ワルシャワから来たお客様の夫人達。
二人とも、「一度だけ、ポロネーズは踊ったことがあります」と答えてくれた。
私程度の英語しか話さない二人だから、詳細は不明で終わったけれど、どうやら大学の最後の年に、大きなダンスパーティーがあって、そこで踊ったらしい・・。
そのパーティの何か月か前から、学生達の為にポロネーズの講習会があったとか。
分かったのは、どうやら彼らにも、日常的にはポロネーズを踊る機会がないらしい、という事位であった。
或るとき、イギリスのハロゲイトで、大きな国際会議があり、私も主人に同伴して一週間ほど滞在したことがある。
最後の夜は、出席者が全員出席して、華やかなバンケットが開かれた。
たまたま、私の席は主人が親しくしているスワヴェックの関係者が多くて、殆どがポーランドからの人達であった。
食事も終わりに近づいた頃、私はいつもの質問をぶつけてみた。
やはり、殆どの人が一度だけポロネーズを踊ったよ、と答えるので、私は、「ポロネーズとは、輪になって踊るダンスなのですか?それとも、男女のペアとか・・?簡単に言うと、どんなパターンのダンスですか?」と尋ねてみた。
そして、例えばという風に、小声でショパンの「英雄ポロネーズ」のテーマを、軽~く口ずさんでみたのだ。
すると、周りにいた数人のおじ様たちが、「違う。違う。ポロネーズは、もっとゆっくりなんだ!」と口を揃えて言う。
まあ、私も軽~く口にしたのを、後悔こそしたけれど。
すると、隣の席に座っていた若い男性が、「ポロネーズの踊りは、一拍目で膝を深く折るので、そこのリズムに重みがかかるのですよ・・」と、晩餐会のテーブルクロスの端っこで、指を曲げながら教えてくれたのだった。
数多くの人に訊ねてみたけれど、その時ほど、「成程!」と納得した事はない。