前回の記事の最後に

「笑うこと」について書きまーす

と書いたので、

今日は「笑ってみよー」というお話です。

 

 

「笑い」が心や体に良いということは

医学的に実証されつつあり、

最近では病気の予防や治療においても

注目を浴びています。

 

笑いと治療の関係を研究する

きっかけとなったのは、

治癒の可能性は0.2%ともいわれる難病を、

笑いにおいて完治させた

ノーマン・カズンズ氏

(アメリカ人ジャーナリスト・作家)の

逸話がきっかけとされています。

 

彼は、1949年34歳の時に広島を訪れ、

ルポルタージュ

「4年目のヒロシマ」を執筆し、

広島市特別名誉市民になっている人です。

 

カズンズ氏は50歳の時に、

膠原病(こうげんびょう)のひとつ、

強直性脊椎炎という病気にかかってしまい、

発熱と体の激しい痛み、

体中にできた固いかたまりのため、

まったく動けなくなってしまいました。

 

カズンズ氏の言葉をそのまま用いるなら、

「1日中トラックが体の上を

走り回っているような」

激痛だったそうです。

 

そんな中でも彼は

悲観論に陥ることなく

「もし自分が病気を治したいのなら、

病気に対して受け身にならず、

前向きに何かをした方がよい」

と考えました。

 

知り合いでノーベル平和賞を受賞した

アフリカ在住の医師である

シュバイツアー博士の言葉である

「誰にだって体の中に

病気を治す主治医がいるので、

“その主治医”を

よく働かすことができればよいのです」

という言葉や、

ストレス学説で有名な

カナダ人のハンス・セリエ博士の

【生命のストレス】というという本にあった

「良いストレスは

体の免疫機能を活性化する」

という言葉を思い出し、

アスピリンなどの治療薬を拒否し、

ネガティブなことを考えないように

病院からホテルへと

治療の場所を変えました。

 

そして、

免疫作用と自己治癒力を高めるために

必須ながら体内で生成できない

ビタミンCを大量に摂取し、

痛みをこらユーモア集を読んだり

喜劇映画やコメディ番組を観て

ゲラゲラと笑う生活を送りました。

 

10分間、お腹をかかえて笑うと、

少なくとも2時間は

痛みがなく眠れたそうです。

 

その後もポジティブさを

いっそう意識して治療を続けたところ

わずか数ヶ月後に症状が改善し

ジャーナリストの職に

復帰することができました。

 

その後、心筋梗塞も患いましたが

「ポジティブな感情」と「笑い」で

乗り越えたといいます。

 

2度「奇跡」を起こしたともいえる

カズンズ氏は、

「心身の再生力を決して

過小評価してはいけない」

情報発信を続け、「笑い治療の父」とも

呼ばれるようになりました。

 

 

 

↑ノーマン・カズンズ氏の話について

詳しく知りたい方はこちらをどうぞ

 

 

今では笑いと健康について

たくさんの研究が行われ、

様々な報告があります。

 

とある研究において、

寄席を見に来たお客さんを対象に

NK細胞の活性を調べたところ、

大笑いをした後のほうが

はるかにNK細胞が

活性化していることがわかりました。

 

NK細胞はリンパ球に含まれる

免疫細胞の一つで、

生まれつき(ナチュラル)外敵を

殺傷する(キラー)能力を備えているため

「ナチュラルキラー(NK)細胞」と

呼ばれています。

 

私たちが笑うと、

免疫のコントロール機能を

つかさどっている間脳に興奮が伝わり、

情報伝達物質の神経ペプチドが

活発に生産されます。

 

神経ペプチドは、

神経細胞の興奮や抑制を

他の細胞に伝える物質の総称で、

血液やリンパ液を使って体内を巡り、

NK細胞の表面にくっついて

活性化する働きがあるのです。

 

NK活性を上げるためには

日頃から笑いを心がけることが必要ですが、

別の研究で「作り笑い」でも

NK活性が上昇することが発見されました。

 

顔の回りの筋肉は感情をつかさどる脳の

A10神経群が関係していて、

笑顔をつくるだけで脳が楽しいと勘違いして

ポジティブな感情が

生まれやすくなるんです。

 

つまり、

表情だけでも笑顔を続ける

ことが大切だということです。

 

表情はメンタルにも

大きな影響を及ぼすといわれていて、

表情が明るい人がうつや

コミュニケーション障害になる確率は

とても低いと、

科学的にも証明されています。

 

「笑うこと」がもたらす

ポジティブな効果は

これ以外にもたくさんあって、

「笑う」という誰もが備えている

自身の内なるエネルギーで

心身ともに元気で

生活していけるようになる可能性は

十分に考えられるので、

ぜひ毎日の暮らしの中に

積極的に「笑うこと」を

取り入れていっていただけたらと思います。

 

時として精神的に

笑える状態じゃないときがありますが、

そんなときこそ、自分のためと思って

笑顔を作ってみてはいかがでしょうか〜ニコニコ