前回から続きます。
ゆっくり弾く練習の、もう一つの深い理由・・・。
前回記した正しいリズムの習得と、
そして終始和解することのない両手の相反する2本の流れを独立して習得する、という
言わば幻想とは程遠い、集中力と緊張感を身につける基盤がまずあるのですが、
実はその中の深いところに、ショパンを見つめる心が養われ、ショパンの目になり、ショパンの耳になる、という中身が隠れています。
それを体感するために非常に重要なこと。
ゆっくり、
しかも弱音で弾く。
弱音(のタッチ)から耳を育てていくことは、多彩な音色・響きの表現のためにとても大切なものの一つです。
劇的なcresc.もff も、ショパンに不似合いな「派手好き」とは無縁な美しい響きは、この練習から発達して作られ、
そこに現れる緊張と弛緩・遠近感こそがショパンの独特な世界観を体感させてくれるものだと思います。
この方法で音色・響かせ方に注意し集中し追求していくようになると、これはpもfも、ppもffも、一喜一憂せず指先のタッチが安定する ということに言い換えることができ、
内在的なものでコントロールする様子に自分自身をクローズアップさせていることになります。
これが、リアルな、ショパンの幻想です。
すごく難しいですね。
名曲が 名曲である由縁は・・・
という、前回の話であります。
でも、
モーツァルトが自身の特殊な世界観や作曲法を持っていること だったり、
ベートーヴェンの一つの題材に対してエネルギッシュに展開させていく魂の力 だったり、
ドビュッシーが自分の音楽は印象派ではないと言ったそこに はっきりとした「象徴的」主張 があったり、など
作曲家に近づくという意味での芸術の奥深さは、すべての音楽に言えることではないでしょうか。
そして、焦点がそこに合い、だからこそ見えてくる本当の愉しみと喜びも。
内在的なものでコントロールしている様子・・・。
これは、大脳皮質でバリバリ意識して弾いているパターンではない ということで、外に向かって発信しているにもかかわらず、自分の内側へ内側へと世界がどんどん広がっていく感覚になります。
この感覚が正しいものかどうか(妄想思考でないかどうか)という唯一の判断は、
それを見つめているもう1人の自分がそこに居るかどうか。
音と身体が繋がっているという実感は、客観視している自分が常に必ず存在している、ということと伴っています。
弱音で弾く話に戻しますが、
極端にテンポを落とし、その一定の速度で、極小・微小・微細の音の感覚を一番に大事に弾いていくこと。
それは逆に言えば、全てを排除していくことでもあります。
パンパンに膨れ上がり盛りに盛り尽くした感覚の中では、表現・響きの作り方のためのイマジネーションもアイディアも皆無でしょう。
・・・途中ですが、また長くなりそうですので、
次回、実際に楽譜の中身に迫った内容を少し書いてみたいと思います。
自分を見つめるもう1人の自分 という話が、1回目の記事で書いたことと繋がる。
「愛おしくショパンを見つめていた自分が逆に、ショパンから見つめられている という、身に余る喜びをこっそり感じ得る瞬間が訪れる」ようになる、というそれの感じ。
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