から続きます。



弱音でゆっくりと弾く中身が、いかに音楽的であるか?
そこに求められているものを的確に捉えて最大限にイメージし、音色の変化で表出させること。
例えば、
{F2511A2F-5F79-40D6-BAE2-5424D469D73A}
fから、この3小節間の推移


また、
{FEA00E5B-79D2-4BE6-A9AB-B4BD90AB989F}
中間部最後ppほどの弱音・・・riten.・・・ から、

{1CE2B98B-0CF5-4F61-87D0-931311FD96E8}
再現部のPrestoへの移行


そして、
{4CBE8AEA-D14A-4C1C-BCE2-A9CE90DD46CD}
コーダ、ラストの この右手


最初の譜例は、
冒頭からの興奮が冷め止まぬうちにドタバタと素通りしてしまうとか、pの小節(アクセントの位置が変化する)でやっと現実に目が覚めるようでは、とても残念です。

2番目の譜例では、とにかくまず、次をPresto!という感覚で弾くべきかどうか?というところに疑問を持つべきです。Tempo I(Allegro agitato)にしてもPrestoで弾くにしても、意気揚々としたものでなく、弱音で入っていくというその推移には、たくさんの期待と可能性を秘めさせます。

3番目の例・・私的には、実はこの部分の練習で獲得した強い精神力と繊細な指先が全てに良い影響を与えてくれるのではないかと考えます。
左手のメロディーを右手16分音符に上手く乗せることよりも先に、
右手を弱音でゆっくりで、それプラス、タイ弾きの手法を加え、離鍵を感じてから打鍵する練習が必要です。そこからショパン独特の香りが想像され、自然発生的に左手が乗り歌い上げることができます。
タイ弾きの練習方法は、以前ドビュッシーの曲で書いておりますので、宜しければこちらを→

・・・など これらは、弱音で弾きながらゆっくりとショパンの精神を根付かせる、特に大切な部分であり、
これらで培われたその精神力が元(基本)となり、デュナーミクやアゴーギクが展開されていくのです。



私がこれまで書いた内容はともかくとして、最後に・・・金子一朗さんの著書から、切り口は違うものの同じ結論をズバッとお書きになったものを見つけましたので、ご紹介させていただきます。



 本来、音楽的な表現は、音量の変化に頼らなくても可能である。それは、チェンバロやパイプオルガンの優れた演奏を聴けばわかる。それをさらに強調したり別の魅力を引き出したりするために音量の変化が起こるだけで、音量の変化が伴わなければ音楽的な演奏ができないということは、表現が稚拙である証拠である。ましてや、それだけでなく、テンポルバートを利用しないと音楽的に表現できないのであれば、さらに問題点は奥深い。
 例えるなら、音楽的な表現をしようとして勝手にテンポの変化に頼るのは、スポーツにおけるドーピングと同じである。今まで述べたように、音楽に一貫性がなくなる。テンポを変えずに音楽的に演奏できることが一番望ましいことである。さらに必要最小限の範囲で強弱を変えるのである。こういったことは、ラヴェルやドビュッシーといったフランス近代の作品やバロック時代、古典派の作品を学ばないとなかなか身につかないものである。ロマン派の作品ばかりを学習することの危険性はこういったところに存在するのである。


金子一朗 著「挑戦するピアニスト  独学の流儀 」より









フォーカルジストニアの最終目的である奏法の入れ替えの段階・過程には この、弱音で 兎にも角にもゆっくり弾く ことは必ず取り入れていくべきもののひとつ。
タイ弾きの練習も、虫様筋が安定していることが大前提として(それまでの過程・期間を厳守した上で)有効ではある。
どちらも、少しでも違和感を感じれば、直ちにやめなくてはならないが。


ところで・・・
なぜ、ショパンはこの曲を焼き捨ててしまいたいほどの気持ちでお蔵入りさせてしまったのか?
なぜ、世に出てしまってからこんなにも(研究の結果であろうとも、人の手、演奏者の手によって)どんどん1人歩きをしてしまうのか?

一旦 幻になったものを蘇らせようとする、人の気持ちというのはかなり欲深いものだ、と悩ましく思う。

もちろん、欲には、中身の良いものと悪いものとがある・・・。

ショパンはもしかしたら、それすらも恐れていたのだろうか?


ただの憶測だけど・・・。

それほどに、この曲を愛していたのかもしれない。












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東京都福生市の拙宅(マンション 一室)でピアノ・レッスンとピアノ・レンタルを始めております。

ヤマハグランドピアノ C3A・ヤマハアップライトピアノ U1H
1台ずつ入っているお部屋です。

今のところ暫くは仙台の教室がメインであるため、月に一度の上京の際 となりますが、
ご都合が合って希望される方がいらっしゃれば、ご予約いただきレッスンを行なっています。

また、個人での練習や お友達同士での弾き合い会(2〜4名ほど)、レッスン場をお探しの先生、受験のためや 発表会・コンサート・コンクール等のための練習ピアノが必要な方など、
私の限られた日程と時間帯ではありますが、
レッスンの空き時間・音出し可能時間内であれば、こちらも予めご予約いただき、お部屋をお貸ししております。





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